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外星戦記  作者: 無名の凡夫


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第21話 嵐の予兆と山中の血戦

― 時間を巻き戻して、9月22日 22:00 山梨県大月市・菊花山周辺 ―


「なあ、何で俺たち、こんな山の中にいるんだ?」(西友貴(にし ともき)陸士長)


「斥候だからだろ。このルートの安全確保が先決だ。」(三笠恭太(みかさ きょうた)陸士長)


「山の中だったら、13普連がした方がいいんじゃないですか?」(西)


「文句言わずに黙って動けよ。」(三笠)


「おい、無駄話をするな。敵に聞かれたらどうする?」(野木龍悟(のぎ りょうご):三等陸曹)


野木の忠告に、西と三笠は黙って頷いた。夜の山は、昼間とは全く違う顔を見せる。湿った土の匂い、木々のざわめき一つ、風の音一つが、神経をすり減らしていく。西は、背中に嫌な汗が伝うのを感じていた。そのとき、三笠が動きを止めた。


三笠が突然、手を上げた。全員が止まる。森が静まり返った。


「……いた。」(三笠)


月明かりの下。木々の間に、3つの影。人ではない。尖った耳。闇の中で光る瞳。


「…エルフだ。」(野木)


野木が低く呟く。彼らの動きは滑らかで、ほとんど気配を感じさせない。まるで森の一部になったようだ。


「狙撃するぞ。俺が合図をしたら、一斉に…」(野木)


野木の指示が終わる前に、夜の闇を引き裂く鋭い銃声が轟いた。


PUSHU!


「(敵からだ!)」(西)


西は反射的に物陰に飛び込む。直後、耳元を「ヒュッ!」と風切り音が通り過ぎ、近くの木に弾丸が食い込んだ音がした。


PUSHU!


再び銃声がした。乾いた音。直後、三笠の体が揺れた。


「ぐっ!」


左肩から血が噴き出す。


「くそっ!」


三笠の苦悶の声が聞こえた。西が恐る恐る顔を出すと、三笠が左肩を押さえて座り込んでいた。野木がすかさず応戦する。彼の小銃が火を吹くが、敵の動きは素早い。三つの影は、一瞬にして散開し、木々の陰に身を潜めた。


「三笠、大丈夫か!?」(西)


「西、お前は下がれ。このままじゃ全滅だ。」(三笠」


「本部へ報告しろ。行け!」(野木)


「これは命令だ!」(野木)


西は躊躇した。仲間を見捨てるなど、訓練では習わなかった。だが、野木や三笠の決意に満ちた顔を見て、西はこれ以上ここにいることが、彼等の犠牲を無駄にすることになると悟った。


「…了解!」


TATATATANG! TATATATANG!


西は彼らの覚悟を胸に刻み、暗闇の中を駆け出した。背後で、再び応戦の銃声が響く。


西が消えた森を見つめ、男が舌打ちした。


「一匹逃げたか。」


月明かりの下、長い耳が影を落とす。


「次に会ったら、必ず殺す。」


アルファー・エイエス少尉。帝国陸軍斥候部隊の兵士だったその顔には、獲物を逃したことへの苛立ちが浮かんでいた。

登場人物紹介

西にし 友貴ともき

生年月日:1998年10月16日 / 出身:新潟県

階級:陸士長 / 所属:第12偵察隊

備考:菊花山で斥候をしていた際に敵兵と遭遇。


三笠みかさ 恭太きょうた

生年月日:1999年1月27日 / 出身:群馬県

階級:陸士長 / 所属:第12偵察隊

備考:菊花山で斥候をしていた際に、敵と遭遇し負傷する。西とは同期。


野木のぎ 龍悟りょうご

生年月日:1995年6月18日 / 出身:神奈川県

階級:三等陸曹 / 所属:第12偵察隊所属

備考:菊花山で斥候をしていた際に、敵と遭遇し負傷する。


アルファー・エイエス

種族・性別:エルフ族の男性

所属・階級:陸軍少尉

備考:斥候として潜伏していた際に交戦。野木と三笠を負傷させる。

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