表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
外星戦記  作者: 無名の凡夫


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

36/141

第35話 合流+合流

「おい、万代、万代!」(徳島)


「(息はある。脈拍にも乱れはない。なら、どうして意識が戻らない? 脳震盪? 他に何が考えられる?)」(徳島)


万代の呼吸は安定しているが、まるで深い眠りに落ちたように目を覚まさない。思考を巡らす徳島だったが、考えがまとまらない。ひとまず、その場を離れることにした。


「(ぐ…。脱力した人は、結構重いな…。)」(徳島)


徳島はこの間、敵が来ない事を願っていた。先ほどの戦い(メリオジン戦)は乗り切ったとはいえ、それは万代の力によるものが大きい。今、自分が敵と遭遇したら生き残れる保障はない。人を背負ったまま戦うのも無理がある。


「ハァハァ…(ここには敵はいない。しかし、これからどうするか…。)」(徳島)


「(新人の俺が1人でどうにかできる状況ではない。とはいえ、万代をこのままにしておけない…。くそ、こういう時、どうしたらいいんだ…。)」(徳島)


絶望的な状況で、徳島はふと、前方の茂みが動いたのに気づいた。反射的に銃を構える。


「撃つな! 味方だ!」


徳島は引き金を引く寸前で止まった。聞き覚えのある声と、見慣れた顔に、徳島の緊張が一気に緩んだ。


「美村三曹! 高杉三曹! 赤松さん!」(徳島)


「徳島、万代! 無事だったか!」(美村)


徳島が背負う万代の姿を見て、美村と高杉眞瀬(たかすぎ まきせ)は顔色を変えた。


「万代は意識が…。」(徳島)


「しかし、大怪我をしているようにも見えん。どういう状況だ?」(高杉)


徳島は、先程の戦闘で万代が突如、人間離れした動きで敵兵を仕留めていった事を説明した。


「にわかに信じがたい話ですが…。」(徳島)


「…いや、信じるよ。自衛官の中にも、稀に人間離れした動きをする者がいる。俺も見たことがある。」(美村)


「(ならば万代は、対グーリエ星人への希望だ。ここで死なすわけにはいかんな。)」(美村)


「徳島、万代を俺に預けろ。そして、高杉と赤松と3人で周囲の警戒を!」(美村)


徳島が手早く万代を背中に移すと、その身体をしっかりと固定した。徳島は、美村の迅速な対応に安堵するも、周囲に敵の気配を感じた。


「静かに。後方から敵だ。」(高杉)


3人は、即座に戦闘態勢に入った。


TATATATANG!


敵の銃声が響き、土煙が上がる。美村は万代を庇うように低い姿勢を取り、高杉、赤松、徳島が反撃するが、万代を抱えた美村の動きが制限されるため、連携が難しく、苦戦を強いられた。


「くそっ、これじゃあ挟み撃ちだ!」(徳島)


「万代を守りながらでは、厳しい…!」(美村)


その時、敵の背後から、これまで聞いたこともない大口径の銃声が轟いた。


DVAANG! DVAANG!


悲鳴を上げる間もなく、敵兵の頭部と胸部が吹き飛ぶ。一瞬で2体が倒れた。その瞬間、森は再び静まり返った。


「今の射撃…!?」(赤松)


残る1体が混乱し、こちらへ向き直ろうとした瞬間、建物の屋根から飛び降りてきた2つの人影が、その敵兵を瞬時に制圧した。1人はナイフで首筋を切り裂き、もう1人は近接戦闘で顎の骨を砕いた。


「チッ、弾を無駄にした。もっと接近するべきだったな。」(ゴエ)


ゴエは倒れた敵兵を一瞥しただけで、すぐに周囲の警戒へ視線を戻した。


「ゴエ、静かにしろ。4人とも無事で良かった。」(コウガ)


全身を黒い戦闘服に包み、顔のほとんどをマスクで覆った2人の男。特殊作戦群のコウガとゴエだった。彼らの出現により、戦場は静寂を取り戻した。


「特戦群…!」(美村)


「(別当連隊長の隊に合流するはずが、寄り道をしてしまった。)」(ゴエ)


ゴエはすぐさま無線機を取り出す。


「こちらゴエ。敵交戦地帯の生存者を確保した。負傷者あり。最寄りの特戦群別部隊へ救援を要請する。座標XXXX-YYYY。繰り返す、救援を要請。」(ゴエ)


「なぜ、あなたたちがここに?」(美村)


「敵の補給路を奪い、自補給路を取り戻す任務だ。我々はこれ以上、足止めは出来ない。することがないなら、君達も手伝え。」(コウガ)


「ちょうど、自分も敵の補給路を断つべく、動いていました。」(徳島)


「なら話は早い。敵補給路は把握しているな? しばらくここにいろ。仲間が万代二士を保護に来る。」(ゴエ)


ゴエは補給路の確認をすると、すぐにその場から去った。その速度と消え方は、まるで最初から存在しなかったかのようなものだった。


「…行くぞ、徳島。我々がやらねばならないことができた。」(美村)


「はい。」(徳島)


美村、高杉、赤松、徳島の4人は、万代を救護にきた特戦群に託した。そして振り返ることなく、敵補給路へと歩き出した。


登場人物紹介

高杉たかすぎ 眞瀬まきせ

生年月日:1996年5月27日 / 出身:山口県

階級:三等陸曹 / 所属:31普連1中隊


ゴエ…特戦群の1人・コウガと共に行動する。

コウガ……特戦群の隊長格。

万代ましろ 佑大ゆうだい……突如、不思議な力に目覚めるが、その代償として気を失う

徳島とくしま 陽平ようへい……万代の同期

美村みむら たん……徳島と合流した中堅隊員

赤松 つらら(あかまつ)……31普連の有望株

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ