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外星戦記  作者: 無名の凡夫


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第18話 嵐の前の静けさ

陸上自衛隊 座間駐屯地―――現テリムト参謀支部・座間基地


「全員集まったようだな。」(ゴア)


作戦室に集められた将校たちの中で、私は腕を組んで立っていた。


ごきげんよう、皆さん。レイ・カラウスキ、帝国陸軍曹長だ。今日の任務は斥候。だが、作戦後半では敵の背後を突く役目を担う。面白い戦いになりそうだ。


「今回は、3個大隊を基幹とし、我が作戦参謀部が統括する。作戦全隊の指揮は私が執るが、現場指揮官には、ペーリ・アイトンダ陸軍大佐を任命する。作戦は2段階だ。」(ゴア)


ゴア准将は地図を指した。


「第一段階。特殊作戦部隊と上空哨戒部隊は先行潜入。敵の指揮系統を切断する。成功した場合、暗号“コユーザ”を送れ。」


「第二段階。第3砲兵大隊が司令部を叩く。第1歩兵大隊は正面突撃、第2歩兵大隊は側面を包囲。上空部隊は背後に回り退路を断つ。」


「包囲殲滅だ。」


「了解した。」(アイトンダ)


「出発は、21:30、失敗は許されない。心してかかれ!」(ゴア)


「了解!」 (一同)


今回も私は斥候を務めるが、作戦後半では敵の背後を突く重要な役目だ。それならば、今のうちに温かい食事を摂って英気を養いたいものだが、レーションで我慢だ。帝国軍特性のレーションは、栄養満点で味も良いが、ここは地球。数に限りがあるので、支給されるのは1人1本だ。幸い、移動はヘリなので、移動中は仮眠を取らせてもらおう。


「アステリム帝国属領テリムト軍・大月攻略部隊、発進!」(アイトンダ)


2020年9月22日 21:30、テリムト参謀支部・座間基地を出発


…………眠れん……。


くっ、隣にシュグルポッター大尉がいるなんて…。上官を隣にしては眠るわけにはいかぬ…。



一方、小田原市某所にて。


「少佐殿、私達で奴らを殲滅させる気で?」(フェア・アンタス中尉)


「いや、作戦の本筋は、罠が完成するまでの足止めだよ。ゴア准将は、殲滅させても構わないと仰っていたけど、私達が功を焦って攻めては危険よ。罠が完成するまでに進軍されるわけにはいかない。」(イオクタン)


「しかし、敵は下等生物。私達だけで十分勝てると思いますが…。」(アンタス)


アンタスの言葉に、イオクタンは首を振った。


「違う。」


「この作戦の目的は殲滅じゃない、時間を稼ぐことよ。」


「敵を止められれば、それで勝ち。」


「は、はぁ…。」


「納得できない?」


「え、いや、その…。」


「命令全てが納得できるものにはならないわ。大事なのは、作戦の本質を見失わず、私達がすべき最善の策を行うことよ。敵を倒すのも、時間をかけて確実に屠りましょう。」


「了解…しました…。」


アンタスは納得していない。イオクタンはすぐに見抜いた。しかし、作戦を変えるわけにはいかず、今後、部下達をどう導くか思案するのだった。

登場人物紹介

ペーリ・アイトンダ

種族・性別:鬼人族の男性

所属・階級:陸軍大佐

備考:大月攻略部隊の野戦指揮官を務める。


フェア・アンタス

種族・性別:ハーフエルフの女性

所属・階級:陸軍中尉、予備隊。

備考:イオクタンの副官として、予備隊から招集された。


ゾーリー・ゴア……テリムト作戦参謀長。

レイ・カラウスキ……帝国陸軍曹長で、天使族の男性

パウ・シュグルポッター……帝国陸軍大尉で、獅子型獣人族の男性

ファネッタ・イオクタン……帝国陸軍少佐で、エルフ族の女性。


グーリエ星に存在する種族

鬼人族……前髪生え際に角が生えている。大柄な体格に育つことが多い。男性は角が2本、女性は角が1本生えてくる。角は折れてもまた生えてくる。赤鬼科と青鬼科がいて、赤鬼科は暑さに、青鬼科は寒さに強い。アイトンダは赤鬼科。

尚、豆は好物なので、投げても効果はない。アイトンダは、地球に来てからの酒のつまみは、ピーナッツ→枝豆→柿ピー→ピスタチオのローテになっている。

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