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「これ!どうかな!」
ドカドカと昼過ぎた頃に大雅が帰って来たかと思ったら、両手に買物袋を抱えていた。袋から開けると無造作に詰め込まれたレディース物の洋服が何着か出て来ると、チャダは「すご!」と喜んでいる。
「大雅、どうしたのコレ。」
「同じ学科を専攻している友達の女の子から貰った。背格好は今のチャダとおんなじ感じの子だから多分イケると思う!」
「貰ったって言ったって、コレ相当な量だぞ?」
「ファッションには流行りがあるから、来シーズンはここにある服はほぼ着ないまま捨てるんだって。だから無償で良いってさ。逆に片付いたって感謝された。」
最近のオシャレな女子大生のファッション事情ってそうなの?流行りで大量の服、処分なの?え?マジで女子大生怖い。
万年シャツとチノパンの俺には全く分からない世界だ。
「この色、可愛いー!わあ!これスカートだぁ!」
「コレとコレいいんじゃね!」
柄物と柄物の組み合わせはセンスが無い俺でもどうかと思う。
「じゃあそうする!」
うん。これは誰かが止めないと中々な仕上がりが待ってるぞ。流石に今手にしてる服をそのまま着たらちょっと引く。
「大雅チョイスも良いけど大柄は目立つからこの辺りで…」
「あ!それ可愛い!それにするー!」
うん。とりあえずギンガムチェックのワンピースとカーディガンで落ち着かせた。ストライプシャツと花柄スカートは悪くは無いんだろうが、逆にどうかとも思う。
チャダには着方を教えて、着替え中俺達は一旦外へ退避し共用廊下でぼんやりと暖かい日差しの中、街を2人で眺める。
「あれ?太郎ちゃん?そんな所でどうしたの?」
意外な人物がアパート階段を上がりきって此方に来た。
「由紀恵?」
「あれ。ユッキーじゃん。珍しいね。」
俺の部屋を知ってるのは親族の中でもごく僅かで両親と従姉妹の由紀恵位である。だからと言って来る事も少ないので何か用事があったんだろう。
「由紀恵、今日はどうした?」
「お母さんの付き合いで太郎ちゃんちに行ったら、百合ちゃんが太郎ちゃんに持って行ってって。」
はい。と渡された紙袋の中には幾つかのタッパーが積まれて入っていた。百合ちゃんとは蕪木百合、俺の母さんの事である。
家事が壊滅的な娘達の為に全国ツアーの前に冷蔵庫の作り置きを大量に作ったんだろう。話だと親父が有名になる前は超貧乏生活だったから、こういった保存食作りは得意なのだ。
「ユッキー今日は学校やバイトは無いの?こんな昼間に。」
「今日は創立記念日だしバイトもオフなんだ。そういや大雅さん、最近お店に来てくれないね。忙しかった?」
「まーね。あ。そうだユッキー、お願いあんだけど。」
俺の部屋に指を指して大雅が提案を出した。
「今、太郎の部屋で僕達の知り合いの女の子が今着替えてるんだ。ユッキー手伝ってあげれる?」
「え?女の子?」
「出来れば彼女に色々教えてあげてくれると僕達助かるんだ。色々疎い子でね。今時間ある?」
「うん。別に良いよ?」
まさに渡りに船。チャダの事は紙袋を持った由紀恵に託す事にした。
太郎の中では柄物×柄物を上手に着こなせる人は真のオシャレな人だと思っている。




