男の娘の魔王説明会
自慢の庭に背を向けて座るライトは他の魔王達にも座るように勧めた。
それに魔王達は従って座った。
座布団もないその場で13人が座って魔王の説明会を開催した。
「今回で魔王になれたことを誇りに思っていい。しかし、それはプレイヤーの敵になることだ。そのことをちゃんと僕がこの場で説明する」
ここから始まる説明会に全員が静かに耳を傾けることにした。
「まず、僕達はプレイヤーの敵でありダンジョンの主である。僕らは負けたら魔王の座を退かなきゃいけないが、選ばれた時点で敵側としては最初のゲームクリアをしてる。まずはそれに満足しなさい」
最初っから最強である者の威圧感は凄まじい。
言葉の端々に新魔王達への期待と威嚇を込めている。
でも、バレリアはすでにみんなより先に魔王になってライトのやばさを経験している。
みんなが冷や汗をかいてる中で一番バレリアが怒りのオーラを恐れてダラダラと冷や汗を流してる。
「魔王は運営側に守られるからそんな簡単に負けないが、裏世界でやられると魔王の枠が空くことになるらしい。しかも、あっちはこっちより難易度が高い上に目的が魔神の討伐だそうだ。気を引き締めろ」
そう言われて魔王達は「はい!」と答えた。
続けてライトは仲間に無断でやばい話を持ち出した。
「さて、ゲームの内容的に魔王は逃げることもできそうだ。全員で裏世界攻略行こうか。それが表のプレイヤーに出来ない裏の魔王クラス専用のステージなのだから」
その話を出されて魔王達は悩んだ。
このゲームは相変わらず自由度が高いから行かない選択肢もある。
でも、一度流れをリセットするには魔王不在もありかもしれない。
それで魔王達は悩んだ結果。
『魔王同盟は裏世界で勇者達の代わりに魔神を討伐する』
これに決まった。
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魔王不在のゲームはそれに次ぐ強キャラ達をターゲットにすればいい。
それを考えていたライトの思惑通りにことが進んだ。
バレリアは元々のシステムを予想できてるからこの穴に気付いていた。
バレリアの中の莉愛は母が仕込んだ色々な未完成なものに思わず笑ってしまった。
「で、どうします?行くにしたって日にちと時間を決めないと無理ですよ?」
商売上手のケットシーのシロップがそう言うと全員の視線がそいつに集中した。
戦う術のないシロップだが、化け物みたいな連中の視線が集中しても引くことなく真っ直ぐに目を向けた。
そのしっかりしたシロップに対してライトが言う。
「それはあんたが決めて。みんなの空いてる日を聞いてその中で一番最適な日に裏を攻略するんだ」
それを聞いてシロップは早速みんなに聞いて回った。
その結果、四連休が近い日にあるのでそこで一気に進めることになった。
行くのは魔王だけということも決定したので仲間達はこっちでダンジョンを守ることになった。
「それじゃあ、魔王パーティー結成だ!明後日、それまでに準備を終わらせること!それじゃあ、魔王の先輩からの話おしまい!」
そう言うとライトはそそくさとどこかに行ってしまった。
残された魔王達は全員でフレンドをすぐに結んだ。
そして、パーティーリーダーをライトにして初期段階の準備を終えた。
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これから始まる最強クラスの連中だけがプレイできる裏ステージ。
それは運営や開発者が密かに仕込んだ最高難易度のステージで、本来のこのゲームの自由を奪うラスボスがいる場所だ。
プレイヤーの自由を奪うように設定され、肉体と精神を切り離せるように仕込みをされている。
「マジか」
あの後リアルに戻って母の資料を漁った莉愛はそんな記述を発見して驚愕している。
あのゲームには何かある。
誰がゲームを管理してもこうなってくるとなると、絶対に犯罪が起きるように仕組まれてるとしか思えない。
でも、今回は色々な条件にクリアした運営チームだ。
流石にそんなことはないと莉愛も思いたい。
でも、ゲームの欠陥を知ってながら解放してるなら会社と科学者以外に、あのVRMMOを何かに使おうとする犯罪者がいるのかもしれない。
莉愛の母と同じ体を捨てた楽園の計画を実行しようとしてる者達が裏にいるとしたら、莉愛は母の考えを無理やり通そうとする連中を許さないだろう。
「真実は我が手の中にあり。この莉愛が、いやバレリアがいる限りは今度も解決してやるよ」
リアルでも魔王を演じてしまった莉愛は母の作品を汚す不届きものを許さない。
もちろんライトもだいぶ好き勝手にしてるから嫌いだが、何も出来ないから何も言えない。
莉愛は思う。
『VRMMOで化け物になったライトになら最後の仕事も任せられるかもしれない』
そう思ってさらに資料を隅々まで読み始めた。
次から裏世界編です。
ガチでここからリセットして突き進みます。




