世界の神
「ん、んんっ……」
私はかすれた目を擦り、金輪際開く予定のなかった目を開ける。
「どこ……ここ……」
私が寝そべっていた場所はただ何もない白い空間の……床?
私、死んだはずじゃ……
「おはようございます」
声がした隣に目をやると私の横に添い寝状態の知らない男が、そう言って笑っていたいた。
……いや、ここはツッコミを入れるべきだろう。私はすぐさま立ち上がり、その男を足で踏みつけた。
「どういうつもりだクソ男。」
淡々とした声で思いっきり彼を踏みつける。男は私の声が聞こえてないかのように、話し始めた。
「いゃぁ〜ダメじゃないのぉ〜せっかくの命を自分で投げ捨てちゃっ!」
「……どうだっていいでしょ」
全くの無責任のノンデリに私は呆れてため息を着く。
「……はぁ、もういいや。私は早く消えたいの、どっか行って。」
「冷たいなぁ〜」
男は私の言葉など響いてないかのように振る舞う。
「せっかくチャンスをあげようってんのに……」
「……は?どういうこと?」
なんだか頭の生理が着いてきて、私は初めて男の顔を見た。
白髪に緑の瞳。いかにも神様っぽい整った顔立ち。
……いや、そんなことはどうでもいい。
男の反応、これは本気だ。それってもしかして……
「ねぇ、それって転生?」
「御明答」
男は片目を閉じる。
やたら様になっているのが腹立たしい。
「何になりたい?」
「なんでもいい、ただやり直したい…!」
私は真っ直ぐな瞳でそう伝える。
何も無く無音な空間。でも、転生できるかもという希望は私の中で瞬く間に広がり続け、軽快な音楽が流れている気がした。
男は笑った、しかしその後、男は頭をかき、申し訳なさそうな顔を私に向ける。
「でもねぇ、僕は昔から人間を転生させるのが下手で下手で……」
「え、それってどのくらい……」
「間違えてカエルにさせちまったあいつ、マンボーになったあのこ、転生先の背骨になったあの人……いち……にぃ……さん…………」
私の、転生できるかも!という微かな願いは一気に消え失せた。カエルやマンボーに生まれ変わるならいっそ居なくなる方がマシだ。
「……もういいや」
「ちょっと待って!!」
男はどうやら懲りない様子で私を引き止める。
「君、幸せになりたかったんだろ?」
「生前にそう祈ったじゃないかい俺に!」
「俺、転生のさせ方は下手だけど、約束はきっかり守る!!」
…めちゃくちゃ必死だ。早口だ。何故そこまで他人のために必死になれるのだろうか不思議だ。
「幸せに……なって欲しいんだ……」
なんだか男の声は急に弱気になり、まるで落ち込んだ子犬のように私の肩を掴んだままうっぷせた。きっとその言葉は本心だ。
誰かにそんな言葉を向けられたのは初めてだった。
幸せになってほしい。
ただそれだけの言葉なのに、胸の奥が少し熱くなる。
気付けば私は口を開いていた。
「私も幸せになりたい」
こいつは今までもずっと、形は少し違えど、沢山の人を幸せにしてきたんだ。
「もしそれで本当に幸せになれるなら、やってみる価値、あるから。」
そういうと男の顔は急にぱぁぁっと明る。
……本当に子犬みたいなやつだ
そして、得意げに次の言葉を語る。
「僕は君が願った世界の神、「エクス」。君を絶対に幸せにすると誓おう!」
「……?……!!」
「あー……たとえすぐには無理でも……ね。」
男がそう言った瞬間、急に視界が眩しくなり、私の記憶はそこで途切れた。……しっかりやれよ…エクス……
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epilogue.2 世界の神




