15. ドイツで帝王切開で出産したら地獄だった。人生で最も幸せで、最も辛い日だった。
ドイツで帝王切開で出産したら地獄でした。
産むまでの工程は日本とほぼ同じ、もしくはドイツの方が恵まれているかもしれません。
医療費は無料です。
不妊治療をしたのですが、IVF(体外受精)は半分保険でカバーされました。
契約している保険会社によって違うと聞いています。
卵子を増やすために排卵誘発剤を自分で毎日注射しなければならなくて、それがきつかったです。
私は怖すぎて無理だったので、元夫に打ってもらいました。
妊娠検診などはドイツも日本もほぼ同じだと思います。
大きく違うのは、ヘバメ(助産師)の存在。
妊娠初期の相談から産後のケアまでしてくれる、国家資格を持った助産師さんです。
ヘバメも保険でカバーされます。
妊娠が分かったら、すぐにヘバメを探さないと人気の人はすぐ予約が埋まってしまいます。
ヘバメは出産のサポートもしてくれます。
私の場合は赤ちゃんが横位だったので、早々に帝王切開することが決まり、ヘバメはほぼノータッチでした。
普通の出産の場合は、ヘバメが立ち会うらしいです。
帝王切開の出産は、一瞬でした。
麻酔入れられて、全身が寒くなって、あっという間に産まれました。
赤ちゃんを抱っこして、家族で写真を撮って、人生で最も幸せな瞬間でした。
問題はそこからなんですな。
産んでから12時間後に、麻酔を切られるんです。
そして、自力で立ち上がってトイレに行かされるのです。
早めに動いた方が傷口が癒着しないからだそうです。
人生でこれほどの痛みを経験したことはありません。
病院中に聞こえるような絶叫を上げました。
ベッドから起き上がろうとすると、どうしてもお腹に力が入るじゃないですか。
切腹してますからね、拷問です。
ナースが叱咤激励しつつ助けてくれますけど、麻酔をしてくれーと思いました。
その後からはナースの助けもなく、トイレに行く度に悶絶です。
ベッドから起き上がるのが痛すぎるので、赤子を連れて控室の椅子に座って、テーブルに突っ伏して寝ました。
個室がなかったので、3人部屋だったのですが、他の女性がビッチでして。
翌朝ナースが来たときに、そのビッチがナースに「うるさくて眠れなかったわー」と文句を言ってました。
ここは地獄だろうかと思いましたね。
聞くところによると、日本だと3日ぐらい麻酔してもらえるらしいですね。
日本で産めばよかった。本当に。
ドイツは医療費が無料なので、スパルタです。
3日で退院させられました。
ヘバメが家に来てくれて、傷口チェックや赤子の体重を測ったり、アドバイスをくれます。
元夫は1カ月育休を取ってくれましたが、まあぶっちゃけ役に立たなかったですな。
鎮痛剤を飲みながらの育児は死ぬほど大変でした。
産後1年ぐらいの記憶がおぼろげです。
これから子供を産むかもしれない女性に、産後クライシスで離婚した私の失敗を反面教師にしてもらえると、私の地獄も無駄じゃなかったと思えるので、老婆心ながらアドバイスです。
実家が頼れるなら、実家に里帰りする方がいいです。
実母や姉妹に勝る助けはありません。
普通分娩でも帝王切開でも、車にひかれたぐらいのダメージが体にあります。
産後一か月は上げ膳据え膳、授乳以外はなんもしない生活を送ってください。
夫は役に立たないと思った方がいいです。
ママ友たちと話した体感だと、9割の夫は指示待ち族。主体性がない。
男性は察することができない脳の作りになっているので、言わないとやってくれません。
育児って、赤子の命がかかった命がけのプロジェクトじゃないですか。
なのに母も父も新人でなにもかも初めて。
あらゆることをトライ&エラーするしかないけど、父は母親がなんとかするとお客様気分なんですな。
イメージとしては、これからサッカーするぜーってときに、母は全ポジションやって、おまけに監督業までやってるけど、父親はボールボーイ気分なんですよ。
ボール飛んで来たら取るよー、みたいな。
母親は細切れ睡眠でゾンビみたいになってるのに、父親はゲームやったりスマホに夢中だったりするんです。
殺意がわくし、100年の恋も冷めるし、もうこいつには言っても無駄だなって諦めちゃう。
そうなると離婚にまっしぐらです。
そうならないためにも、産む前に夫を教育すべきです。
授乳以外は全部あなたがやってね♡。
今から練習しよっか♡。
あらゆる家事、名もなき家事も含め、全てを叩き込んでください。
それが無理なら、夫を諦めて実家に頼る方がいいと思います。
便利な家電を買って、家事代行など頼れるサービスを使い倒しましょう。
男性はゆっくりと父親になるとよく言われます。
子どもが5歳ぐらいになって、自分でなんでもパパに言えるようになると、パパも何をすればいいか分かるので、子育てが上手になるとか。
5歳まで悠長に待ってられないんですけどね…。
このエッセイ、男性も読んでくださってるでしょうか。
もし、父親になる予定があるのなら、ぜひ家事&育児について真剣に学んでいただきたいです。
産後の恨みは一生続きます。
授乳以外は全てやるぐらいの覚悟で育児休暇を取っていただきたいです。
妻が車にひかれたぐらいのダメージを受けてボロボロになってる時に助けないなら、いづれ見放されるんじゃないでしょうか。
産後の妻を労わり、育児と家事を主体的にすれば、夫婦の絆は強固になると思います。
妻の人生で最もきつい時を支えてあげれば、この人と結婚してよかったと感じてもらえるはずです。
幸せな家族が増えるといいなーと祈ってます。




