8ー1 再臨の轟鐘
-199X年。
混沌・混迷に彩られた世紀末に、突如彼女達は現れた。
『私はただ、生きる為に戦い抜く!』
橙煇の皇女、フレイル。
『悪しきものの根源…それは、心の中にある弱さです!』
蒼惺の使徒、エペ。
『全て叩けばいいんでしょう!?容易い事よ!』
藍華の騎士、サーブル。
『みんなから見えてる物だけが……全てじゃないわ……!』
そして……遥けき恒久よりのツカイ、ナナミ。
伝説のバトルヒロインが202X年の今日、再臨!再び訪れ来た混沌の時代に、救いと恵みと命の光を照らす!
-魔法少女キューティ☆フレイル、テレビ放送25周年記念!
繚 ! 乱 !
復 ! 活 ! 祭 !!!
◆ ◆ ◆
「さあ始まりました、魔法少女キューティ☆フレイル25周年記念イベント、『繚乱復活祭』!本日司会進行を務めます、ナナミ役の浅川奈央です!宜しくお願い致しますー!あー有難うございます、凄い盛り上がりだ。有難うございますー。はーい。
このイベントは、199X年に放映されましたTVアニメ『魔法少女キューティ☆フレイル』の放送25周年を記念いたしまして、メインキャラクターを演じた声優4人が再集結!当時の思い出話やこれまで明かされて来なかったエピソードをこの日の為に特別に用意した映像をみんなで観ながら語り合おう、というものになっております。
2時間という短い時間ではございますがみなさんと楽しい時間を過ごせればと思っております、どうぞ最後までお楽しみくださいませ!
番組の途中で重大発表もありますので、是非そちらもお見逃しなくー。
またこのイベントは映像配信サービス・キレカワTVでオンライン配信されておりまーす。配信組の皆さん、見てますかー!あー有難うございます。何だか沢山の方々が見て下さっている様でコメントの流れが早いんですよ、凄いなあ。
キレカワTVっていつもはアイドルさんとかモデルさんとかの番組や配信が多いらしいんですけど、今日はね、我々声優4人でお邪魔しております。どうぞお手柔らかに!配信組の皆さんも是非是非応援コメントご参加くださいね、お待ちしておりまーす。
さ、では早速、本日の出演者の皆様………世紀末に降り立ちし伝説の魔法少女………を演じられた皆様をご紹介致します!はい!
まずは橙煇の皇女・フレイル役の、雛沢ももえさん!」
「あ、はい、あの、えーと、宜しくお願い致します。」
「………」
「えー、あ、えっとですね。まぁこうやって皆さんの前で、あっファンの皆さんの前で?前でお話しさせて頂くのは随分と久しぶりになるので、えーっと……お手柔らかにお願い致します。」
「雛沢さんはこの作品が声優デビューになるんですよね?」
「あ、はい…そうです。あと確か、浅川さんも………」
「そうなんですよぉ!このフレイルがデビューでね。16才でした。」
「私も21でした。で、あれから25年だから……えーと……」
「……………………」
「……………………」
「……………………」
「やめましょうか」
「やめとこう、ごめん」
「こうやってお目にかかるのも久しぶりですけど、どうでしょう、近況などは。」
「そうですねえ。相変わらず独身で。」
「はい。」
「あんま皆さんのお目に触れる様な、ご紹介出来る様な仕事もなく。」
「……はい。」
「まぁコンビニでバイトなんかしながらね……」
「…………はい。」
「どうにか……本当にどうにか、生きて………」
「……………………はい…。」
「今日は本当に久しぶりのお仕事なので、まあこれでどうにか生活も楽に….」
「はい!宜しくお願いしまーす!続いては蒼惺の使徒・エペ役の、阿松幸子さん!」
「はーい、魔法ぉ、少女ぉ、キューティーー、フレイルー…の、エペ役を演じました、こす………」
「?」
「あ、いけなぁい。阿松幸子ですぅ。宜しくお願い致しますう。」
「ど、どうされました?大丈夫ですか?」
「すいませぇん。うっかり、今の苗字言っちゃうとこでしたぁ。」
「ああ、そっかそっか。ご結婚されてて、って事ですもんね。」
「はぁい。今は……小菅、ですぅ。」
「えっ、言っちゃっていいんですか?」
「あは……まぁ、大丈夫ですう。」
「そうですか。はい、阿松さんはフレイルの放送から2年後、結婚を機に引退。その後は主婦業をされてまして、このイベントが何と25年ぶりのメディア出演になるそうです。」
「いやぁ…本当、ありがとうございますぅ。みんな、ただいま!」
「今回このイベントの事前アンケートやコメントにも、阿松さんへの応援の声が凄く多くてですね、皆さん会えるのを凄く楽しみにしてらしたんですよ!」
「うわあ、嬉しい。感激ですう。ホントホント、感謝ですう。」
「いやホント、みんな待ってたんですよ!」
「ありがとうね!わたしね、引退してから25年の間、ずーっとファンの皆さんの事を想ってたのね。みんなどうしてるかなー、元気かなーって。みんな、私の事、覚えてくれてるーー?」
「ええ、ええ。」
「嬉しいーーーー!あのね、今日はもうこの25年の間にあった色々な事をお話ししたいし、みんなも同じだけの時間を経由してどんな素敵な大人になったのかをじっくり知りた……」
「はいそうですね、その辺りはのちほどゆっくりお話を伺いますので!宜しくお願いしますね。」
「それからね、えーと……」
「……続いては!こちらもお目にかかるのは久しぶりですね!藍華の騎士・サーブル役の、赤波真麻さんです!」
「宜しくお願い致します。」
「はいー。赤波さんも……みんなと会うのは?」
「そうですね。それこそ、この作品の収録以来かも。」
「って事はまあ……20年以上ぶりって事ですかね?」
「そうですね。最近、アニメ関係の仕事から遠ざかっていたもので。」
「ああ、そうなんですか。最近はやっぱり…お芝居の方で?」
「はい。今はやはり、ステージこそが自分の居場所だと思っていますので。」
「ですよねー。ご活躍は伺ってますよー。」
「ありがとうございます。」
「今日はね、当時の事を思い出しながら色んなお話を伺いたいと思っています。」
「当時の事……です…か…………」
「はい。ファンの皆さんからも、これまた赤波さんにすごく沢山エールが来てるんですよ!やっぱりみんな、声優・赤波真麻を待ち望んでいたんですよね!」
「声…優…………」
「……はい。」
「……ろすぞ……」
「…………?」
「……であたしが……とこに……なきゃなんないんだよ…ざけ………」
「赤波さん?」
「っだから……たしは…………じょゆう………はこんな………」
「はい!宜しくお願いしまーーーーーす!」
「………はい、お願い致します。」




