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「そういや、あれば物販もOKだって。どうする?」
チャダも参加決定した何処で雷華がそんな話題を振ってきた。
物販。要はアカシャグマのグッズ販売だ。
今までライブ活動と音作りに集中していたけど、グッズ迄は頭に無かった。
全く無い訳じゃ無かったよ?遠征が終わったGW中はCD制作に入る。ただそれしか考えて無かったからだ。
俺達の固定ファンからはグッズはないのか?そんな声があったけど、いよいよその時が来た様だ。しかしだ。
「時間なく無い?遠征迄の期間が2週間位だよ?自分で作るでもデザインから起こさなきゃならないし、業者に依頼するなら今から依頼を出さないと。」
「デザインはHPにもあるバンドロゴを弄って作ればいい。印刷関連なら商店街の組合員に居るから小ロットであれば物にもよるけど、特別に2〜3日でやってくれるって。」
根回しが早すぎるよ。我らが裏リーダー。
「ただ、全員に関する事だから確認したかったんだ。どうする?」
どうする?っても色々と切羽詰まってきてるから、そこで新たなグッズと言われてもイマイチピンと来ない。
「多分ピンと来ないかと思うんで…」
顰めっ面している俺達を想定していたんだろう。雷華が鞄の中から何かを探し出す。先読み力が凄いな。
「参考として自宅にある物で缶バッチを作ってみました。サンプルとしてロゴとイラスト。」
「凄え!イラストチャダじゃん!普通に欲しい!」
大雅が興奮気味で缶バッチを手にする。
小さ目のバッチ2個に台紙も入って見栄えが良い。サンプルとは言え、売り物として良く出来ている。
「雷華、これ作るの大変じゃなかった?」
サンプルは尚典に回り、多方面を見ながら聞いてくる。
「女児玩具にバッチ作れるのを思い出して、昨夜眞子と2人で作った。」
想像してみる。
夜中にクールな兄とギャルの妹の2人で女児玩具を囲みアレコレ言いながらバッチを作る姿を。凄い仲良しな図が浮かんだ。
そして女児は本当に良い物で遊んでるんだな。クオリティ高。
「専用のバッチが必要になるけど、古いバッチならコレも玩具屋の旦那さんが割引価格で在庫譲ってくれるから、バッチは持って行こうかと思う。」
此処でも商店街組合の力が発揮されたか。
そもそもscreamも組合員だし、マジで此処の商店街が無いと俺達やっていけなくなる気がして来た。
「良いじゃん!デザインもコレで良いよ!僕が欲しい!」
自分の名前を出されたせいか、いつのまにかチャダもベッドから降りてバッチの輪に加わっていた。
「チャダもこのバッチ欲しい!」
「じゃあ、あげる。」
あっさりサンプルをチャダに渡したわ。「チャダばっかりズルい」と大雅と尚典が文句が出ると鞄から同じ包みの缶バッチを3個出して。
「ちゃんと全員分作ったよ。じゃあ今夜から眞子と作るんで、数は玩具屋の旦那さんの提示価格で考える。」
「眞子ちゃんも巻き込んじゃって大丈夫なのか?」
本来なら俺達がやらなきゃならない作業だ。いくら玩具の所有者とはいえ、申し訳ない気がする。
「実はバッチ作るのにコツがいるんだよ。だから眞子にお願いした方が失敗がほぼ無い。」
そう言った理由ならば、此処は眞子先生にお願いしますか。
「ああ。眞子がお土産は甘いのが良いって。」
勿論、所望の物は我々がご用意させて頂きます。
他のグッズについてはTシャツにして、雷華が印刷屋さんとの交渉でロット数を決めるで話が纏まった。
今更だけど、バンドをやってるんだな。
この小さなグッズ一つだけでも幸せな気分に浸れた俺がいた。
バンド物販と言えばやっぱりTシャツ。
本当はラバストとかも作りたかったけど、今回は実験販売も兼ねてるのでとりあえずコレで確定。




