↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
29/95

27

突然ですが俺、蕪木太郎は母親似である。


ついでに言うと姉達は父親似でシャープな感じが、俺と妹は母親似でフワッとした感じが似てると言われて来た。

歳を重ねる度にその事を指摘される事が多くなってきたけど、それは親子なんだから似てくるのは当たり前の事で、皆んな何言ってるんだろう。と何時も思ってしまう。


「このひと、たろうににてるね。」

チャダが何気なく言った台詞で今まで先延ばしにしていた面倒な用事を思い出した。

「この人ね、俺の母さんなんだよ。」


楽器屋がある商業施設の途中に立つ音楽ホールのポスターを見てチャダがそんな言葉を口にして思い出した。

俺の両親が来月日本公演の為に帰国してくるのだ。

ポスターはその公演告知のポスターででかでかと両親の写真が刷られていた。

この件については一美ちゃんや妹の三久からメールが何回か来ていたけど、イベントがあったのと鬱々としていたのと、実家帰省を促す内容がかなり面倒で今日の今日迄放置していたのだ。うわ。マジでどうしよ。

「たろうのおかあさん?」

「うん。バイオリニストでね。来月コンサートやるんだよ。それとポスター左の男性は俺の親父。」

「おとうさんなの?すごいね。いっぱいはってある!」

ポスターをよく見るとチケット完売している。そうは言ってもクラッシックの世界では有名な人達だからな。

「ちなみにこのワイプの女性は仁衣那ちゃん。俺の2番目の姉ちゃん。」

「おねえちゃん、はじめみたー。」

確か3月入って直ぐに帰国してくるってメールにあったっけ。待って、明日で3月じゃん。面倒だし泊まらなくても良いから流石に1回は帰って顔を見せないと。

何だかんだ実家に帰らなきゃ行けないのか…一美ちゃんに何ふっかけられるのか分からん。只々憂鬱だ。


一難去って又一難。以降、チャダとのお出掛けは後半は半分上の空な状態で終了となった。


自宅に帰宅し姉と妹のメールを確認する。

如何やら帰国は3月3日の夕方だそうだ。そのまま実家で公演当日迄過ごすらしい。

ポスターにあった公演は3月中旬。以降は全国回るから公演前迄に顔を出せば良いか。

そうだ。大雅に様子を見て貰って人が少ないタイミングに行けば良い。そうしよう。それで解決だ。大雅にメールしとこ。

「たろう、ひやくめんそう。」

「それだけ深刻なんだよ。」

「おうち、いや?」

「家に行くと家事労働を一気に振られるのが嫌なんだよ。代行さん使っていても多分微妙に散らかってるだろうし、在宅中ずっとタダ働きなのが嫌なだけ。家族が嫌いって訳では無い。家事が嫌なだけ。」

「ふうん。」

大雅に実家の件のメール本文を打ち続ける。

次の瞬間、携帯電話が激しく着信音が流れ出す。発信者表示を見ると

「………三久だ。」

「みく?いもうとだっけ?」

メールがメインの妹が直接連絡を寄越すのは珍しい。と言うか何かあった証拠なので通話ボタンを押す。

「もしもし?三久?」

『お兄ちゃん!お願いがあるの!緊急事態なの!』


コンサート場所は横浜みなとみらいホール。

家族とは全く連絡を絶ってる訳ではありません。ただ長女とはメール10通に1回くらいしか返しません。(駄々絡みが面倒)

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。