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■第1話 女の子になりました

「あれ?……ここどこ?」


 再び気がつくと、今度はなんだか薄暗い場所にいた。

 周囲を確認してみると。

 どうやら祭壇のようなものの上に寝かされていたらしい。


 私が寝かされていた場所には、なにやら魔法陣のようなものが描かれていた。


「なんだろこれ?……んっ?奥になにかあるな」


 暗くてはっきりとは見えないが、そこには大きな石像が立っていた。

 これは、女神さまだろうか。さっき会ったティリスさまに少し似ている。


「でもさっきの女神さまはもうちょっと可愛らしい感じだったなぁ。――ってかここはどこなんだろう。本当に異世界なのかな?」


 そう考えると、ちょっとワクワクしてきた。

 立ち上がり、軽く手足を動かしてみる。


 ――動く。


 前世では病気で動けない時間が長かった。だからこそ、自由に体が動くのは本当にありがたい。


「いやぁ、正直異世界転生って憧れてたんだよね。あの女神さま、ティリスさまだったかな。ありがとうございます!」


 石像に向かって手を合わせる。


 いや、手を合わせるのは違うかもしれないけど正しいお祈りの仕方とか知らないし、まぁこれでもいいだろう。大事なのは気持ちだ。


「さて、まずはどうするか」


 ここは建物の中らしい。外に出たほうがいいかな?


 ――いや、その前に。


 まずアレを確認しておかないといけない。そう、異世界転生といえばやっぱりチート能力だ!女神さまも特別な力をくれるとか言ってたしね!


「えーと、やっぱりここはアレを言えばいいのかな?」


 ここは薄暗い部屋……キョロキョロと周りを見渡す。うん、誰もいないな。


 少し恥ずかしい気もするが……言うぞ、言っちゃうぞ!


「……ステータス!」

 ――

 何も起こらない。


「あれ?」


「ステータスオープン!」

 ――

 何も起こらない。


「ウィンドウオープン!」

 ――

 何も起こらない。


「ええい!プロパティー!」

 ――

 何も起こらない。


 ……ダメか。

 まあ、ゲームじゃないしな。

 しかし、自分のステータスとかはどうやって確認すればいいんだろう。


 「――あっ」


 そういえば、あれは使えないだろうか?異世界転生物の定番、あのスキル。

 よーし、とりあえず試してみるか。


「……《鑑定》!」


 と呟いた瞬間、目の前にウィンドウが浮かび上がった。よっしゃ、使えた!異世界転生定番の鑑定スキル!女神さまが特別な力をくれると言ってたし。これは期待できそうだ。


「どれどれどんな感じかなぁ?」


======

【基本情報】

名前:クレア

種族:吸血鬼(真祖)

性別:女性

Lv:1000

加護:女神の加護


【属性】

火:Lv10/水:Lv10/風:Lv10/土:Lv10/光:Lv10/闇:Lv10


【魔法】

火:Lv10/水:Lv10/風:Lv10/土:Lv10/光:Lv10/闇:Lv10


【上位魔法】

火炎 Lv10 暴風 Lv10 雷鳴 Lv10

流水 Lv10 砂塵 Lv9  神聖 Lv9


【補助魔法】

治癒 Lv9 解毒 Lv9 解呪 Lv9

浄化 Lv8 結界 Lv8 身体強化 Lv10


【戦闘スキル】

剣術 Lv10 剣聖術 Lv9

格闘術 Lv8 属性剣 Lv9


【固有スキル】

魔法創作 Lv10 魔法強化 Lv10

魔法合成 Lv8  超回復 Lv10


【補助スキル】

気配察知 Lv9 気配遮断 Lv9

鑑定 Lv10 偽装 Lv9

暗視 Lv9


【耐性】

支配無効 Lv10 状態異常無効 Lv10


【種族能力】

不老不死/吸血/生命吸収/飛翔

======


「ほう、名前はクレアか……はぁ?」


 思わず間の抜けた声が出た。


 レベル、1000?


「……いや、ちょっと待って。高すぎじゃない?」


 なんか他のもほとんどのスキルがレベル10だし、種類も多い。これ最大値は10なのかな?というか、HPとかMPの表記はないのか?


「属性やらスキルとかも書いてあるけど多くてよくわからないな……って、んんっ!?」


 とても無視できない文言が見えちゃったんだけど。


 【性別:女性】


「え……ちょっと待ってなにこれ?」


 女神さまってば、性別間違ってませんか?前世の俺は男だったんですけど?それに種族が吸血鬼ってなに?人間種じゃないってそういうことか、ってか真祖ってなんだ?


 恐る恐る、自分の体を見下ろす。

 うん……確かに人間の体ではあるが……


 ――胸がある。


「うーん、それ程大きくはない。なんと言うか程良い大きさで……って、いやいやそうじゃない」


 そーっと胸に触れてみる。


「おっ、これは……柔らかい……んっ、ちょっと気持ちいいかも……って。いや、違う!」


 こんなことしてる場合じゃない!頭をぶんぶん振りながら慌てて手を離し、次に視線をさらに下へ向ける。


「うん、こっちもちゃんと確認しないと……」


 覚悟を決めて、ズボンを少し下げると見覚えのない白いパンツが現れた……こんなの履いてたんだ。


「……」


 ――どうする?


 ――見る?


 ――見ちゃう?


 ――見ちゃっていいの?


 でも、ちゃんと確認しとかないとダメだよね?


「まぁ……自分のだし、どうせいずれ見るんだしー……ううぅ」


 うんうん唸りながらも覚悟を決めてゆっくりと手を伸ばし、するりとパンツを下げてみると。


 ――ない。


「あぁー、やっぱり無くなってる……」

 

 いや感覚でなんとなくわかってはいたけどさ。


「ちょっと女神さまなにしてんのー?女になるなら先に言っておいてくれよぉー!!」


 大切なものを失ってしまったショックで少しの間落ち込んでいたが、ふと思った。


 ……いや。


 これはこれで――アリなんじゃないか?

 もちろん、男とどうこうなるとかは考えたくもない。


 しかし若い女の子の体になれると言うのはよく考えたら、それほど悪くないか?いや、むしろいいんじゃないか?


 なってしまったんだからしょうがない。もうあの女神さまには会えないだろうし、受け入れるしかないか。もう元には戻れないんだし。


 周りを見渡したが、鏡なんかはないので今は自分の姿は確認できない。けど肌の質感からして恐らくは若いだろう。


 ……美少女だったらいいな。

 ああ、でも男にモテたりするのはなんか嫌だなぁ。


 その代わり――


「可愛い女の子と仲良くするのはアリだよなぁ、美少女の友達とか作って一緒にお風呂に入ったりー、なんて事もしてみたいしなぁ……えへへ」


 うん、そうと決まれば。


「中身が男だってバレないようにしないと」


 言葉使いとかも気を付けて、自分の事「俺」とか絶対言わないようにしないと。


「よし。これからは――私だ!」


 深く息を吸う。


「この世界で――私は、女の子として生きていく!」


 目標は一つ。

 可愛い女の子たちと楽しく暮らすこと。


 ……吸血鬼だけど。

 まあ、バレなきゃ大丈夫だろう。

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