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インスタントコーヒーと差し入れのシュークリームを囲みながら、名古屋遠征の詳細を練り始める。
出演は4月25日の金曜日。イベント自体は18時スタート。
何とか息を吹き返した雷華が同日に参加する相手の楽曲や動画を見て、一旦は仮だがセットリストが決まった。
相手バンドが俺達の楽曲とは違うゴリゴリのロックな感じだったので、それに沿って硬派な曲を。そんな選曲内容になった。
残るは名古屋への移動方法や宿泊先だ。
俺達にとって初めての遠征になるので行くだけでも前乗りが良いのか当日で良いのかが見当つかない。
「先方のオーナーさんが所有する宿泊施設があって、そこを使って良いそうだから前乗りでも良いと思う。」
既に雷華はオーナーさんと本件について動いてくれている。流石俺達の裏リーダーだ。
「今回はゲストなので交通費も持ってくれるそうだ。機材の持ち運びも考えたらレンタカーで名古屋入りが良いかと。」
演奏するのは変わらないが、呼ばれるのは初めてなせいか何時ものイベントとは違うんだなと徐々に実感してきた。
「所でさぁ。チャダ、どうする?」
粗方話が纏まってきたタイミングで尚典が入って来たと同時にベッドの上で本を読むチャダを一斉に見る。
流石に今までの様にポケットに入れて気軽にお出掛けって訳には行かないからな。
だからと言って留守番と言って数日も1人って訳もいかない。
『チャダはじょうぶだから、だいじょぶだよ。はなれてるほうが、だいじょうぶじゃないよ。』
一美ちゃんが倒れて隔離後に言われた言葉。今でもしょんぼりした顔を思い出しす。
連れて行くのが正解だと分かってるけど、ただの旅行じゃないんだから俺の一存では決められない。
パタンと読んでいた本を閉じてチャダは此方を見ると。
「チャダはお留守番してるよ。場所も遠いし、バンドメンバーじゃないから色々な面で負担になっちゃうし。そうは言っても数日でしょ?何とかなるよ。由紀恵さんも居るし、翔平君ともお友達になったしね!」
ニコニコと答えているけど少し遠慮している空気を感じる。俺だけじゃない。全員微妙な表情をしているから、みんな同じ様に感じ取ってると思う。
パラパラと再び本を開いてチャダは此方からの視線を外した。
やっぱりチャダ連れてくかな。GW中から又ガッツリバイト入れれば色々回収出来そうだし。
「違う、違う。チャダは連れてくつもりだよ?」
眉を顰めながら尚典は続ける
「オイラはチャダが半分メンバーだと思っていたんだけど、それは認識違いじゃないよね?」
雷華と大雅が頷くのに少し遅れて俺も頷く。
「正直金銭的な理由はどうにでもなるし、どうにかなるでしょ。先方がアレコレ言う人物なら雷華がオーナー交渉で上手くやるだろうし。」
「勿論」と雷華は答える。
「それより関係者とは言え、女の子を連れて回ると色々聞かれるだろうからね。チャダもオイラ達も困らない様に口裏合わせとこうって事。」
そう言う事か。確かに先日、翔平君へのレスポンスが下手だった件について記憶が新しい。
それが4人バラバラだったら怪しまれるからな。
それより
それよりも、みんなチャダの事を大事に思ってくれた事が凄く嬉しかった。
「尚典、チャダも行って…良いの?」
「そうだよ。だってチャダは何時も一緒に考えて選曲してくれるでしょ。だからチャダもオイラ達の仲間だよ。」
えへへと嬉しそうに笑って、チャダは読みかけてる本で顔を隠して見せた。
ちなみに雷華再生迄40分くらい掛かりました。
その間は皆んなに弄られてました。(色々な意味で)




