第118話 落とされた者の決意
あと30秒あれば、違った。守ったはずの重さが、俺の足を止めた。そう思ってしまう時点で、もう負けている。
悔しさがいつまでも残っている。あの時、俺は疲労困憊のレンジャー家村を抱えていた。その為、動きが制限され、OPFORへの対応が遅れてしまった。レンジャー家村を抱えていなければ、防げた自信ががある。自分もレンジャーになれていたんじゃないか? そんな事も考えた。
いや、レンジャー家村の所為にしてはいけない。俺もあのメンバー全員でレンジャーになりたいと思っていた。だから、レンジャー家村をあそこで切り捨てるなんて考えられなかった。レンジャー試験が終わった後、レンジャー家村は泣きながら俺に謝った。何度も何度も、「すみません」と繰り返した。
「俺が弱いから落ちた。レンジャー家村のせいではない。」
彼にはそう答えた。レンジャー家村のせいにしてしまえば、俺はこれ以上強くなれないと思う。今回は駄目だったけど次がある。いや、次があるなんて、保証はどこにもない。それでも――
もう一度、あの地獄に戻る。その前に戦地へ赴くことがあっても生き残り、来年のレンジャー試験には受かってみせる。その時、レンジャー家村も一緒なら理想だ。
この悔しさは消えない。消えないままでいい。――あの時、手を離さなかったことだけは、後悔していない。
段団 圭河




