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美少女がいないラブコメ  作者: トロマン
始まりの予感
5/8

信心深き子羊の受難


「せ〜んぱい」


あ、後輩だ!あ、ブスだ!?




神は死んだと、19世紀の偉大なる哲学者ニーチェと俺は言った。

前者は、人間を神から解放するため。後者は、神に見放されたため。

たしかに、最近の人々は総じて信仰心が薄い。だが、だからといって、ここに信心深き神の迷える子羊がいるにもかかわらず、それを見捨てるなど、たとえ神であっても許されるのだろうか。

初詣の時だけでなく毎朝神社に参り、寝る前にはいつも主に祈りを捧げ、一日に三回以上メッカの方角に座礼する俺を、なぜ神々はお見捨てになるのか。

あれ、そういえば…………はっ!?仏様に対する祈りが足りなかったからですね、神々よ!

日本国民たるもの、仏教だけは忘れてはいけませんね!わかりました、今すぐに我が家の宗派を確認し、その本山にて修行してまいります。あ、そうですね。金色のお菓子ももちろん持っていきます。尊い坊様方の生活は豊かであるべきですものね(ゲス顔)


「あの、先輩、なんで黙ってるんですか?コミュ障なんですか?女の子の前じゃ口も開けないんですか?もしかして、私に気があるんですか?うわ、ごめんなさい。私、先輩みたいな陰キャに興味無いんで、勘違いさせちゃったならすいません〜」


まあ、寡黙でクールだから陰キャという表現も間違ってはいない。そこは許してやる。だが、お前に気があると思われることは死んでも嫌だ。

こいつの顔を見てみよう。目はクリクリしていてどことない小動物感がある。鼻は通っている方だろう。ここまでは後輩キャラとしては及第点だ。けどな、こいつの口、見てみろよ。分厚い。とにかく分厚い。なぜか純粋な黒人並みに分厚い唇をしている。

お前さあ、後輩キャラにとって最も重要なのが唇だろ!そこから出てくる言葉で俺を翻弄してくれるんじゃないのか!その唇を尖らせて、俺の無様な様子を嘲ってくれるんじゃなかったのか!俺の唇を、頬を染めて奪うんじゃなかったのか!


「てか先輩、なんで豆腐食ってるんですか。頭おかしくなっちゃたんですか?私に振られたからってそう落ち込まないでくださいよ。ほら、私の胸で思いっきり泣くといいですよ。あ、もしかしてまた勘違いしちゃいます?いいですよ、私に溺れて〜、どんどん貢いじゃって〜、堕ちちゃっても。私は楽に暮らせて、先輩もうれしい、これってWin-Winな関係じゃないですか」


どうして、あざとい系後輩ムーブをするんだい?君はブスじゃないか。

想像してもらいたいのだが、ブスに煽られて興奮する馬鹿はいるだろうか。いるなら、多分そいつはありえないほどののブスか、下に見ていた人間に敗北することに興奮を覚える変態さんだ。

そもそも、あざとくて許されるのは美少女だからじゃないかい?僕は君に殺意しか覚えないよ。


「まあ冗談は置いといて、まじでなんで豆腐なんですか?自分は人とは違うアピールですか?そうやって他の人がやらないことをやって構って欲しいんですか。もしかして中二の病なんですか?そういうの本当にダサいんで。女の子にモテないですよ、せ〜んぱい♡ 」


なにこいつ、そんなに殺されたいのか。よしわかった、今すぐ楽にしてやるからな。

愛用の豆腐カッターを持ち、俺は立ち上がる。


「あ、先輩、逃げちゃダメです。せっかく女の子と喋れるチャンスなのに、それをみすみす逃すことになりますよ。こんな可愛い子とおしゃべりできるなんて、先輩の人生ではもう二度とないかもしれないんですよ!せっかく、一生の思い出になる経験をさせてあげるっていうのに、これだから童貞は、です」


自分のこと、可愛いと思ってたんだね。そこにビックリしちゃったよ。

あとテメェ!たしかに俺はまだ童貞だが、そんなもん、美少女がいたらすぐにでも捨てれるんだよ!いくらテメェが誰にでもまた開きそうな中途半端な顔してるからって、言って良いことと悪いことがあるだろうが、アァン!!

こいつの顔見るのも辛いし、豆腐も食い終わったし、もう帰ろ。

教室で、近藤とNTRビデオレターの撮影場所当てクイズしてる方がまだマシだ。


「ちょっと、先輩、待ってくださいってば〜!揶揄ったのは悪かったですって。帰らないでもいいじゃないですか〜!」


さらばだ、我が愛しの屋上。ブスとの遭遇イベントが無いならまた来るぞ。





屋上を追われた俺は、天界を追われた天使さながら堕天し、近藤と共に未開拓の地を冒険するのであった。

「この作品は媚薬ものでな〜」

「この作品は催眠もの」

「これはマネージャーもの」

「これはたしか、ヤリサーものだったかな〜」


なんかのレベルが上がった気がする。










いろはす〜。

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