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外星戦記~異星人に家族を殺された少年は、自衛官になって復讐を誓う~  作者: 無名の凡夫
第3章 九州奪還へ

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第293話 押し返す

帝国兵の姿が、少しずつ遠ざかっていく。


先程までピットブル班の周囲には多数の帝国兵が押し寄せていた。建物の陰から姿を現しては射撃を繰り返し、隙があれば距離を詰めようとしていたが、その動きが明らかに鈍っている。第25空挺降下大隊と、その周辺で戦っていた歩兵科部隊の一部が後退を始めたためだった。


シャークは建物の陰から前方を確認すると、銃を下ろした。


「かなり下がったね」


「そうね。でも、まだ油断はできないわよ」


フロリアンが周囲を見回す。


帝国兵が後退したことで、ピットブル班の周囲には余裕が生まれていた。しかし、戦場全体で見れば銃声は依然として続いている。別の場所では自衛隊と帝国軍の交戦が続いており、建物の向こうからは断続的に銃声と爆発音が聞こえていた。


カラーノは道路の先へ視線を向けた。


「あれは……まだいます」


その先では、帝国産小型戦車が建物の間を移動していた。


帝国兵が後退したにもかかわらず、帝国産小型(ペ○パー君)戦車だけは戦場に残っている。車体を小刻みに動かしながら、普通科部隊が陣地を構えている方向へ砲口を向けていた。


エルメスがそれを確認する。


「あれだけは、まだこっちを狙ってるね」


「ええ。あれを放っておいたら、普通科の子たちがまた撃たれるわ」


フロリアンが銃を構えた。


「でも、今ならさっきより動きやすい。シャークちゃん、皆、行くわよ」


「分かった」


ピットブル班は、再び帝国産小型戦車へ向かって移動を始めた。


敵歩兵の圧力が弱まったとはいえ、車両を止めるためには接近しなければならない。帝国産小型戦車もこちらの動きを察したのか、車体を建物の陰へ滑り込ませようとしている。


「逃がさないわよ!」


フロリアンが叫びながら追う。カラーノも後に続いた。




その頃、別の場所ではタイガー班が帝国歩兵と交戦していた。


教授は建物の壁際から前方を確認している。


帝国兵は数で押しながら、少しずつ距離を詰めていた。自衛隊側の陣地も無傷ではなく、前方に配置された隊員たちは敵の射撃を避けながら応戦している。


教授は敵の動きをしばらく観察していた。


正面から攻撃してくる部隊だけではない。右側の建物の陰にも数人の帝国兵がおり、そのさらに後ろには別の部隊が続いている。


「チェール、右を見てくれ。あそこから回り込もうとしている」


「了解」


チェールが身を低くして移動する。


帝国兵が建物の角から姿を現した。その瞬間、チェールが射撃すると、帝国兵は身を引いた。


教授はその動きを確認すると、すぐに次の指示を出した。


「フランキー、今だ。正面を押さえろ」


「おう!」


フランキーが射撃を開始する。


正面から進んでいた帝国兵が足を止める。そこへ別の方向からタイガー班の射撃が加わったことで、帝国兵は前進することも、簡単に後退することもできなくなっていた。


教授は敵の動きを見ながら、少しずつ班の位置を変えていく。


敵の数は多い。だからといって、正面から撃ち合い続ければ不利になる。教授は敵が集中している場所を避け、薄くなった場所へ班員を移動させていた。


「カン、少し下がれ。敵を引き込む」


「了解!」


カンが後退する。


帝国兵は自分たちが押していると判断したのか、その動きに合わせて前へ出てきた。


教授は、それを待っていた。


「今だ。ギラード、左から出ろ」


「了解!」


ギラードが建物の陰から飛び出し、側面から射撃する。


帝国兵が慌てて振り向いた。


「なっ…!?」


その隙を利用して、正面にいた自衛隊員たちも射撃を強める。帝国兵の隊列が崩れた。


「押し返すぞ!」


教授が叫ぶ。タイガー班が前へ出る。


帝国兵は一度後退したものの、すぐに別の兵士が前へ出てきた。教授は足を止めなかった。


「無理に追うな。あいつらが下がったところまででいい」


「分かった!」


チェールが答える。


タイガー班は敵を追撃するのではなく、奪い返した場所を確保しながら前進していく。


敵を一気に倒す必要はない。敵が攻撃しようとするたびに、その動きを潰していけばいい。教授はそう考えていた。


帝国兵の数は依然として多い。それでも、先程までのように一方的に押し込まれる状況ではなくなっていた。


そのとき、遠くから大きな銃声が響いた。教授がそちらへ目を向ける。建物の向こうで、再び爆発が起きた。


「何だ?」


フランキーが尋ねる。


「分からない。今は目の前に集中しろ」


教授はそう答え、再び敵へ視線を戻した。


まだ戦場は終わっていない。帝国軍の一部が後退を始めたことで、戦線には変化が生まれている。しかし、それは帝国軍全体が崩れたことを意味するわけではなかった。


タイガー班の前には、まだ多数の帝国兵がいる。


教授は銃を構え直した。


「次が来るぞ」


建物の向こうから、帝国兵が再び姿を現した。


タイガー班は迎え撃つため、それぞれの位置についた。

登場人物紹介

GASTタイガー班

教授(班長)、チェール(副班長)、フランキー、カン、ジーナ、ギラード

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ミリタリー SF ファンタジー 自衛隊 戦争
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