表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
外星戦記  作者: 無名の凡夫
第1章 初陣~オペレーション・ギデオン~

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
10/261

第10話 天使の襲撃

園山の号令が響き渡り、掃討班は、敵の潜む方角へと一斉に駆け出した。しかし、彼らの決意とは裏腹に、戦場では既に別の局面へと移行していた。




地球の諸君、ごきげんよう。私の名はレイ・カラウスキ。アステリム帝国陸軍曹長だ。本来なら、ゆっくり自己紹介でもしてやりたいところだが――残念ながら時間がない。君たちの兵士が、私の部下を撃った。なので、先に一つだけ教えておこう。君たちは、今から天使族と戦う。これは運が悪かったな。


「ブル、デム、ベイルの3人は、陸偵支隊を抱えて離脱しろ。パチェコは3人の援護、私は敵のドローンを落としてから離脱する。」


「アボイ少尉に来てもらうのは?」(ブランチェスカ・パチェコ兵士長)


「戦闘を極力避けるよう命じられている。ヘリが来たら、本格的に戦闘になる。自衛隊は続々と湯河原に入った。今戦ったら分が悪い。アボイ少尉に救援を請うなら、戦闘地帯を離れてからだ。」


「もっとも、アボイ少尉殿に連絡だけはしておかないとな。」


「アボイ少尉殿、レイ・カラウスキです。陸偵支隊の3名が負傷。保護次第、そちらへ連れていきます。病院への搬送をお願いします。」


『ああ、はよ連れてこい』


「了解しました。」


「よし、総員、急いで向かうぞ!」


現場に到着すると、自衛隊が陸偵支隊の元へ向かっていた。仲間を救うべく、迅速な動きが求められる。私の実力をお見せしようじゃないか。


「パチェコ、敵ドローンを落とせ! 私は、自衛隊に攻撃する。」


「了解です。」


視認できる限り、ドローンは1機や2機ではない。しかし、パチェコならばやってくれるだろう。彼女も、帝国軍として鍛えられている兵士だ。パチェコがドローンを撃ち落としている間、私は自衛隊に攻撃を仕掛ける。


『こちら二瓶。ドローンが破壊された。おそらく天使族。すぐに代わりのドローンを飛ばすが、それまで上空の警戒を怠るな!』


「了解した。」


ドローンの破壊音が周囲で響き、廣嶋率いる班員に動揺が広がる。


「さっき、爆発音がしましたね。」

足尾(あしお) 哲也(てつや)二等陸曹


「ああ、それだな。この数と装備で天使族と戦うのは得策じゃない。10高(第10高射特科大隊)に来てもらわんとな…。一度、本部へ連絡するか。」


「廣嶋一曹、天使族を目視できました。5体程いるようです。」

小城 (こじょう)聖太(せいた)二等陸士


「ああ、俺も確認した。急ぎ連絡する。」


「本部、こちら廣嶋。天使族を確認。10高の派遣を要請したい。」


『了解した。直ちに向かわす』


「智川、こちら廣嶋。二瓶のドローンが天使族に撃ち落とされている。援護できないか?」


『こちら智川、了解。ただちに援護へ向かう。』


その時、彼らの耳に、大きな爆発音が聞こえた。振動かこちらにも届く。


「何だ、今の爆発は?」(足尾)


「中隊長が向かった方角!」(小城)


「援護へ向かうぞ!」


「了解!」




俺は、馬之秋(うまのあき) (つかさ)。俺は今、敵兵を討つべく進軍中だ。敵は3体だが、強大な力を持つグーリエ星人、油断せず、絶対に仕留めてみせる! そう意気込んでみたが、俺たちの状況は、あっさりと一変した。


「RPG!? 伏せろ!」


園山三佐の叫びが聞こえた。次の瞬間、空中で爆発が起きた。一瞬、世界から音が消えた。破片と衝撃波が雨のように降り注ぐ。


「ぎゃあああああああああ」


まるで地獄のような悲鳴が聞こえたが、それが誰のものか、考える暇もなかった。被害が甚大なのはその悲鳴の大きさで分かったのだが…。


「中隊長、上空に天使族です。」


「ぐ…天使族か…。」


天使族は高高度を高速で飛行できるため、小銃での迎撃は極めて困難だった。逆に空から攻撃されると、防ぐのが難しい。さらに目の前の天使族が持っているあの銃。あれで、RPG相当の火力を出したというのか…。こちらの装備では、圧倒的に火力が劣る……。


「曹長! 陸偵支隊3名確保! これより、離脱!」


「ご苦労! 私も引き上げる!」


戦況は最悪だったが、突然、目の前の天使族が引き上げていく。その奥で、負傷した兵を抱えている天使族が3体。あれは、二瓶三曹がドローンで攻撃した3体のはず…。このまま、とどめを刺せず逃してしまうのか…。


「くそ、逃がすか!」


「よせ!」


弾は空を切った。次の瞬間、上昇中の天使族と目が合った。天使族は避ける素振りすら見せなかった。ただ、こちらを見下ろしていた。


敵のRPG相当の武器が一直線に飛んできた。


――しまった。園山中隊長の声が、遠くで聞こえた気がした。それが、俺が最後に聞いた音だった。


爆風が俺を飲み込む。視界が白く染まった。身体の感覚が急速に消えていく。


足が……ない。もう助からない。あの時撃たなければ。


だんだんと意識が遠のいていく…。痛みを感じない。これが死か…俺は死ぬのか…これで、俺の人生も終わりか…。あの時、撃たなければ――中隊長、すみません。


最期の最期に何をやっているんだ、俺は……。ただただ申し訳ない気持ちだ。その、申し訳ない気持ちを抱えたまま、俺は息絶えた。

登場人物紹介

馬之秋うまのあき つかさ……1994年11月27日生まれ / 三重県 / 三等陸曹 / 35普連2中隊所属 / 享年26歳


レイ・カラウスキ……帝国陸軍曹長で、天使族の男性。上空偵察支隊の支隊長として、湯河原に潜入していた。ナルシストない一面を持つが、実力は確か。


※カラウスキの部下達

ブランチェスカ・パチェコ……帝国陸軍兵士長で、天使族の女性。

ブル・ティテズ……帝国陸軍一等兵で、天使族の男性。

マドリーヌ・デム……帝国陸軍一等兵で、天使族の女性。

ジャッパー・ベイル……帝国陸軍二等兵で、天使族の男性。



グーリエ星に存在する種族

ドワーフ……ファンタジーものでお馴染みの、大きな頭と髭、ずんぐりした体格が特徴の種族。成人は男女ともに髭を生やしている。平均身長は、167cm。確認されている最長身のドワーフは、173cm。種族の特性として、物造りが得意な者が多い。身体は頑丈だが、スピードに欠ける。上位種に「エルダードワーフ」がいる。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ミリタリー SF ファンタジー 自衛隊 戦争
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ