第107話 深まる絆
万代佑大です。
今日、盟友の徳島が脱落しました。彼とは、ただの同期ではなく、オペレーション・ギデオン(第7次首都圏奪還作戦)で共闘し、親友と呼べる絆が芽生えました。そんな盟友の脱落は、自分の心も深く抉られます。
訓練終了後、彼に課せられた理不尽な最後の試練。そして、それを難なくこなしてしまった自分の姿が、彼の心を折ったのではないかという罪悪感が、体の奥深くにモヤモヤとして残っています。
翌朝、徳島と他4人が脱落したことを正式に告げられました。ショックはありましたが、訓練は進んでいきます。盟友のショックを引きずらずに訓練はこなせたと思います。しかし、ふとした瞬間に悔しさが込み上げてきます。
「お前の顔に、徳島の無念が貼り付いてるぞ、万代。」(美村)
突然、美村三曹が自分の肩を叩きます。
「えっ? 美村三曹…。」(万代)
「俺は中隊こそ違うが、同じ31普連で、あの戦いから生き残った大事な仲間だ。ましてや、お前たちは戦場で背中を預けたバディのようなもんだろう。」(美村)
美村は真っ直ぐに万代を見つめた。
「あいつの無念は、お前一人のものじゃない。俺たちの無念でもある。だから、お前1人で背負い込むな。レンジャーはチームで獲るもんだろ?」(美村)
「美村三曹…。」(万代)
「あたしも背負うよ! 徳島が最後まで諦めない奴だって知ってるから!」(赤松)
「赤松さん…。」(万代)
「あたしは同じ中隊だよ。あたしもその強い想いを受け取った! 徳島の無念を一緒に背負わせてよ。」(赤松)
段団が、万代の目の前に右手を差し出す。
「俺は同じ中隊じゃないが、レンジャー徳島は俺のバディだ。レンジャーは最後まで諦めない者を求めている。俺も背負う。」(段団)
「レンジャー段団…。」(万代)
万代は段団の手を強く握りしめた。その感触から、言葉にならない力が伝わってくる。
「話を聞く限り、レンジャー徳島は、皆が諦める中、最後まで抗ったんだろ? 教官が見てたのは、きっとその魂の強さだ。」(段団)
「そうだ……。」(万代)
万代は段団、美村、赤松の顔を順に見つめる。
「あいつとは約束したんだ。一緒にグーリエ星人を倒して、この国に平和を取り戻すと…!」(万代)
万代の目から迷いが消え、炎が宿る。
「だから先にレンジャーになって待ってるぞ、徳島! お前が這い上がってくる場所を、俺たちが作る!」(万代)
――その言葉を、徳島が聞くことはなかった。
登場人物紹介
万代 佑大……盟友・徳島の脱落に落胆する
美村 丹……万代のメンターになっている
赤松 つらら……万代の先輩
段団 圭河……徳島のバディ




