38. ドイツでの仕事変遷。マーケティング→日本語教師→寿司職人→貿易事務→小説家&清掃業
ドイツ語がおぼつかない40代の日本人女性が、ドイツの片田舎で仕事をみつけるのは大変です。
日本企業がたくさんあるデュッセルドルフやフランクフルトなら仕事はみつけやすいと思うのですけれども。
最初の仕事はミニジョブでの翻訳業でした。
ミニジョブというのは、月に約40時間ぐらい働き、月額603€までは税金がかからない仕組みです。
日本の扶養内パート的なものですね。
ドイツ語学校の級友が働いていたマーケティング会社を紹介してもらいました。
日本で発売するドイツ商品のポテンシャルを探るため、日本の色んなサイトを調べてユーザーニーズを探る仕事でした。
やりがいがあって楽しかったです。
妊娠してからは在宅勤務させてもらい、出産ギリギリまで働きました。
子どもが保育園に通うようになってから、日本語教師をしました。
これまた日本語教師をしている友人からの紹介です。
アニメ好きのドイツ人4人に、あいうえおから教えました。
週1回教えて、月100€ぐらいだったような。うろおぼえ。
お小遣いレベルですね。
3年ぐらい細々と続けました。
日本のことが大好きなドイツ人と接するのは嬉しいものです。
子どもとスーパーに行ったら、ある日突然寿司コーナーができまして。
ガラス張りで寿司を作ってる様子が丸見えなんですね。
働いてるのは全員アジア人。
スタッフ募集中の張り紙があったので、すぐ電話してみたら、日本人てことで即採用になりました。
ここは2年働きました。
給料はまあまあいいんですけど、勤務形態が超ハードでした。
朝6時~14時までで、休みは日曜だけ。週6勤務ですよ。
今思うと、よくあんなことやれたなとほとほと感心します。
ドイツでは寿司が大人気で、パック寿司が飛ぶように売れていくんですね。
私が働いていた店は大繁盛店だったので、毎日お米を20㎏炊いてました。
ドイツの巻き寿司は、大体サーモンとアボカドとフレッシュチーズが入ってます。
アボカド、毎日30個ぐらい切ってました。
キュウリとパプリカも使ってましたが、圧倒的にアボカドが人気でした。
巻き寿司の裏巻きも多かったですね。
海苔にシャリをしきつめたあと、ひっくり返して海苔の上に具材を載せ、クルクル巻いて、巻き終わったらシャリにゴマをつけるのです。
このスーパー内の寿司コーナー、とあるドイツの会社がやってるのですが、めちゃ流行っていて。
ドイツ全土のスーパー1,600店舗ぐらいに出店してます。ショップ・イン・ショップ形式ですね。
なぜ、これを、日本の企業ができなかったのか。なぜなのだ。悔しい…。
創業者はドイツ人ですが、従業員はベトナム人が多かったです。
就労ビザをすぐ手配してくれるので、ドイツで働きたいアジア人に人気です。
日本人もそこそこいます。
もしも、ドイツでちょっと働いてみたいわーでも仕事みつかるかしらーという方は、ここも選択肢にはいいと思います。
めちゃくちゃハードワークですが…。
寿司が作れなくても、きっちり教えてくれます。
私も経験ゼロからできるようになりました。
コロナのときでもスーパーの仕事は働けたので、ありがたかったです。ハードワークだったけれども。
ところが、2年たったときに雇い止めにあったんですね。
あんなに滅私奉公したのに。売上めちゃくちゃ上げたのに。
あいつー、ゆるさーん。
2年たつと終身雇用の契約にしなきゃならないので、それがネックだったようです。きーーーー。
まあ、いいんです。私を振った男と会社のことは記憶から消します。
ドイツに住んでいる日本人向けの求人サイトに登録したら、すぐに日系企業の社長秘書の仕事が決まったんですね。
内定決まりましたーと求人サイトの人から連絡がきて、やったーと狂喜乱舞し、仕事で使うカバンとか服を買ったのです。
そしたら、買った後に求人サイトの人から電話がきまして。
「お子さんをお迎えに行くための時短勤務はやっぱりダメということでした」と。
なんでじゃー、面接のとき何度も言うたやろがーい。
おそらくですが、面接が終わって「では〇日の〇時から働いてね」と言われたあと、「ところで通勤時間はどれぐらい」と聞かれたのですよ。
私は深く考えず「電車乗ってる時間は50分ぐらいですけど、ドアトゥードアで1時間半ぐらいですかね」とバカ正直に答えちゃったのですね。
それで遠すぎると判断されたんじゃないかなー。
とはいえ、ひどい話です。内定決まっても、あっさりやっぱやーめたがまかり通るドイツ。鬼か。
それでまあ、ブチ切れた私は、今まで夢見ていた小説家になるんじゃーと、小説家になろうに投稿を始めたんですね。
無職ですから時間はたっぷりあり、書いて書いて書きまくりました。
そしたら、投稿から2か月後に「石投げ令嬢」がヒットして、編集者さんからスカウトメールが届きました。奇跡!
捨てる神あれば拾う神ありですよ。ありがたいことです。
小説を書きながら、就職活動していたら、また求人サイトから日系企業の貿易事務の仕事を紹介されまして。
片道1.5時間かけて電車で行ってせっせと勤務してたんですね。
同僚はいい人たちだったのですが、たったひとり、悪魔みたいなお局がいまして。
よりにもよって、私はその人から仕事を引き継がねばならなくてですね。
「スターウォーズ」のジャバザハットみたいなお局でした。
引継ぎ資料もマニュアルもなく、全部口頭伝承。
彼女の業務、PCの画面操作を全部スマホで録画し、マニュアル化しました。
入社して2カ月後、お局は盲腸炎で入院し、しかも1カ月も。
盲腸炎の入院ってせいぜい2週間だと思うんですけどね…。
長期病気休暇がとりやすいドイツですからね…。
お局がいない間、必死で業務を回し、戻って来たお局はなぜかパワーアップ。
普通に質問しただけなのに、"I don't want to explain anymore. It's a waste of my breath."(もう説明したくない。あなたに話すのは息の無駄、言うだけ無駄)って言われたんですよ。
ひどくないですか。なろうのドアマット系小説みたいですよね。
ぶっちーと切れまして。
すぐさま求人サイトの人に連絡し、「もう辞めます、明日から来ません。ここで働いてたら私の心と体が死ぬ」と伝えて家に帰りました。
お局以外の人はみんないい人だったので、私の気持ちをくんでそのまま辞めさせてくれたんです。
お局以外からはお詫びもされました。
それでまた失業保険をもらいながら執筆してました。
就職活動はしてて、もうドイツの会社はいやじゃー、日本の会社でリモートワークさせてくれーと、300社ぐらい日本企業に応募してたのですけど、ちっとも受からず。
そろそろ失業保険が切れるってときに、労働局の担当者から、「小説書いてるとはいっても、それだけで生きていくのは厳しいんじゃない? 失業保険が切れたら健康保険も自腹になっちゃうわよ。働く方がいいわよー」と諭されまして。
その通りだなと思い、「じゃあ工場か掃除の仕事がいいです。頭使わない、ドイツ語話さないで済む系」、と言ったら今の清掃の仕事を紹介されました。
履歴書送ったらすぐ社長から連絡がきて、面接して即採用が決まりました。
もう3年働いていて、気に入ってます。
なんたって土日休みですからね! もう週6勤務とか絶対無理。
紆余曲折、七転八倒してますが、なんとか楽しく生きております。




