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やや冷めかけたマラサダを食べながら海を見る。
やや風があるものの、日差しがあり思ったよりも寒くなくて過ごしやすかった。
「おいしいねぇ!」
口と言うよりはほぼ前身砂糖だらけにしてチャダはマラサダにかぶりついていた。君なら全部いけそうだな。
「初めて食べたよ。ドーナツみたいなんだね。」
「さくさく、もちもち。」
何時も思うけど、チャダの食べたのは何処にいってるんだろうか?体の割には食べるから、燃費悪い生き物なのかな?
買って来た全てのマラサダを2人で平らげ、ゆっくりと進む船をぼんやりと眺めていた。その時だった。
「たろうは、どうしておかねがほしいの?」
「え?」
チャダから出される質問としては初めて耳にした内容だったので反射的に返事をしてしまった。
「突然、急に。」
「たろう…ずっとかんがえてたみたいだから…」
おずおずとチャダが小さな声で呟く。
「まぁ…生きてく上で必要だからね。誰でも欲しいよ。」
「そうだね。」
「又急な質問だね。」
「さいきん、ねごと、たくさんいってた。」
俺の纏まらない悩みは就寝時にも現れてたのか。
合宿以降、誰かが泊まらない限りはチャダは俺にくっついて寝る様になったので何かの拍子で聞こえていたのかもしれない。
こんな小さな生き物に気を遣って貰っていたのか。
「たろうは。」
一呼吸置いてチャダが此方を見上げる。
「たろうは、ひとりでかかえてかんがえちゃう。それはわるいことじゃない。でもきゅうくつになる。それがしんぱい。」
どきりと胸が鳴る。
同じ様な事を大雅や雷華、尚典にも言われた事がある。
「自分で上手く考えがまとまらなくてね。」
波の音の中から遠くから汽笛が聞こえる。
チャダはじっと俺を見上げている。
「正直音楽は続けたい。現実には普通の会社員になって趣味で音楽でも良いんだろうけど、俺の中では半端な事をしないで音楽に塗れていたいんだ。」
「うん。」
「そうなると音楽関係の仕事がしたい。出来れば音楽制作関係で。最悪ライブハウスのスタッフでもいい。音楽業界は色々な意味で厳しいって事は重々承知してる。」
「うん。」
「だけど運良くその仕事に着けても以降も食っていけるか。矢張りお金が必要になってくる。そう考えたら安定した一般企業に就職した方が人生安泰なのかなって。」
「うん。」
「そんな事、ずっと考えてた。………心配かけてごめんな。」
「ううん。だいじょうぶだよ。」
永遠に続く波の音と時々吹く風の音だけで暫く沈黙が続く。
「チャダはね」
沈黙を破ったのはチャダだった
「くわしくわからないけど、たろうのやりたいことをやればいいとおもう。むせきにんないいかただけど。」
「……………。」
「たろうがなやむとチャダもつらい。たろうがわらってるとチャダもうれしい。チャダだけじゃない。たいがも、らいかも、たかのりも、みんなそうなんだよ。」
「そうか。」
言葉をチャダなりに選びながら励ましてくれてるんだろうな。それだけで胸が熱くなる。
「チャダは………チャダは俺等の音楽、好きか?」
「だいすき!きもちがしあわせになるからだいすき!」
「そうか。」
それなら音楽と心中しよう。
そう決めた瞬間、目の前がクリアになり不思議と心が軽くなった。
それを感じ取ったのか、チャダも何時も見せる笑顔になった。
「寒いからそろそろ動こうか。少し行った所に楽器屋があるから寄っていい?」
「いいよー!」
「じゃあ、おいで。」
チャダを定位置に入れ商業施設が並ぶビル群へと俺達は戻っていった。
レ◯ーズのマラサダは美味しいですね。
シュガー、シナモンシュガーと期間限定のストロベリーをお買い上げ。
ちなみにチャダの排泄は全て汗となってます。超汗っかきです。




