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「そういや太郎、エレクトリックエコーに会った?」
注文した物を全て平らげ、数日振りのチャダと戯れて満足したタイミングで雷華が振ってきた。
「うん。昨日、川崎でミユちゃんに呼び止められたんだよ。ユミさんにも会ったよ。どうして?」
「昨夜彼女達の配信で太郎や俺達のバンドの話が出たから。俺も友達から聞いて今朝アーカイブ見た。」
「え。俺、何か言われてた?」
「太郎はいい人って話してた。どちらかといえば大雅の土産がディスられてた。」
先月のイベントを思い出す。ミユちゃんは妙な置物でユミさんはペールオレンジの何か布のヤツだったかな。
一応笑顔で対応していたけど、ミユちゃんに関してはあからさまに凄い顔していたもんなぁ。ある意味鳰君のカホンより衝撃だよ。
「えー。彼女達のお土産は会心の一撃だったのに?」
大雅は会心の一撃かもしれないが、貰った人から見たら痛恨の一撃だからね。お面を貰った俺が言うんだから間違いないよ。
「そのせいか、俺達のホームページのアクセス数が増えて動画再生回数やコメントが結構入っていたからな。まあ良い宣伝みたいな形になったなったから一応伝えておこうと思ってね。」
そうか。明日部屋戻ったら俺もアーカイブ見ておこう。
「あと妹の方と友達だったんだね。太郎。」
「へ?」
「配信で言ってたよ。友達って。」
「え?友達?俺が?」
え?それはどう言う展開で俺は友達認定された?
昨日もその前も、そんな楽しくお話なんてしてないよね?
それともミユちゃんは楽しかったのかな?あれで正解なの?
あの無言空間でそんな雰囲気、一切感じなかったよね?
「妹ってあんま話さない方だっけ?」
「そう。大雅が置物あげた方。面識あるんだからいい加減覚えなよ。」
何が良かったのが分からないが嫌悪感を抱かれるよりかはまだ良いか。最近の女の子はイマイチ分からない…。
「雷華はこれからどうする?僕達はもう少し商店街歩いてホットプレート買って帰る予定だけど。」
やっぱりホットプレート買うんかい。
掌に乗せてあやす様にチャダと遊ぶ雷華は「付き合う。」と即答だった。
「らいかもいっしょだね!」
「うん。」
それからは鉄板焼き屋を後にし、宣言通りに商店街をフラフラしながら外れにある家電量販店へ向かい、俺の部屋にあるコタツテーブルがギリ乗る大きさのホットプレートを大雅が購入。
「最初に何やりたい?たこ焼き?お好み焼き?」
「チャダはやきそば!」
「俺は、チーズダッカルビ。」
家主以外は大変盛り上がってる所を見ると、近日中にまた騒がしい日々がやって来るんだろうな。
最寄り駅前で雷華を見送り、大雅と家路につく。
「ねえねえ、たいが。」
商店街を抜けて住宅街に入り人が居ない所でチャダが顔を出して聞いてきた。
「おねえさんとあかちゃん、どうだった?」
「あれ。言ってなかったっけ?」
チャダと共に俺も頷く。実は未だ何も聞いてない。
「あれから日付変わる少し前に産まれたよ。結構スムーズだったみたい。ちなみに女の子。スッゲエ可愛い。」
「よかったー!」
チャダが夜な夜な気にしていて祈っていたからな。母子共に何事も無くて良かった。
「とりあえず今年の目標はアーティストだけど、世界一育児が上手いアーティストを目指すわ。」
「世界規模でみたら、そんなアーティストは沢山いると思うけど。」
「なら世界一育児が上手い20歳アーティストを目指すわ。」
随分限定的だな。もう何言ってるかよく分からないが、とりあえずテッペン目指してくれ。
大雅自宅前で明日一緒に部屋に戻る約束をして別れる。
自宅へと歩みを進めるとタクシーが停車しているのに気付いた。親父達が帰ってきたか?そのまま玄関へと向かった。
ホットプレートは年度末&新生活応援セールで8000円位で買えました。




