表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

4/6

3話

皆さんこんにちは。静岡国です。今日は国際会議に出るために東京王国さんの国に来ています。

会議室への道を歩きながら、窓の外を見る。


やはり発展国は違いますね。物流はすごいし、ビルもすごいし、人もすごいし。私の国も発展はしてはいるのですが、やはり周りの国たちの影響を受けやすいので、まだまだ改善するところがたくさんあります。

改善していくためにはまず、他の国々の意見を聞いて、コミュニケーションをしっかりとって、良好な関係を築くことです!


会議室の扉の前に立ち、深呼吸を三回する。

「よし」と自分にやる気を入れ、ドアを開けようとした時…


「なーにやってんの?」


ドアを開けようとした私の手を後ろから重ね、耳元で少し笑うような声で誰かが囁いた。


「うわあああ!!」

「うぉっびっくりした」


いきなりの不意打ちにより尻もちをつき、少しでもの防衛反応により、引っ込めた手で自分の顔を隠す。ただ、手に持っていた資料はぶちまけませんでした!私えらい!!


囁いた国が尻もちをついた静岡に顔を近づけにやりと笑った。


「おめいい反応するねー。静ちゃん」

「びっくりさせないでくださいよぉ、茨城さん!!」


頭を撫でながらニヨニヨ笑っているのは関東地方の茨城国さん。ここで注意ですが、「いばらぎ」ではなく「いばらき」が正解ですからね?前に大阪さんが間違えた時に茨城さんが近くにあったボールペンをぶん投げて柱破壊した事あるんですよ。かなり怒ることがあるので注意です。いい人ですけど。


「あはは、ごめんごめん。後で、ご飯奢ってあげっから許して?」

「銀座の寿司なら可です。」

「ゴリゴリにオレの財布終わらせようとしてくるね。」


本当に無限にあるはずの寿命が縮んだ気がする。


茨城さんが手を差し出して来たので手を握ると、「ふんっ」と言いながら手を持ち上げ、軽々と私を立ち上がらせた。この()絶対筋肉ある人だ!!私がそんな事したら絶対に腕の筋肉が悲鳴をあげて救急搬送される!

手を握りながらまじまじとスーツに隠れているであろう筋肉を見つめていたら、「何見でんの、エッチ!」と身を捩らせる茨城さん。

冷めた目で見ていると、茨城さんの後ろからもっと大きな影がにゅっと出てきて、バインダーらしきものがドスッと鈍い音を立てて茨城さんの頭にクリーンヒットした。


「…お前らは扉の前で何をやってるんだ。特に茨城」

「いッてーーーー!」


うずくまっている茨城さんの後ろにいたのは、呆れたような顔をしている山梨国の化身と、こっちのことは興味なさそうに今日の資料を見ている長野国の化身だった。

きっと茨城さんの後ろの影は長野だったんだろうな。山梨は茨城さんよりも少し小さいからね。


それにしても茨城さんは大丈夫なのだろうか。「ぅ゙〜〜〜」と低い声をひねり出しながら左手で頭を撫でている。なのに、かなり痛そうな音がなっていたのに未だに手をつなぎ続けている執念はすごいですよね。すごいので握っている右手をよしよししてあげましょう。


「おほ~癒やされるー。静ちゃんほんとにあいづらとおんなじところで育ったの?」

「?はい。中部地方の国ですよ?」

「ほんとになんでこんな天使なんだろなー」

「…?山梨も天使ですよ?」

「え?」

「ん?」


今まで静かだった山梨が茨城さんの後ろから前にやってきて、よすよすしている手にバインダーチョップを無言でかましてきた。

反射的に「痛っ」と言ったが手加減はしてくれているみたいなので、そこまでは痛くない。そう、そこまで痛くない。地味に痛いだけ。地味に痛いけど何回もやんないで?山梨。普通に痛いになってくるし、このバインダーチョップもろにダメージをくらってんの私なんだよ。

でも、手は離さない!!すんごい力で握っている茨城さん!離して!ダメージ食らってんのは私なんです!あっ、これ面白がって離さないようにしてるんですね…ならこっちもそのノリに付き合いましょう!

にしても地味にいてぇ。


「お前ら手をいつまで握ってるんだ!」

「えー!だってあったかいんだもん!冬なのになぜかカイロぐらいあったかいのが悪い!」

「うふん。オレの心の暖かさが手にまで出てんだ」

「部屋の中にさっさと入れば暖房効いてるだろ!」

「そうだけど!そうじゃあないよ山梨!僕達は人の温かみに飢えてるんだ。だからこうやって繋いでいると心まであったかいんだよ!」

「静ちゃん…」

「そこで、少女漫画みたいなコントをするな!!」


キレの良いツッコみを山梨がしてくれると謎の安心感があるなぁ。やっぱり、遠慮しないでボケに徹することができるって幸せだなぁ!

茨城さんの後ろに「トゥンク」みたいな効果音が出てきたような感じがするがそれは一応無視しよう。


キャイキャイと言い合いをしているとはたまた後ろからぬっと長野が出てきて三人それぞれの頭にチョップをトンとやって一言。


「はよ入れ。邪魔だ」


「ごめんなさーい」

「あは!そいやおめもいたな!すまん、わすれてた!」

「…あぁ、すまん助かった」


でもやっぱりまとめるのは長野のほうが上手だねぇ。


_______


「だーから!何度も言いよるだろう(言ってるだろう)!?」

「はぁあ゙!?そっちにはなんにもデメリットあらへんやろ!?なにが不満やねん!!」


長野がドアを開けて一番最初に耳に入ってきた声。長野の横から見ると、徳島さんと大阪さんが何やら言い争っている様子。

「おーおーやってるなー」と呑気に言いながら自分の席へと行く茨城さん。あっ、ちょっとニヤニヤしてる。いつも通りの性格だな。


後ろにいる山梨はため息をつき、長野はうるさそうにイヤホンをつけて自分は無関係なことを示している!

これは私が止めに入ったほうがいいのかなぁ…?いやでも、関西の方での話だからなぁ…止めに入ったらきっと大阪さんに圧という圧をかけられるだろうしなぁ…。でも、きっと周りは困ってるよねぇ……みんなピリピリしてるし…

うーんうーんと悩んでいたら「静岡」と小さな声で後ろから肩を叩かれた。


「お前、あそこに入ろうとしとるだろ」

「あ、師匠」


ぬっと後ろから出てきたのは私のお隣の愛知さんでした。愛知さんは、私に昔色々と商売や、貿易などを教えていた先輩のような国です。なので私は師匠と呼んでます。

まぁ、安土桃山時代に栄えていた国ですからね。私がなんかぽけ〜と茶を飲んでいたらいつの間にか織田信長が出てきて今川君が死んでいて、今回の世界では天下統一したと思ったら、豊臣秀吉が天下統一してましたからねぇ。そんな天下の織田と豊臣は彼が教育したと師匠から聞きました。まあ、本当かどうかは知りませんですけど。

その後先輩に植民地にちょっとされたことは私覚えてます。忘れてはいません。まぁすぐに廃藩置国が起きたので植民地も私のところに帰ってきてくれたので良かったですが…


 それにしても今日はなんか人がぬっと出てきますね。今日はぬっとデイという名前にしましょう。そうしましょう。


「ナイスだ、愛知。そいつ席まで連れてってくれ」

「ん、了解」

「あー…連れて行かれる」

「頑張れ静岡」

「またねー長野ー」


師匠に手を引かれながら自分の席へと移動する。丸い机にたくさんの椅子。一番奥の席の後ろにはたくさんの国旗が刺さっている。

ちなみにこの椅子の座る所はだいたい決まっており、入口の一番近くに北海の化身さん。そこから東北地方の国、関東地方の国、中部(北陸、中央高地、東海)の国、関西地方の国、中国地方の国、四国の国、九州地方の国、そして北海さんのお隣に沖縄さんでだいたい決まってます。ただし東京さん、師匠、大阪さんは一番奥の席に座ることになってます。なんでかって?大都市圏の中心部だからですよ!!


「三重、静岡置いてくぞ」

「あっいらっしゃ~い、静岡」

「こんにちはぁ、三重さん」


椅子に座ってほのぼの挨拶を交わしたのは三重国の化身さん(男性)。私のもう片方のお隣は大阪さんなんですよねぇ!私がちょうど真ん中のせいで!!せめて師匠が良かった!だって師匠なんだもん!なんで、『愛知 東京 大阪』って言う並びなんですか!!


しかも、まだ大阪さんは徳島さんと喧嘩してるし。なんで喧嘩してるのかもわからないし!!


「あの…三重さん。あの二人ってなんで喧嘩してるんですか?」

「あの二人?あぁ、なんか徳島から和歌山に橋を繋げろって大阪が言うとるみたい」

「…和歌山さんと徳島さん?」

「そう。あの二人」

「なのに大阪さん?」

「なのに」


「なんでですか…?」

「最近は少子高齢化が進んどるやん?だから少しでも働き手がほしいんとちゃう?」

「国民が少ない国から更に国民を吸い取るんですか…!?」

「徳島に利益があるかどうかと言われたらほぼほぼないと言ってもいいよなぁ。大事な国民がいなくなるんやもん。それに和歌山にも利益がすごい出るわけでもないと思わんけどなぁ。ただ単に大阪が阿呆なのか、それか阿呆に見せかけた策士(阿呆)のどっちかなんやろなぁ」

「そこに挟まれる和歌山さんが不憫でならない」

「色々大阪に言われてる徳島も可哀想やけどな」


三重さんに今の状況を説明してもらったが、ものすごく可哀想なことだけが分かった。交通機関が整うのはいいのですが、それによって都会の方に国民が行ってしまい過疎になってしまうのがとても難しいんですよね。

三重さんと「難しいねー」「ねー」と話していたら扉が開き、全員の視線が一瞬で集まる。


入ってきたのは二人。

スーツを身にまとい、資料の紙を片手にもっている人。

そして、その前を歩いている人は、



「みんな、集まったかな?誰かいない国はいるかい?」



情報が集まる、大陸の中心。東京さんだった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ