男の娘の第二回イベント 傀儡の試練
第二回イベントの開催。
ついにイベントが始まることになり、ライト達は現魔王の立場で見守ることになった。
「第二回イベントの開催です!今回はライフユーザーもバトルユーザーも関係なく、魔王の継承式に参加していただきます!」
そう言ってるのは第一回の時と同じアバターを使った別人だった。
見た目は同じなのに身のこなしと声が全然違う。
「十三魔王の内、二名はすでに決まっていますが、裏世界が解放されるにあたって行ける人数を増やすためにもこれをやります!」
そう言ってる時、今回の説明用の特設会場の上にある玉座とその後ろに控える仲間から全プレイヤーのやる気が見えた。
「その魔王の継承式は11人の魔王達に内容は任せています。うまく魔王になれれば新魔王のお仲間もサービスで裏世界に行けるようにします!つまり、パーティーの誰でも魔王に認められればいいのです!個人ならそれも良しです!」
そんなことを言われたらみんなのボルテージが普通に高まった。
それを見て魔王(運営側)のライトとバレリアは誰がこちら側に来るのか楽しみにしていた。
ちなみに、ライトとバレリアは手を組んだので、バレリアのところにライトの仲間を貸すことも出来るようになった。
まぁ、ライトにとってこの仲間達は家族みたいなものだろうから、見捨てることも貸し出すこともないだろうけれど。
「さて、そろそろ始めましょう!まずはふるいにかけるところから!」
そう言うと半分以上のプレイヤーがその場に残されて、それ以外のプレイヤーが魔王がいるダンジョンの一番奥に連れて行かれた。
しかもそれが魔王ごとに違う呼び出し方をした。
その様子を見てライトは立ち上がって大きな声を出した。
「さて、魔王の第一の試練終了である!残った者達は見守れ!」
それを言われてプレイヤー達は残念ムードになりながら観戦に切り替えた。
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最初に画面に映されたのは《傀儡女王のメタリア》の継承式だった。
「ピピッ、試練ヲ始メル。マズハコレカラ生キ残レ」
荒廃した城下町エリアの大ボスはそう言うと仕掛けを起動した。
そうすると床から針が出たり、刃で切ろうとしてきたりした。
それは2分間の地獄絵図を作り出して元々100人いた挑戦者が10人に減らされた。
その最初の試練が過酷すぎて泣き出すプレイヤーもいた。
「ピピッ、強運モ魔王ニハ必要ナ素質。ソレガアル貴様達ハ自信ヲ持ッテイイ」
いきなり折れそうになった心に魔王メタリアはちょっとした慈悲として褒めることをした。
ただ、それでも阿鼻叫喚な状況に半分くらい折れた者は立ち直りきれなかった。
それでもメタリアは次の試練を言い渡した。
「ピピッ、スグニ次ニ移ル。今度ハシンプル、別ノ場所ニ1人ズツ呼ブカラ戦ッテ私ニ勝テ」
そう言うとすぐに別の空間を作り出してそこにこもった。
もちろん、そこでの戦いも観戦する側に見えるようになっている。
しばらくは生き残った10人に声はかからなかった。
彼らには見えないが、観戦してる側には何かをゴーレムの女王が仕込んでるのが見えた。
その準備が終わったところで最初の犠牲者が呼ばれた。
それは部屋の隅っこでガタガタしてただけで生き残った強運の持ち主だった。
「怖い怖い怖い怖い」
その少女は魔王の恐ろしさに完全怯えてしまっている。
その様子に手を差し伸べたいと思った他の生き残り達が背中を押した。
「おい君!呼ばれてるぞ!応援してるから行ってこい!」
「大丈夫。私も怖いから」
「ここからはあんな地獄はないさ」
「頑張るがいいさね。うちもガクブルだけど頑張るけん」
「ガンバ~」
「勝てる。こっちはダメかもだけど君だけは分かる」
「やれるよ。あなた様には運があるからね」
「頑張りたまえ」
「君ならやれるって信じてるよ」
そんな言葉をかけられて少女は少しだけ元気になった。
それでそこにいるみんなに向けて少女はこの場でする最初で最後の自己紹介をした。
「ありがとう。それじゃあ、改めまして私はゴーレムの亜種である人造人間のメルタナです。みなさんの言葉、糧にして勝利します」
涙目でそう言うと魔王のいる空間へのゲートを通って姿を消した。
残った連中は今の自己紹介だけであの魔王の次にふさわしいのは彼女?だと感じた。
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そんなメルタナがそこに入ると魔王メタリアが人型だったのを異形にして待っていた。
腕や足を金属の塊にして大きくしたその姿は手足の長い怪物といった感じだ。
それを見てもメルタナはなぜか怖く感じなかった。
「ピピッ、ココハ誰デモ力ヲ本気デ使エル古塔ノ最上階ダ。私モ本気デヤルカラ運ト実力ヲ試シテミロ」
「そのお言葉に甘えて全力でやります!」
この会話の後に戦闘が始まった。
先に仕掛けたのは魔王メタリアの方で、長く伸びた歪に尖った腕を振り下ろした。
それを何もせずに立ってるだけでメルタナは回避した。
でも、その時にかすって自慢の銀髪が少し切れてしまった。
それを見てしまったメルタナは一瞬だけ激怒してメタリアを攻撃した。
「私の自慢の銀髪を切ることは大罪になります」
ジャンプで突っ込んで相手のピンクのロングヘアを切ってそう言った。
それから着地すると、恐る恐る振り返る魔王メタリアに形状も性質も変わった腕を見せた。
「大罪を犯したあなたに教えましょう。体を自由に変えられるのはあなただけじゃないことを」
カニのような感じの鋭いハサミに変えた腕を見せながらメルタナは殺気混じりにそう言った。
そこからは一方的で、メルタナが腕や脚を変形させて次々とデカブツに攻撃を入れた。
ハサミ、剣、ハンマー、ノコギリ、ペンチ、そういうものに変化させながら人外の軽い動きで踊るように連撃を打ち込む。
それで楽々と魔王メタリアの体力ゲージは減っていった。
「ピピッ、コレハマズイ。戦闘形態ヲ移行」
「させません!髪を切ったことは絶対に許しません!」
危機に陥って次の状態に移行しようとした相手にもメルタナは容赦なかった。
もう髪の件は怒っていないけれど、相手のために怒ってるフリをしながら一気に決めに行った。
両手両脚を剣にしてジャンプ中に20発を連続で斬り込んだ。
すると、魔王メタリアは壊れたようになりながら元の大きさに戻った。
「合格デス。コノ継承式ハ誰カ1人シカ勝利シテハイケナイ。ツマリ、アノ中ニハソレヲ分カッタ上デ貴様ヲ送ッタ者達ガイル。自信ヲ持ッテゲームノ悪役ニナリナサイ」
そう言い残して魔王メタリアは完全に壊れて倒れた。
その体は消えながらゴーレム種の新魔王メルタナが称号ごと吸収した。
「ありがとうございます!」
ゲームのキャラクターにそう言って頭を下げてから開き直したゲートを通ってさっきの場所に戻った。
そして、そこで宣言した。
「運と実力、それさえあれば魔王になれます!みなさんには悪いですけど、私こそが新魔王メルタナである!」
そう言うことでゲーム側もメルタナを魔王と認めた。
そこにいた連中はやっぱりそうなったかと晴々した顔で受け入れた。
そして、9人は魔王メタリアに選ばれたということは、そちら側の力があるということだろうと考えてメルタナに跪いて仲間になることを誓った。
それを運に極振りして戦闘は装備次第のメルタナが受け入れた。
その様子を見守っていたライトとバレリアもメルタナの魔王受け入れを許可した玉座に来れるようにゲートを開いた。
そこからライトが迎えに行った。
「魔王メルタナ、あなたを認める。だからこっちで他のを観戦しよう」
そう言って手を差し出した。
その手をメルタナは取って9人の集団をライトの導きであの玉座の観戦席に連れて行った。
そこで他のプレイヤーの敵になる新魔王はお披露目となってみんなの倒すべき目標になった。




