第5話:兄妹
「それでは、説明をしよう。」
「「はい。」」
「何から話せばいいやら…まず、君たちはなんと言う世界から来たのか教えてくれないかい?」
「僕たちが住んでいた星は、地球と呼ばれていました。」
「地球…懐かしい名前だ。」
「懐かしい?」
「一旦それは後だ。…この世界には知性ある生物にたくさんの種類がある。エルフ、ドワーフ、獣人、巨人族、魚人族、小人族など、今ここで言い切ることはできない数がいる。そのような生物は、地球にいたのかい?」
それに対して答えたのは瑞恵。
「いえ。確かに肌の色や目の色が違う人はいましたが、全て同じ人間です。また、エルフやドワーフなどは私たちの伝承や想像で伝えられています。」
「ほう。…この世界の名前はルソワルティアというが、この名前に心当たりは?」
「うーん…」
フランス語っぽいけど…たしけ、ルソワールっていう単語が夕暮れだっけ?
「あります。」
えっ?
「私の祖母は《《ルソワルティア》》の勇者でした。」
「「「えっ?」」」
「だから、私も魔法が使えます。…《マナ・フィールド》」
その瞬間、周りに何か…形容し難い何かが物理的ではない硬さで固まった気がした。
「…ふぅ、偶然とはいえ、この魔法を使ってくれてありがとう。…ミズエ。」
「え?」
「この空間は監視されていたんだ。…俺の名前は、イサム・ローベント。元の世界での名前は…時詠勇だ。」
「…」
「あの列車事故の後、なんか知らんが異世界に転生してたんだ。」
「…」
「ちなみに、ローベント家はばあちゃんの血を継いでる。」
「…」
「…久しぶりだな、ミズエ。」
「…おにぃ、ちゃん…うう、ぐずっ…ずっと、待ってたよ…ああ…予知が間違ってて…よかった…うう…!」
「お前が元気そうで良かったよ…」
あ、泣き出した…
そこにいた女と2人頷いて、しばらくそっと見守っておくことにした。
* * *
「…迷惑かけた。すまん。」
「ごめん。」
「…兄妹で話したいことはいろいろあるでしょうし、またあとで時間を作りましょうか。」
「「ありがとう」ございます。」
「…」
どうしたんだ?女の表情がなんというか…複雑?だけど。
「…続きを話そうか。」
女はこの世界のイサムの妹なんですよね…
そりゃ複雑な感情になるわけで…




