side 4
由紀恵side
「お邪魔しますー。あ、あなたが大雅さんのお友達?」
言われるままに室内に入ると洋服と格闘している女の子が確かにいた。何だか凄い着方をしてるけど、大丈夫かな?
「あ!ハニー&バニーの女の子!」
「あら。ウチのお客様だったんだ。私の事を知ってる?」
「うん。」
「あのお店女の子のお客様って少ないから、私は絶対覚えているんだけどなぁ。でも今日覚えたからね。又お店来たら声掛けてね。」
うん。と彼女は頷いた。うーん。このくらいの可愛い女の子なら絶対忘れないんだけどな。単純に私がお休みですれ違っていただけかもしれないね。
「ちょっと待ってて。タッパー冷蔵庫に閉まったら手伝ってあげるから。」
「女の子のお洋服って、ややこしいね。」
「あ。わかるー。何処から腕を出すのか分からない袖とかあるよね。でもさ、可愛い格好はしていたいよね。」
百合ちゃんから預かったタッパーを冷蔵庫に仕舞い、例の女の子の元に近寄った。
服は色々あるみたいだけど、頭に引っかかってるワンピースを着せれば良いのかな?
「私は西内由紀恵です。太郎ちゃんの従姉妹です。あなたもお名前、教えてくれる?」
「チャダ」
「チャダ?本名?」
「みんなそう呼んでる。」
大雅さんの友達は基本、色々キャラ強めな人が多いしな。まぁ名前はとりあえずいいか。
ワンピースを外してあげるとあれ、この子、裸じゃない。
「ねぇチャダ、下着は?」
「したぎ?」
流石に無い訳は無いと思うんだけど…。
大量の服が入っている袋を探してみるとシンプルなショーツとスポーツブラを見つける。きっとコレで良いかな。
「先ずはコレ。ショーツを履いて。次にコレ。ブラは下から着けると胸にフィットするけど、面倒だったら上からでも良いよ。」
下着からお洋服服へと順番に手伝う。
しかし彼女、チャダって子、知らない事が多すぎじゃない?服の着方もまるで親戚のちびっ子を相手にしている感覚に近い。
彼女って、一体何者なのだろうか?
ワンピースを着せてそれに見合う薄手のボレロをチョイスする。形からして去年のトレンドだから即戦力になる服は限られて来るから余り贅沢は言ってられない。
「折角だから髪も結ってあげるね。私の鞄にゴムとアメピンあった筈だから。」
「はい!」
益々、親戚の3歳の子とチャダの姿がダブる。
「どんなのにしようかなぁ。チャダはどんなのが好き?」
「うーんと。今の由紀恵…さん?と同じ感じ。それ可愛い。」
「これ?いいよ。お揃いにしようか。」
「うん!」
三つ編みを作り纏めてピンで留める。全体を見る。うん。
「こんな感じで良いかな。完成だよ。」
「本当!ありがとう!」
万歳しながらチャダは笑顔で私を見た。そうだ。
「メイク道具があればお化粧もしてあげたかったんだけど、無い代わりに私のリップクリームつけてあげるわ。薄く色が付くから血色良く見えるわよ。」
薄く引いてあげると印象が華やかになった。化ける子だな。
「由紀恵さん、ありがとう。」
「いいえ。だけどブラは買い直した方が良いかもね。スポーツブラでも問題はないけど、胸を綺麗に見せるならブラジャーの方が断然良いわよ。」
「へえ。」
「誰か一緒にお買物行ってくれそうな女の子、居る?」
チャダは首を横に振る。そっか。ならば
「これから私と一緒に行こっか。折角おめかしもしたし、流石にこの案件は外にいる殿方には荷が重いでしょうから。」
「………うん!あ、はいっ!」
彼女は表情が豊かなんだな。キラキラした笑顔が私の心をくすぐった。
「冬服でふわふわのファーが付いてるのに、思いっきり肩だけ丸出しとか理解に苦しむわ。」だそうです。




