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男の娘の第二回イベント 竜と猫の試練

 次に映されたのはライトでも目を疑うような光景だった。

 山エリアの山頂付近のダンジョンの大ボス、《竜帝女デルタ》がゲームの実力ランキングのモンスターシリーズ持ち以外で1位のイプシロンとやり合っていた。


「あはは!楽しいぞ!貴様はどうだ?」


「えぇ!私様も楽しいですよ!デルタ・ドラグーン!」


 竜の魔王と物質を変化させる魔法の使い手。

 控えめに言っても大惨事と言える状況を災害級の怪物達が起こしていた。

 もう山頂のデルタの住処は嵐と物質変化の地形変化でボロボロだった。

 その惨状でどうにか多くのプレイヤーが生き残っていた。


「きゃー!」


 あっ、今雷がたくさん落ちて120人リタイアで残り1人になった。

 それでも魔王デルタは空中戦を楽しんでいる。


「天も地も海も我の支配下である!いくら物質を自分の物に変化させてもこれ以上は無理じゃないか?」


 ニヤついた嫌な顔で魔王デルタは、白髪にピンクのリボンをつけた美男顔で美女の男の娘を(あお)った。

 すると、高速で接近して魔王デルタの銀色のツインテールの片方を掴んで言った。


「試してみるか?人間は意外と怖いぞ?」


 光の灯っていない暗い目で殺気を向けてそう言うので、デルタはゾッとしてその手を払い除けてもう少し高めに飛んだ。


「なんだ今のは?まるで、昔怖い目にあった時のトラウマを掘り返されて、それの仕返しをしようとしてるようだった」


「聞こえてるよ。それに、満点だよ」


 デルタの言ったことがあっていたので、イプシロンはそこら辺の石を自分の鉄より硬い黒い物質に変えて操った。

 それをどこまでも追いかける大きな無数の手に変えた。


「捕まえろ!」


 そう命じると素早く飛び回る魔王デルタを他方向から追い回した。

 そうやって追いかけっこしてる間にイプシロンはその物質を手元に集めて剣にした。

 それから手の一本に乗って自分も後を追った。


「拉致があかない!それなら壊すまで!〈竜帝のかぎ爪〉」


 どこまでも追ってくる手がうざくなったので竜の爪で切りつけるために逆に向かっていった。

 その突き進んでその爪をぶつけた。

 しかし、あまりの硬さに竜の爪でも歯が立たなかった。

 そして、背後をイプシロンに取らられて斬られた。

 これで魔王デルタは負けて地上に落ちた。

 その後を追ってイプシロンも地上に降りた。


「さすが、我が見込んだ素質ある子だよ。貴様なら任せられる」


「消える前に教えてよ。このゲームのクリア条件」


 今にも変えようとして地に寝転んでいたデルタはその言葉で起き上がった。

 そして、驚きと疑念の目をイプシロンに向けた。


「ゲームのクリア条件?それは...ある条件が整った時に行われる最終イベントのクリアで達成される。今はそれしか言えない」


「あっそ。ならもう勝者に力をよこしてよ。私様がここのボスとして大暴れしてやるから」


「頼もしいね。竜の力を持つ奴はそうじゃなきゃ」


 最後の言葉を言って他の魔王と違って死ぬという形で継承した。

 これで魔王デルタの力を受け取った新魔王イプシロンが誕生した。


「ここまで来たらこのゲームは私様がクリアしてやる!この魔王イプシロンが!」


「僕がいるのに出来るとでも?」


 魔王になった宣言をしたイプシロンが余計なことを言ったので、高速でライトが迎えに来た。

 あまりにもお迎えが早すぎてイプシロンは目をぱちくりさせた。

 そのまま混乱するので仕方なくライトが手を引いて観戦席に連れて行った。






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 あの後イプシロンは軽くライトの高速迎えがトラウマになった。

 自分が1人で偉そうに喧嘩を売ってるときに背後に目標の敵が来たら普通に怖いだろう。


 そんな奴の次に継承式が映し出されたのは、ケットシーの魔王タルトだ。

 その強さは大したことないが、ライフの平和主義者には必要な力が揃っている。

 そんな魔王タルトは自分の商売の知恵とかを引き継ぐのにふさわしい者を1人だけ選んでいた。


「さて、そろそろ君に僕の王冠もマントも称号も引き継がせるとしよう。この高貴な猫の後継ぎになれることを光栄に思え。平和を愛する人間よ」


 小さいのに威厳のある魔王タルトは、ライフで1位の街を作り上げた国作りの天才シロップに後継がせることに決めている。

 だから、先に(ひざまず)かせて目上の自分に対する礼儀をとらせていた。


「あなた様の力を受け取れること。本当に光栄に思い、私の街とダンジョンの両方を栄させて見せます」


「よく言った。僕の力は交渉の成功率を上げたりする運の上昇系が多い。それを活用すれば他の魔王を味方につけるのも簡単だろう。うまく使いさない」


 そう言うと魔王タルトは静かに消えようとした。

 消えるまでの間にマントを与えて、そのまま下を向いて(ひざまず)くシロップに王冠も被せてあげた。

 そして、魔王タルトの魔王の杖も玉座に置いて新魔王シロップに与えた。

 それから優しくシロップに微笑んで消えた。


「ありがとうございました」


 消えた相手にそう言ってから目を開けて立ち上がった。

 そして、ブランドのロングヘアを揺らして玉座の魔王の杖を手に取った。

 その瞬間に猫耳と尻尾が生えて、目や爪や牙も自由に使えるようになった。

 それを確認してから宣言した。


「私は魔王シロップである!私の魔法を持って財力を強めていずれはこのゲームの大半を買い取ってやる!それが私のやりたいことだ!」


 彼女がそう言うと観戦会場では珍しい魔王が誕生したので大きな歓声が上がっていた。

 その魔王シロップもライトの出迎えで会場の玉座に座った。

 その姿はどの新魔王より高貴であった。しかも、180cmの高身長で言葉で丸め込むのが強い。

 誰もこいつに喧嘩は売れないと確信していた。

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