男の娘のイベント前夜
黒幕を含めて多くのゲームの関係者が逮捕された。
そのことは意外とプレイヤー達にあまり注目されなかった。
しかも、ゲームの再修正と運営陣の変更と会社の合併だけで影響もあまりなかった。
それに、子供はあまり大人のすることに興味がないことがこれで分かった。
社会的には大きな事件として取り上げられたらしい。
ゲームで人の意識を切り離すことで、体を脳死状態にして延命処置をやめれば死ぬのだから。
ちなみに、あの実行犯はこうなることを知らなかったので、悪いと思って被害者の1人の親に頭を下げて、意識を戻す作業を試したらしい。
『だが、彼女は拒否した。リアルでいい思いが出来なければ戻る意味がないとせせら笑っていたよ』
そう実行犯は自供したそうだ。
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あの事件は解決してゲームもリニューアルされた。
あの事件以来、一部のプレイヤーが男の娘が強いのには裏があるんじゃないかと言うようになって、ライト達がさらに活動するようにもなった。
「リニューアルおめでとう!」
そんな渦中のライト達はゲームの悪役側だから、新運営が設定した宴会にお呼ばれしていた。会場は特別に作られた空間だ。
その運営のうち、アバターを持っている4人がプレイヤーの魔王とNPCの魔王の前に姿を見せた。
「えっと、今回の件は我々が色々と動いて静かに対応してもらっています。だからこうしてゲームがいらないものを捨てて復活できました。これからはプレイヤーの魔王を増やすので、それまで頑張ってください!」
新しい運営のトップの女性がそう挨拶すると、やっと解放されるのかという感じでNPCの魔王達はホッとしていた。
「さて、ライトさんとバレリアさん。色々とありましたが、裏世界へのゲートの準備ができました。この特別会場から戻ったら行けますよ」
「その前にイベントの発表ですよ」
運営のトップと運営のロリアバターの人がそう言った。
運営のトップは指摘されたことを思い出して咳払いしてから改めて言った。
「魔王のお二人には悪いんですけど、ゲームの方向性を決めるために今度のイベントには参加できません。残りの11人が継承を行うというイベントですのでね」
そう言われてライトとバレリアはうなずいた。
このイベントを了承したのだ。
その後すぐにライトが質問した。
このゲームの変えた部分について。
「あのコブラさん。このゲームの改良部分を教えてもらえますか?」
運営のトップのコブラはそれに快く答えてくれた。
「いいですよ。変えた部分はボスモンスターを全部で65体に確定したことと、戦闘システムを魔法と技と魔法武器に変更したことですね。他にはプレイヤーが全員勇者扱いされることです。他にあるとすると、運営陣も時々スペシャルゲストとしてエンカウトするようにしました。強さは魔王にも劣らない」
恐ろしい変更をされてライトとバレリアは少し引いた。
それに、ボスモンスターを魔王から縁を切ったとしても、すでに9体のボスがやられているから実際には自由になるのは少ない。
「なるほど。で、私達魔王に継承されて新参者が来たら好きに手を組んでもいいのかな?」
新しくなった内容を聞いてからバレリアがそう尋ねた。
それにコブラがまた答えてくれた。
「構いませんよ。変更内容に魔王同士の結託もありますから。裏世界の冒険に魔王同士のパーティーを組むのも許可します」
そう言われてバレリアは早速動いた。
「それなら手を組みましょう。腐った世の中に衝撃を与えるのでーす!」
このセリフを聞いてうん?と思った方がたくさんいる。
疑問に思った運営の1人、レモンイエローの短髪男の娘アバターのキョウカはバレリアに近づいて匂いを嗅いだ。
すると、ギョッとしてバレリアから離れた。
「この子確か二十歳になりてなんだけど、リアルで酒飲んで酔ってる」
酔ってる状態異常もゲームに反映される。
どこまで現実とリンクさせてるのか理解できなくなってコブラは混乱した。
その場に居合わせた全員が酔っ払い魔王バレリアをどうしようか悩んだ。
「それにしても興味深いですね。さっきまで酔いは反映されてなかったのに、しばらくして影響が出るとは」
「運営の技術班リーダーのサッチだね。バレリアと手を組みたい気持ちはあるだけど、明日の方がいいかな?」
「ライトさん、間違いなくそちらをオススメします。それとコブラさん、そろそろ戻りましょう。言いたいことは言えましたから」
「そうだね」
こうして運営陣はログアウトした。
それからライトは一応バレリアに申請を送ってからログアウトを勧めて自分も帰った。
バレリアは酔ってる状態でどうにかログアウトに成功して、この場にいる他の魔王達に後片付けを任せるのだった。




