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初恋  作者: rein
第3章〜高校3年生〜
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96話「卒業式前日」

卒業式前日。


リハーサルや、表彰式のため今日は登校日。


「久しぶり〜」


「久々ーなのに、明日来たらもう学生最後っていうの何か変な感じだね」


「確かに」


梓とそんな話をしていると、先生が職員室から出てきて教室に向かってきたので、私達は中に入った。


「おはようございます」


まだ、朝学習の時間なので皆自由に色々している。


私は読書をしていた。


「神崎」


突然先生に名前を呼ばれた。


「なんですか?」


「神崎、クラス代表な」


「え?」


突然そんなことを言われたので頭の中ははてなマークでいっぱいになった。


「そういうことやから、今から体育館行ってリハーサルしてきて」


「え、今からですか?」


「そう。今日リハーサルするし、色々出来てないとまずいから。はい、行ってらっしゃい」


私は訳も分からず、体育館へ向かった。


扉を開けると、何人かいた。


キョロキョロしていると、学年主任の安藤先生が話しかけてきた。


「神崎さんは、なんの人?」


「クラス代表らしいです」


「らしいって何や笑」


「だって、今先生にそう言われてリハーサルあるから体育館行ってきてーって言われてここにいるんですもん」


「そうか、大変やな」


「本当ですよ」


しばらくして、全員揃ったようだ。


まずは、表彰式で表彰される生徒達が受け取りのリハーサルをする。


座って見ていると、優大の姿があった。


生徒会長なだけあって、受け取りなどスムーズにやっている。


慣れてるなぁ、と思った。


一通り終わったあと、次はクラス代表の人達の番だ。


優大が私の姿を見つけたらしく、とても驚いた顔をしていた。


私は、先生に教えられたとおり、てきぱきとこなしていった。


「怜奈、クラスの代表ねんな」


リハーサルが終わり、皆が来るまでここで待機となり待っている時、優大が話しかけてきた。


「うん、うちも朝突然言われて訳分からんままここ来て今笑」


「緊張する?」


「するよ、壇上上がる前先生方の方と、役員の方の方にお辞儀しとるだけでもう足震えとるもん」


「頑張れ、壇上に上がって皆の顔みたらもっと大変やぞー」


「やめて、言わないで。もうみんなをカボチャと思うことにするよ」


「そんなに?笑」


そう話していると、朝礼を終えた生徒達が続々と入ってきた。


「そろそろ座るか」


「そうだね、じゃあね」


私は自分の椅子に座った。


いつもの集会などなら、出席番号順に座っているのだが、今日は私は壇上に立たないといけないため、通路側の端の場所だ。


まず、表彰式から始まる。


皆勤賞や、役員の表彰などが行われていく。


優大は、スムーズに終えていた。


その後、3年生の3年間の思い出を振り返るビデオが流れた。


自分の姿を見つけると、笑い声が聞こえてくる。


私が写っている写真も何枚かあった。


ビデオが流れ終わると、いよいよ卒業式のリハーサルだ。


まず入場から始まるため、3年生は1度外に出る。


吹奏楽部の演奏が始まり、先頭の人がお辞儀をして次々と入っていく。


歩いていると、後輩の姿がちらほら見えた。


席に着き、いよいよ表彰だ。


1組から順に、生徒一人一人の名前が呼ばれていく。


いよいよ、3組の番。


「神崎 怜奈」


「はい」


名前が呼ばれ、返事をして立ち上がる。


私は端で立つため、よく目立つ。


全員の名前が呼ばれ終わった。


「3組代表、神崎怜奈」


「はい」


両サイドに礼をし、壇上に上がる。


校長先生が賞状を読み上げ終え、受け渡しに移る。


緊張したが、きちんと受け取ることができた。



リハーサルは、トラブルが起こることなく無事終えた。


これで終わりだ、と思っていた時だった。


「それでは、各部活ごとの表彰をしていきたいと思います。」


ざわめいた。こんな話は聞いていなかったからだ。


「事前に、全校生徒に部活内でとても頑張っていた生徒は誰ですか?というアンケートを取りました。その集計結果を発表したいと思います」


そういえば、仮卒に入る前、そんなアンケートを書いた記憶がある。


その用紙に、3年生の中で頑張っていた人。その理由を書いてとあった。


まず、文化部から1人ずつ表彰されていく。


そして、次に運動部。いよいよバドミントン部だ。


「バドミントン部は、1人を除いて全員一致でした。その1人はもちろん本人です」


そりゃそうだ、と笑いが起こる。


でも、全員って凄いなー。流石キャプテンだな、と思っていた。私は、キャプテンの森戸の名前を書いた。1番大変な役割で、色々頑張っていたことを知っていたからだ。


「では、壇上に上がって下さい。神崎怜奈さん」


「え?」


何故、自分の名前が呼ばれたのかさっぱりだった。


私は、ひとまず壇上に上がった。


「何故、自分の名前が呼ばれたか分かりますか?」


校長先生にそう聞かれたので、


「いえ、さっぱりです。何故でしょう?」


そう言うと、校長先生は壁を指さし、


「皆さんこちらをご覧下さい。」


そう言ってスクリーンに映し出されたのは、サポーターをつけ、部活をやっている私だった。


「神崎さんが、選ばれた理由は皆ほとんど似たような理由でした。」


「神崎さんは、1年生の新人戦の時から3年生の総体までほとんど肉離れになった状態で試合に臨んでいたそうです。」


ザワザワしている。仕方ない、肉離れは1回でも大変なのに長い期間の間に何度もなっているからだ。


「最後の大会は、顧問の先生に無茶振りをされ皆が止めましたが、神崎さんはやります。と言って試合に臨みました。最後、試合が終わると同時に彼女は崩れ落ち、立てる状態ではなかった。」


「普通なら、この足では無理だ、もう棄権しよう。と思って当たり前だったのに続けたそうです。その諦めない姿を見て、皆心を動かされたそうですよ」


あの時は、自分のことしか考えていなかった。皆がこういうふうに思ってくれていたことを知り、私の目には涙が浮かんだ。


「ちなみに、肉離れは、何回くらいなりました?」


「9回くらいですかね?」


周りがどよめいた。


「1番辛かったのは、いつですか?」


「最後の大会ですね。最後の大会なのに、両足肉離れになって、本当辛かったです」


「それでも諦めずに頑張ったのを見て、部員の皆は神崎さんの名前を書いたんですね。おめでとう」


そう言って校長先生からある物を受け取った。


帰ってから確認したら、中身は3000円分の図書カードだった。


リハーサルが、無事終わり教室に戻り終礼をし、各自解散となった。


玄関へ向かい歩いていると、誰かに肩を叩かれた。


「あ、優大。どうしたん?」


「今帰り?」


「うん、特に何もないし」


「じゃあ一緒に帰ろ」


「うん」


明日の卒業式のことを話しながら私たちは帰った。


無事成功しますように…

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