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お弁当つけて、どこ行くの?  作者: kyon²


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9/15

ユミ、説教(?)する

皆さん、先日は撮影、お疲れ様でした。

参加いただけました皆様に、お礼もうし上げます。

撮影日に都合の付かなかった方は、録画を再生しながら、ご自分のアバターで、ご自分のパートを演技してください。その後、録画をチェック致しまして、不具合がなければ、そのままgoとさせて頂きます。そういうことがムリな方は、ご連絡いただければ、相談しようと存じます。

 なお、添付いたしましたPDFファイルにて、第2話のシナリオをお知らせします。

撮影日は、追ってお知らせ致します。

では、次回も、どうぞよろしくお願い致します。    ユミ


 グループの連絡網を使って、ユミからスマホに送られてきた。

 康祐の部屋に、三人が集まった。

「こんな風に、連絡したけど、どうかなぁ?」。二人の顔を見ながら、ユミが言った。

「うん。いいと思うよ」と、タカマサ。

 康祐とタカマサは、机の両端で。ユミはソファに座り、膝に置いたPCで、それぞれ担当の作業を始めた。

「この前、薫子さんに会ったよ」と、ユミ。

「……」。康祐は、黙って作業を続けている。

 そんな康祐を横目で見て、タカマサが

「薫子さんて?」

「この近くに住んでいる、私たちのイッコ上の先輩」

「ふ~ん」

「すっごい綺麗な人で、すっごい頭よくて、こーちゃんなんか、その人の前に出ると、何も言葉が出なくて、モジモジしてるばっかりなの」

「ふっ」とタカマサが、声に出さずに笑った。

「こーちゃんの初恋の人」

「オマエなぁ。そういうプライバシーを、ベラベラと」

「プライバシーなんかじゃないよ。みんな、知ってるもん」

「みんなって、誰だよ」

「この辺の人、みんなよ」

「オマエ、よくも俺のプライバシーを、」

「私は何も言ってないわよ」

「じゃあ何で、みんな知ってるんだよ」

「私は、杏奈あんなちゃんに、ちょっとだけ話しただけ」

「拡声器もたせて、この商店街を歩かせたみたいなもんじゃないか!」

かび臭い言い回しするのねぇ。……」。あきれたように、ユミが言う。

「『SNSで、拡散したようなもんだ』くらい言えないの?」

「余計なお世話だ」

「図書館にこもってばかりいるから、そんな風になっちゃうのよ」

「だから。……」

「『俺の勝手だろ』でしょ」

「ふん!」

「薫子さん、アメリカに行っちゃうかもよ」

「えっ」

「第一、もうこの町にはいないし。……」

「そうなのか?」

「こーちゃんは、完全にフラれたの。諦めなさい」

「……」

「もしかして。まだ、……?」

「ユミには、関係ないだろ。……」

「ちょっと。二人とも、手を止めて」。ユミが言った。

「ん?」というように、タカマサも振り向く。

「私が、今から、ちょっと講義してあげるから」

「講義?」と、ポカンとした顔の康祐。

「いいから。ゴーグル付けて、タカマサ君が作ってくれた作戦会議室に集合」

「……」

「……」

「いい?」と、ユミ。

「酒、アルコールは、『もう俺は、恋愛しないな』っていう時まで、飲んじゃダメ。いい?」

「……。理由は?」

「私の言うことはホントだから、疑問は持たなくていいの。でも、今回は特別に、答えてあげる」

「……」

「日本人はね、アセトアルデヒドの分解酵素を、持っている人が少ないの。アセトアルデヒドを持ってない人が、お酒を飲むと、歯周病になる危険性が、とても高いの」

「ふ~ん。……」

「よく、日本に来た欧米人が、『日本人の口は、死ぬほど臭い』って言うでしょ?」

「そうなんだ」

「そう。もうそれで、証明終わり。いい?」

「はい」

「はい」

「タバコは、一生、吸わなくてよろしい」

「はい」

「はい」

「よろしい。もうそれだけで、毎日お風呂に入って、清潔な物、着てれば、少なくても同年代の男性よりは、かなり有利だから」

「有利?」

「何が?」

「あんたたち、何を聞いてるの。『ユミの恋愛講座』だって、言ってるでしょ」

「ん?」

「そうだっけ?」とタカマサ。

「次!」。テキパキと進めるユミ

「それはいいけど」

「ん?」

「なんで、VRの中なの?」と、康祐。

「ここの方が、なんか、ものが言い易いのよね」

「へぇ~」

「それは、あるかもしれないね」。タカマサだ。

「いいかな。次、いくよ」

「……」

「手近な相手で、済まそうとしないこと」

「ん?」

「男子は、だいたい物臭ものぐさなんだよね」

「……」

普段ふだん目にする、対象になり得る女性に、恋心を持ち易いの」

「……」

「心当たりあるでしょ!」と、ユミ。

「……」

「そういうのは、四~五回恋愛を経験して、一度くらいは『この人に巡り合う為に、俺は生まれてきたんだ』と言えるくらい人を、好きになった後でいいの。もう、他の誰かを好きになることは、一生無いだろうって思えるくらいの経験をした後でいいの」

「ふ~ん」

「でも、まず、1回目の恋愛が始まらないと、話にならないんじゃない?」と、タカマサ。

「だから、今、こうして、講義してるんじゃない」

「はい」

「……」

「大体あんた達は、恋愛は告白から始まると、思い違いしてるの」

「ふ~ん」

「どうやって始まるの?」。康祐だ。

「それは、ケースバイケース。人それぞれ」

「答えになってないじゃん」と、康祐。

「慌てないの」。ピシッと、ユミが制する。

「例えば、こーちゃんなら、学校に行けば、何人かは顔見知りぐらいの女性はいるでしょ」

「それは、まぁ。……」

「陶器店の交際つきあいがある飲食店や、各地の陶器店でも、顔見知りぐらいできるでしょ?」

「うん」

「『お茶、飲みませんか?』でも、『ライブ、行きませんか?』でも、『東京に来た時には、なんなりとお申しつけ下さい』でも、なんでもいいの」

「ふ~ん」

「同性の、友達を作るくらいのノリでいいの」

「……」

「てか、その位のノリの方がいいの」

「うんうん」。分かったようなタカマサ。

「そういうのを何回か重ねて、恋愛に発展しそうかどうか、だいたい感じるでしょ」

「なるほど」と、康祐。

「まだ、早い」

「うっ。……」

「まぁ、女子の方にも、問題あるっちゃ、あるんだけど」

「ん?」

「恋愛は、告白されてから始まると思ってる子も、いるにはいるからね」

「そうなの?」

「白馬に乗った王子様が現れて、自分の前に片膝ついて、赤いバラを差し出しながら、告白することを夢みてる子もいるの」

「ふ~ん。……」

「でもね、それは、ず、ぇ~~~ったいに」

「ん?」

「あんた達みたいな男子じゃないの!」

「ケッ」と、康祐。

「仮に、そういう子に向かって、コクったと想像してみなさい」

「う~ん。……」

「コクったあなたは、彼女の夢をブチ壊した、悪魔のような人」

「うっ。……」

「当然でしょ?」

「……」

「それで恋が始まると思うんなら、どうぞご自由に」

「……」

「私の路線の方が、現実的だし、不必要に傷つかないで済むし」

「……。たしかに、……」

「特別に、無料講座よ。感謝してとは言わないけど、覚えておいて損はないわ」

「は~い」。二人の声が、揃った。

「ところで」と、タカマサ。

「ん?」

「ユミちゃんて、恋愛経験、豊富なの?」

「プッ」。康祐が、噴き出しそうになっている。

 康祐に、ケリを入れるマネをして、

「私はね、伊達ダテに映画制作者を目指してるんじゃないの」

「へっ」

「人間洞察には、これでも自信があるの」

「ふ~ん」

「それに、」

「ん?」

「同年代で、男子と女子が、恋愛を語らせたら」

「うん」

「男子は、到底、女子に遠く及ばないわ」

「……。そんな、もの、かなぁ。……」

「間違いないわ。折り紙つきの、保証つきよ」

 ユミだって、黴臭いじゃないか。康祐は思ったが、黙っていた。

「だいたい、折り紙の意味、知ってて言ってるのかよ」

「ん?」とユミ。

「何か、言った。こーちゃん?」

「いや、むにゅむにゅ。……」

「もう一つ、質問」と、タカマサ。

「どうぞ」

「お酒を飲んでいて、気持ちがほぐれて、心が通じ合ったっていうことも、多いんじゃない?」

「そうね」

「そういうのは、どうなの?」

「私の独断と偏見だけど、そういう相手とは、恋愛しなくてよろしい」

「ふ~ん。……」

「なんで、俺達の恋愛を、ユミに拘束されなくちゃならないんだ?」

「その理由は」

「うん」

「言ってもまだ、君たちには、分からないかもしれない」

「ふん」と、康祐。

「恋と愛の違いも、分からないでしょ?」

「……。それは、……」

「私の見解では、」

「……」

「究極的には、恋は一種類だけど、」

「……」

「愛には、色々あるの」

「あぁ。……」

「なるほど」

「まずは、どっちも、深~~~く、経験してみることね」

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