乙女ゲーム〖聖女の光〗
乙女ゲーム〖聖女の光〗
佐藤 みちるが前世でプレイしていた唯一の娯楽であり、楽しみだったゲームだ。
彼女はこのゲームをやる時だけ、現実とファンタジーを切り離し自分を解放できた。
内容はまさにテンプレートでありきたりな話。
ヒロインは、伯爵令嬢。聖女の力を持つ__
リリー・オクトマン
彼女の暮らす国で物語の舞台となる〖アルヴェイン王国〗は、世代制で聖女が必ず一人現れる。
聖女の力を持つものは、王宮に連れていかれ修行を積み__
最終的には王妃か、それに近い権力を持つものになることが約束されている。
つまり聖女は王族、もしくはそれ以上の権力を持つ王国内一の女性なのだ。
物語は、ひょんなことから彼女の聖女の力が目覚め、王宮に行く所から始まる。
攻略対象は8人と多く。王子様もしくはその弟との王道ラブストーリ、王妃ルート。
騎士団長と苦難を乗り越え結ばれる熱血ラブストーリー、レディルート。
庶民の青年と立場も違う禁断のラブストーリー、平民ルート。などなど_____。
どれも目を惹かれる胸キュンストーリばかり。
しかし、そんな彼女にもほろ苦い過去があった。
それまでは普通の町娘だったのに、私生児と言うことが判明して向かい入れられた伯爵家。
しかし3人の兄達は優しくしてくれて、父親も母と母の不倫相手の間に産まれたリリーを受け入れてくれた。
問題は、異母姉妹のオクトマン伯爵家の実子。
リナーシャ・オクトマン
リリーは愛想があり、暖かく優しい。だから周りもリナーシャよりリリーを愛すようになった。
それにリナーシャは嫉妬する。
そして陰湿な攻撃を繰り返す。
ある日、ついにリナーシャは越えては行けない一線を越えようとする。
弓使いの裏組織と交渉し、リリーの10歳の誕生パーティーで彼女を亡きものとする計画だ。
決行日当日、リリーが父親からのプレゼントを嬉しそうち受け取った瞬間。彼女に毒入りの弓矢が突き刺さる。
騒々しい会場、苦しみに歪むリリーの顔、青ざめた顔で必死にリリーの名前を呼ぶ兄達と父親。
そして__
ニヤリと笑みを浮かべる、リナーシャの顔__。
しかしそこにリリーを救う救世主が現れた。
それは、顔が青白く今にも倒れそうな謎の少女_。
リリーの怪我した場所に彼女は手を当てて、目が眩む程の光を注いだ。
そしてリリーの怪我は瞬く間に治り、周りも、リナーシャも呆気にとられた。
その少女は、去る前にこっそりリリーに語りかける。
「私は聖女です。でも、私はもうあとが少ないのです。」
「次の聖女が、貴方だったらいいのに……優しいお嬢さん。」
……と、ここまでがリリーのエピローグだ。
リナーシャはこの後、リリーの殺人未遂に加え、今まで沢山の闇組織と取引。
強盗、暴力を繰り返していたことが明らかになり、あまりの罪の重さで14歳で処刑されてしまう。
彼女の死は誰も悲しまなかった。
悪女なのだから、当然だ____。
_______________________epilogue.3 乙女ゲーム〖聖女の光〗




