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外星戦記  作者: 無名の凡夫
第3章 九州奪還へ

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235/261

第233話 覚悟の出陣

若松陸軍基地・地下通信指令室


爆発音は未だ止まらない。通信施設は沈黙し、弾薬庫は炎上している。基地全域から届く報告は悪化する一方だった。通信が遮断され、非常電源設備も壊された。そして、このタイミングで弾薬後が炎上した。弾薬集積所では誘爆が続き、消火部隊とも連絡が取れない。


ステッラ・フォンボス大佐は戦況図を見つめていた。赤い光点が次々と消えていく。1つ消えるたびに、防衛線が失われていくのが分かった。


「司令官代理殿、地下退避を」(カペラー)


第13電子戦大隊長オリィ・カペラー少佐が進言する。だがフォンボスは首を横に振った。


「まだだ」(フォンボス)


短く答える。


「しかし――」(カペラー)


「まだ第8北九州統治軍は存在している」(フォンボス)


その声は静かだった。だが迷いは無かった。


ヒアカッペが死に、多くの兵士が死んだ。通信網は崩壊し、弾薬庫は燃えている。それでも戦線の全てが失われたわけではない。まだ戦っている兵士がいる。ならば指揮官だけが先に逃げる訳にはいかなかった。


フォンボスは静かに軍帽を被り直した。


「残存部隊を司令部周辺へ集結。防衛線を再構築する」(フォンボス)


「敵をここで止める」(フォンボス)


「了解!」(ゴーン)


「フォンボス大佐殿!」(ゴーン)


「どうした」(フォンボス)


「西側警備隊との通信が復旧しました!」(ゴーン)


フォンボスが顔を上げる。


「報告しろ」(フォンボス)


「敵の侵入を確認したとのことです。ただし人数不明。現在、連絡が途絶えました」(ゴーン)


室内が静まり返る。


「最後の報告か」(フォンボス)


「恐らくは……」(ゴーン)


室内の空気が凍り付く。フォンボスだけは動かなかった。


「来たか」(フォンボス)


彼女は壁に立て掛けられていた自動小銃を手に取る。背中の白い翼が静かに広がった。逃げるためではない。戦うためだった。


「司令官代理殿!」(カペラー)


「カペラー少佐」(フォンボス)


「はっ」


「司令部の指揮は貴官に委ねる」(フォンボス)


カペラーが息を呑む。その意味を理解したからだ。フォンボスは防爆扉へ向かって歩き出す。その背中は敗軍の指揮官には見えなかった。最後まで戦う軍人そのものだった。


「第8北九州統治軍司令官代理、ステッラ・フォンボス、これより前線へ出る」


誰に聞かせるでもなく呟く。重い防爆扉が開く。


登場人物紹介

ステッラ・フォンボス……第8北九州統治軍副団長

オリィ・カペラー……第13電子戦大隊長

セルジ・ゴーン……第13電子戦大隊1小隊所属

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ミリタリー SF ファンタジー 自衛隊 戦争
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