表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
外星戦記  作者: 無名の凡夫
第2章 成長と挫折

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
176/261

第174話 選ばれた戦場

開票は、日付が変わる前に趨勢が決まった。


「共生未来党、過半数確実です」


画面の中で、アナウンサーが淡々と告げる。その横には、別の数字が並んでいた。


民意党――大幅減。


現職総理、永久井の名前の横に「落選」の文字はない。だが、それに近い意味を持っていた。政権は、終わった。


街頭では、歓声と怒号が混ざっている。


「戦争を止めろ!」


「ふざけるな、逃げるのか!」


スマートフォンを掲げて叫ぶ若者と、腕を組んで睨みつける中年の男。同じ言葉を使いながら、向いている方向が違っていた。




翌日、記者会見場。


フラッシュが断続的に焚かれる。


共生未来党の新総理・小高(こだか)味一(みいち)が、壇上に立つ。


視線は真っ直ぐだった。


「まず、今回の選挙結果について――」(小高)


静かな導入。


「これは、民意であると受け止めています。戦争のあり方を、改めて問われた結果です」(小高)


「結論から申し上げます」(小高)


会場のざわめきが、ゆっくりと収まっていく。


「オペレーション・ミネルヴァ――首都圏奪還作戦は、凍結します」(小高)


一瞬の空白の後、ざわめきが広がる。だが、完全な驚きではない。それでも、その言葉の重さは消えない。


「現在、当該地域では、一定の生活基盤が確認されています。住民の意思も、多様であり、この状況下での全面的な軍事行動は、再検討が必要です」(小高)


質問が飛ぶ。


「では、侵略を容認するのか!」


「自衛隊の行動を否定するのか!」


鋭い声だった。


「いいえ」(小高)


即答だった。


「我々は、防衛を放棄しません!」(小高)


「九州方面における奪還作戦は、継続します」(小高)


一瞬、空気が止まる。


「結局、暴力で解決させる気ですか?」


別の記者が食い気味に口を開く。


「現在、九州では、住民への直接的な被害が継続しています。これは、明確な武力による支配であり、現在進行形の危機です。よって、防衛行動として、作戦を継続します。」(小高)


「……では、首都圏は安全だというのですか!」


別の記者。声が強くなる。


「安全ではありませんが、状況が異なります。」(小高)


「我々は、戦う場所を選びます。」(小高)




臨時拠点。


その会見は、端末で流れていた。誰もすぐには口を開かない。


「……民意、か」


誰かが呟く。否定する声はない。


「民意党は、その民意で負けたってことだな」


別の声。皮肉とも、事実とも取れる。


要は、黙って画面を見ていた。瞬き一つしない。


僕は、視線を落とした。


「……僕たちがやってきたことは…」(隼人)


言葉が続かない。


首都圏は止まる。九州は続く。同じ戦争のはずなのに、線が引かれた。その線の内側と外側で、何が違うのか。誰も、はっきりとは答えられなかった。――それでも、決まった。


第2部 完


登場人物紹介

小高こだか 味一みいち

生年月日:1951年8月21日 / 出身:宮城県

備考:新内閣総理大臣。共生未来党もグーリエ星人との戦闘に否定的だったが、政権を獲ったことでそんな事言っていられなくなった。


段場だんば 隼人はやと……本編の主人公

運天うんてん かなめ……隼人の同期

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ミリタリー SF ファンタジー 自衛隊 戦争
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ