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男の娘の新生活への満足

 ライト達はこのお屋敷をずっと進んで一番奥の部屋の前にたどり着いた。

 トーマに勧められてライトがふすまを開けてみると、綺麗な光景が目に飛び込んだ。

 それはゲームの世界観にそぐわないザ・和室って感じだった。

 その先の障子(しょうじ)が全開にされて満開の桜の見える庭園が広がって風情があった。


「やるね。正直感動してジーンときたよ」


 部屋に入りながらライトは作者であるトーマとフレイにお褒めの言葉をあげた。

 ここまで一緒に来て完全に仲間であり、配下であり、家族になったので兄弟は素直にその言葉を受け取った。


「ありがとうございます」


「本気を出した甲斐があるよ」


 そう返したが、2人の言葉は感動してるライトに届いたか微妙だった。

 それで2人は満足だった。

 だから、2人で顔を見合わせて笑った。



 この部屋は魔王の部屋ということでライトが使うことになった。

 最初はこうなることに抵抗があったライトも、今では平和主義のライフ側の気持ちが分かった。

 魔王を倒すとこうなることを感じてた上でそうしてよかったと庭を見てしみじみそう思った。

 その部屋の横がスペードの部屋になっている。

 カップルにとってこれはいい状況になったのかも知れない。


「フレイめ」


「トーマの仕業ですね」


 2人はそう呟きながら恥ずかしそうにもじもじした。

 その様子を匠である兄弟がニヤニヤしながら見ていた。

 その匠の考えを見破ってタクトは引いていた。





----------------------------------------





 この和風のお屋敷に半強制的に魔王になったライトを含めて5人が住むことになった。

 その魔王への挑戦者は毎日来る。

 でも、ここまでは来れない。

 だから、お屋敷の家具とかの配置を4人に任せて魔王自らが登ってきた。

 初日から楽しむために。


「おい、ここのフロアボスって情報あるか?」


「無いわね」


「出来立てホヤホヤのダンジョンですから...」


 重装備の魔法の大剣を使う男と、軽装備で体術を使う女と、魔女の女性の3人パーティーが初めて10階まで到達した。

 そして、扉の前で情報の確認をしていた。

 そうしてるの間、じっと待ってるのが退屈に感じたライトが自ら扉を開けた。

 そして、暗闇の中から声を出した。


「ようこそ!僕のダンジョンへ!一日一回限定の魔王とのいきなりバトルだ」


 そこまで言うと部下のフロアボスに松明(たいまつ)の火をつけさせた。

 その敵のパーティーが最初に見たのは、玉座に座る魔王ライトと横に立っているスレンダーな男の娘の魔法使いだった。


「魔王も退屈でね。まぁ、やってみて悪気はしなかったけどね。それでもお遊びを挟まないとやってられないのさ」


 ライトがそういう世間話をしようとしてる時、相手の3人は敵の化け物っぷりに怯えた。

 あの事件を解決した張本人を前にした途端に威圧感を感じて冷や汗もブワッと出た。

 3人の挑戦者は一瞬にして敗者のように自分達を感じてしまった。


「た、戦う前から負けてたまるか!」


「レベル差!実力差!そんなの関係あってたまるか!」


「最強プレイヤーでもそんなにレベルも高くないはずです!やれますよ!」


 頑張って力を出そうをする健気な3人を見て、〈強者の余裕〉と〈魔王の悪戯〉を発動させた。

 ライトはいじる悪な笑みを浮かべて絶望的な一言を言った。


「僕はレベル50だ」


 その言葉を聞いて3人は完全に絶望した。

 その様子を見てライトはニヤリと笑い、横に立つ魔法使いはため息をついた。


「ククッ、僕のダンジョンを攻略したければ先にモンスターシリーズを手に入れろ。そして、もっとレベルを上げることだな。僕を倒せればこのダンジョンはクリアしたことになるしな。まぁ、頑張れ」


 そう言ってアドバイスをあげて追い返した。

 これに勝てないことを自覚して力の無さに絶望した3人はフラフラと帰った。

 と思ったら、魔女がいきなり振り返って魔弾を飛ばしてきた。

 不意打ちなので魔王とフロアボスはもろにくらってしまった。


「今度来るときはこれ以上にダメージを与えてやります!このパーティーのリーダーは私です!女性と勘違いしたならそれでよし!あなた達と同じ男の娘!魔女バレリアを忘れるな!」


 帰り際に不意打ちをして捨て台詞を吐く。

 雑魚のしそうなことだが、魔王はこの魔女バレリアを気に入った。

 しかも、弱そうなのに強い。見た目は本当の女みたいなのに一応アレが付いてる。

 ライトの好みに合うのは当たり前で、出来れば自分の仲間にしたいとさえ思ってしまった。


 そんなバレリアは魔王の計らいでテレポートでダンジョンの外にすぐに出られた。

 魔王は期待を込めてバレリアに手紙をポケットに入れていた。

 テレポートの時にそっと入れたそれは魔王の隣に立つ魔法使いに渋い顔をさせるものだった。


「悪趣味ですよ」


「いいじゃないか。どうするかは僕の勝手だし、バレリアがこっちに来るとは限らない。でも、僕は魔王ライトの加護をあげたいと思ったんだ。僕達の平和のためにもね」


 魔法使いにそんな言葉を置いて魔王はワープで自宅に戻って行った。

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