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初恋  作者: rein
第3章〜高校3年生〜
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91話「バイト先で」

「怜奈帰ろー」


授業が終わり、美鈴が教室に来た。


「ごめん、今日バイトねん」


「そーなんかー、分かった。頑張って!」


「ありがとう」


私は支度をして、バイト先に向かった。


今日は人が少ないせいか、着くと皆バタバタしていた。


「あ、神崎さん。ごめん、すぐ入れる?」


「大丈夫です。準備してきます」


私はすぐ準備をし、中に入った。


今の時間帯ピーク時ではないはずなのだが、今日は雨のせいか忙しかった。


少し落ち着き、


「ごめんね、まだ時間あったのに入ってもらっちゃって」


「大丈夫ですよ、少し早くついちゃったなって思ってたところだったので」


19時を過ぎた頃、私と10個上の南さんと2人だけになってしまった。


私は南さんが少し苦手だった。


何故なら、南さんはサボり癖がありすぐどこかに行ってしまうのだ。


いつもなら他に1人か2人いるのだが、今日は私と南さんしかいない。ここで抜けられると少し不安になる。


しかし、私の予感は的中。


「ちょっと、ごみ捨て行ってくるね」


「え、でもごみ捨てはあと1時間後ですよ」


「まぁ、いいじゃない。暇だし」


そう言って出ていってしまった。


南さんはごみ捨てと言ってサボりに行く。


長い時は1時間帰ってこない時がある。


私は1人で、前陳や、品出し、揚げ物などの準備をしていた。


全部終わってしまい、暇になっていた頃、仕事を終えたサラリーマンや部活が終わった学生たちが次々とやってきた。


私は、仕事に慣れたものの、まだ1人きりで仕事をしたことがなかったため、とても不安だった。


幸い、レジに行列がつくことはなかったが、コーヒーを入れたり、注文の品を用意したりなどを1人でやりくりするのは大変だった。


そのお客さんの中に常連さんがいた。


「あれ、今日神崎さん1人なの?」


「いえ、南さんがいるんですけど今ゴミ回収で外に」


「そうなの?見かけなかったけど…」


やっぱりサボりか…


「あー、じゃあもしかしたら裏にいるのかもしれないです。」


「そうなんだね、大変だろうけど頑張って」


「はい、ありがとうございます」


流石にお客さんにあの人はサボりです。とは言えなかったため裏にいると言った。勿論嘘ではない。いつも南さんは裏でサボっているからだ。


20時前になり、ようやく落ち着いた。


私は空になった揚げ物コーナーを埋めるため、揚げている時だった。


「お願いします」


と、レジの方から声が聞こえたので、向かうと


「あれ、優大。珍しいね」


「怜奈か、1人?」


「うん、先輩1人サボりで裏にいる。もう大変だったんだよ?」


私は優大に大変だったことを話した。


「うわー、お疲れさんやな。でもようやったな?俺やったら無理やわ。1時間も1人でたくさんの人の対応するの」


「まぁね、でも今日は20時で上がりだし、もうすぐ交代の人くるからそれまで頑張る」


「そうなんか、じゃあ頑張れ」


「うん、ありがとう」


20時になり、代わりの人が来たため、私は裏に行き支度をして出た。


自転車を置いてある所に行くと、


「お疲れ」


「え、なんでおるん?帰ったんじゃなかったん?」


優大が待っていてくれた。


「帰ろうと思ってんけど、20時までもうちょっとやったし暗いから送ってこうかなって思って」


「そうなん?ありがとう」


「これ、さっき買ったし飲んで。寒いやろ」


そう言って優大がくれたのは、温かいココアだった。


「ありがとう、温かい」


私たちは話しながら帰った。


次の日、私は店長に褒められた。


いきなりで驚いたのだが、昨日来てくれた常連さんが、サボっている南さんを見つけ、私が1人で接待していたことを店長に話したらしい。


「常連さんが話してくれなかったら南さんがサボっていたことや、神崎さんが1人で頑張ってたこと知らないままだったよ。ごめんね、ありがとう。南さんにはキツく言っておいたから」


「いえ、1人は大変でしたけど良い体験が出来たと思います」


「本当、神崎さんいい子やわ。じゃあ今日もよろしくね」


私は昨日も今日も褒められ嬉しかった。


昨日以上に今日も頑張ろうと思った。

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