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太陽のカケラ  作者: のえる
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後継の妻5

「でも、フールンがどこにいるか知りたい?・・・・・・


教えてあげても良いけど


それから会わせて上げても良いけど?」


フフの口角が三日月に上がる。


ケルレンはそれを見て初めて背筋がゾクッと寒くなるのを感じた。


今までフフの事を訳の分からない、


でも、ちょっと頭のふわふわしてそうな


ただの周りをちょろちょろとしているだけの


物事を深く考えない子どもだと思っていたのに


この感覚はなんなのだろうか?




狼の群れに囲まれたような


矢の雨の中を走っているような


ハンガイ族長の鋭い視線の前に立たされているような




いや、そのどれでもなかった。






「・・・・・フールンは、ハンガイ族で傷を治してるんでしょう?


重体だったんだから・・・・・何処にいるかなんてハンガイ族に


決まっています。・・・・・私がハンガイ族に戻れるわけが無い


だから会えないでしょう?」


適当な事を言ってからかっているのだろうかと


少し冷静になって言葉を直しながら


ケルレンはフフを怪訝な目で見つめた。






「ああ・・・・・そうそう、船は一つずらした方が良いよ


ケルレンだけさ、僕と巫子様も残ったげるからいちよう身の安全は


大丈夫だよ。」


「・・・・・・私は側妃になる身で、取引してて


自由には動けない身なんですよ?そんなことは出来るわけが無い」


フフは、やや困惑気味になったケルレンににんまりと笑いかけ


『だいじょうぶ・・・・・だってしょうがないじゃないか


ねえ?・・・・君、お腹痛いでしょう』


と言ってそっとケルレンのお腹に触れた。


戦士として鍛えているのに常に回りに警戒しているのに


ゆっくりと十分に防げる速さだったのに


あまりに無防備にお腹に触れられたのにケルレンは驚いた。




『頭も貧血気味でフラフラするでしょ?


胸もジクジク痛いでしょ・・・・・じゃあ休まなきゃ』


次々に頭、胸と触られるのを何故かケルレンはぼぅっと見ていた。




「でも、私は、するべきことをしなくては


レンヤンを守らなければならないし


ティルやセレンゲも守らなければならないし


側妃にならなければ」


首を振ってぼんやりしかけていた意識を取り戻す。




「体が未熟なままだからにしても


なかなか強い意志だね?あれだけ体、弱らせて


心も弱らせたのにね」


あれ?


と言う顔でフフがケルレンの顔を覗き込むが


実際、身も心も疲れ切っていると言っても過言ではない


ケルレンの顔は瞳だけは強いものの顔色は青白く


頬も少し痩せていた。




ケルレンはフフの言葉に引っかかりを覚えたが


深く考えるのにも少し疲れていた。


離れた所にレンヤンと居たティルが


柱の影のケルレンのフフの様子を見て怒った顔で


レンヤンを抱えたままやって来るのが瞳の端に映った。




クスクス無邪気に笑ってフフがケルレンの顎に手を掛ける


「君って可愛いね~君といい、フールンといい


とっても僕の好みだよ


そうそう、いつだったけ?大きな木のところで君と


フールンと仲良く座って話してたよね~久しぶりで嬉しかった?」


驚きで瞳を見開くケルレンの(唇は防御された為にその)指に


口付けを落としてフフは去っていった。






「ケルレン様大丈夫ですか?


何なんですかあれは!!」


去っていったフフから奪い返すかのように


勢いよくケルレンの肩を抱きかかえてティルはフフの後姿を睨み付ける。


レンヤンも良く分からないながらに


心配そうに見上げてケルレンに引っ付いた。




「・・・・う・・・・・・何だか・・気分悪・・・・。」


ケルレンはティルに支えられながら


突如襲ってきた吐き気に口元を押さえてへたり込んでしまった。




(どうしてフフが協議会の時に大木の所で


フールンに逢った事を知っている?)



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