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外星戦記  作者: 無名の凡夫
第3章 九州奪還へ

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第176話 前倒し

苫米地杏南です。私は今、特戦群の浅原群長と向かい合っています。


「早速だが、本題に入る。」(浅原)


「はい…」(杏南)


「GASTは今後、九州奪還に向けて本格投入される。」(浅原)


「その前提で言う。」(浅原)


「貴様は、もう待たなくていい。」(浅原)


言葉の意味は、すぐに分かりました。


「……条件が変わったんですね?」(杏南)


「ああ」(浅原)


「従来の制限は、GASTに限り撤廃された。」(浅原)


「上には話を通してある。」(浅原)


簡潔でした。でも、それがどれだけ異例かは分かります。


「本来なら、貴様はあと数年かけて条件を満たすはずだった。」(浅原)


「以前、そう伝えたな。」(浅原)


「……はい」(杏南)


あの時は、 “将来”の話でした。


「状況が変わった。」(浅原)


それだけでした。理由の説明はしませんが、その必要はありません。


「……即時編入、ということですか?」(杏南)


「そうだ。」(浅原)


「回復次第、GASTに配属する。」(浅原)


視線が一瞬だけ、杏南の身体に向く。


「その回復速度なら、問題ないだろう。」(浅原)


「……報告は上がっているんですね」(杏南)


「当然だ。」(浅原)


感情のない返答。AIと会話している気分になります。


「使える戦力は、すべて使う。」(浅原)


それが結論でした。そこに驚きはなく、むしろ、予定が前倒しになっただけ――そう解釈しています。


「……断った場合は?」(杏南)


念のために聞いてみます。群長はわずかに目を細めます。


「私は忙しい。くだらない質問をするな。」(浅原)


「申し訳ありません。」(杏南)


反射的に謝罪が出ます…。


「(ひいっ! やっぱりこの人怖い…。)」(杏南)


「要件は伝えた。しっかりとリハビリに励め。」(浅原)


そう言って、群長は部屋から出ていきました。扉が閉まる音が、やけに大きく聞こえます。


間もなく、私はGASTへ異動になります。それは理解しています。戦力として、最適な配置に移るだけです。隼人とは離れます。


……。


「やっぱり、辛いなぁ」(杏南)


口に出してみると、思ったよりも軽い言葉でした。事実ではあります。ですが――それだけです。


「(自分で決めた事だから…)」(杏南)


そう結論づけます。


「ふう…」(杏南)


「……問題ない」(杏南)


誰に言うでもなく、確認するように呟きました。


登場人物紹介

苫米地とまべち 杏南あんな……本編のヒロインで、隼人の同期で恋人

浅原あさはら さとる……特戦群の群長

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ミリタリー SF ファンタジー 自衛隊 戦争
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