健康的な食生活を紹介するね!
食事の時間ほど胸躍るものはない。
弁当ならば、その定められた空間に広がる小宇宙を。
学食ならば、おばちゃんの気分によって変わる、その独裁的な味を。
様々な選択肢の中から、この俺が選んだ食事。青春を共にすると決めた相棒。
誰もが愛しているが、学校で食べようなどと考える者はいまだかつていなかっただろう。
美しく、何者にも穢されない、聖なる純白。
洗練された直線型のフォルムと、ありえないほどの瑞々しさ。
そして、口に入れた瞬間にほどける、雪のような口どけ。
これ以上語るまでもない。分からないものはいないだろう。
日本が誇る、最終兵器。
Tofu
正直、学校で食べるような物じゃないとは分かっている
だが、
「歩〜、一緒にご飯食べよ!」
と言ってきた幼馴染(落第点)が持っていたそれを見た瞬間、俺の中で何かが外れた。
だってあいつ、ピザ持ってきてんだぜ。頭おかしいだろ?
別にコンビニとかで買ったもの食うんだったら全然わかるよ。みんなやってるし。
でもさ、ちゃんとしたピザ屋でテイクアウトしたアメリカンな大きさのピザ持ってこられてもさ、それで一緒に食べようなんて言われてもさ、こっちとしては引くしかないわけよ。
常識から逸脱したい年頃だろうから、別に普通の相手だったら許してやるよ。けどね、あなた、ブスだけど女じゃなかったっけ?それも、幼馴染属性を持っておられるのではなかったですか?
それだったら、弁当かなんか作ってくださるものじゃないんですかね?てか作りたいだろうがオラッ!
そういう天然キャラはよお〜、美少女にしか許されないだろうが!!
美少女がやるからこそ微笑ましいのであって、お前みたいなブスがやっても痛々しいだけだぞ。
というわけで、俺は豆腐を食べることにした。まあ、そういえば俺、超絶イケメンだから。何やっても許されるんだよね〜。
「歩〜、ご飯の時間だよ!」
幼馴染さんは、今日も今日とて、俺と一緒に飯を食おうとする。てかご飯の時間ってなんだよ。お前のペットじゃねえんですけど。
今日あいつが持ってきたのは、チキンナゲット30ピースと、ポテトXLだ。
なぜハンバーガーがないのか、15ピースではダメなのか、これだけ油を摂取して自分から死んでくれるつもりなのか。
疑問に思うことはたくさんあるが、とりあえずこいつと関わりたくないので、ちゃっかりすでに外に出ていたりする。
「あれ?歩どこいったの?一緒にご飯食べたかったのに〜……………………私以外の女のとこだったら許さない(ボソッ)」」
なんか、あいつヤンデレ化してない?ブスのヤンデレとかさ、ただの悪質なストーカーだからな。どんな悪い冗談だよ。
ま、あいつに限ってそんなことないよな。うん。きっと空耳だ。うん。うんうんうんうん。うんうんうん。
屋上に来たナウ。
主人公補正で、俺以外に人はいない。
公の場で一人だけになるとなんか興奮してくるものだが、そういうギャップ萌えをブスどもに見せるわけにはいかないので、普通にパックを開けて、水を切って、皿に出して、飯にする。
お、今日は結構きれいに盛りついたじゃないか。形が崩れないなんて奇跡だな。神様に感謝。
「あれ、先輩、こんなところでなにしてるんですか?」
神は死んだ。
神「えッ!?」




