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狂った世界を破壊する革命の狼煙  作者: kanaria
第2章 地下の国

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16/20

16.俺のスキル

 2人きりになるとマリーは急に口を尖らせる。

 気にしないと言っていたが、本当は俺がバディなのが不服のようだ。


「あんた、武器は何?」


「ナイフと、少し剣を使ったことがある程度だ」


 特に剣は騎士を目指せないと分かってすぐに売ってしまった。ナイフの扱いも得意とは言い難いだろう。


「はあ? それで良く遊撃部隊に来たわね」


 遊撃部隊に誇りを持っているのか、マリーが鼻に皺を寄せる。

 リンダールの言っていたことも鑑みると、この遊撃部隊は扱いにくいが戦闘能力の高い人財が揃っているらしい。マリーも相当腕に自信があるように見える。


「闇落ちするくらい地上の人間を憎んだせいかな」


「そう、闇落ちは中々居ないもんね。仕方がないか……」


 何かを諦めたようにマリーはそう呟くと、勢いよく椅子から立ち上がった。その動きが猫のようで思わず見惚れてしまう。

 アランの剣技も凄いと思ったが、マリーも強そうだ。ここで一番弱いのは間違いなく俺だろう。


「行くわよ。ついてきて」


「どこに?」


 ここに来てからリンダールの後ろを歩いていただけで場所も良く分かっていない。

 下手な場所に連れ出されたら戻ってこれないだろう。


「はぁ? スキルと魔力を見に行くに決まってるじゃない。そうしないと武器も選べないでしょう」


 呆れたように言うマリーはもう予定を決めているようだ。

 リンダールに言われていた通りの流れになりそうで安心する。


 スキルなんて知る機会はなかったし、闇属性の発現というのも気になる。闇の魔力というのもどういったものか知りたかった。


「分かった。頼む」


 ここは俺の慣れ親しんだ下街じゃない。

 まだ魔族の国だということが受け入れ難いが、しばらく居れば慣れるはずだ。どうして連れてこられたのか良く分からないが、役に立つと思われているのだろう。


 俺の目的に反しないのであればこちらも利用させてもらうまでだ。


 俺が頷くと、大きな態度が目に余ったのかマリーは肩をすくめてから歩き出す。その足取りに迷いはなかった。


「ここがスキルや魔力を調べる部屋よ。軍部の所属なら誰でも利用できるわ」


「誰でも?」


「ええ、誰でも。一般市民も専用の場所へ行けば見れるもの。自分のスキルや魔力を知らない人なんて居ないわ」


「へぇ……」


 教会の独壇場になっていた地上とは大違いだ。

 だから近年、魔族に人が敗北しているのだろうか。やはり教会はろくなことをしない。


 俺は中央に進んで玉に手を翳す。

 魔力測定は小さい頃にやったことがあるので、聞かなくてもどうすれば良いか分かった。辺りに人もいないので、盗み見られる心配もない。


「闇魔法の親和性が特級……。魔力も特大なんて初めて見た! あんた、魔法特化だったの!?」


「いや、昔は火と水の親和性が下位。魔力量も中程度だったよ。闇落ちって凄いんだな」


 まさかこれ程魔法に関して強化されていると思わなかった。全て闇落ちの影響なら闇落ちとは人を人外レベルに強くするのかもしれない。


 リンダールが強いのもその影響か?

 あいつが闇落ちなのか生まれつきなのかは分からないが、地上に生まれた闇属性は地下の闇属性持ちより強い可能性がある。


 気になることは多いが、適正だけあっても使いこなせなければ意味がない。

 今の俺は赤子と同じくらい闇魔法について知らない。このままでは宝の持ち腐れになってしまう。せめてどんな使い方ができるのかだけでも早めに知っておきたい。


 だが、俺の魔法やスキルにマリーの方が興味津々のようだ。


「水も親和性が中位じゃない。これは闇落ちと関係ないでしょ? あんたが前に測った宝珠、壊れてたんじゃない?」


「そうかもな」


 もしくは細工されていたか。

 教会の宝珠を使って測定したのだから何があってもおかしくない。もし、測定した時に水の親和性が中位だったら騎士を目指していただろう。


 どこまでも平民を差別する教会に舌打ちをする。

 父も親和性が上位だったが、もしかしたらもっと強かったのかもしれない。だから騎士団であの年まで生き残れた可能性がある。


「それより、どうしてスキルの欄が文字化け……。いや、塗りつぶされてるんだ? お金か特殊なスキルが必要なのか?」


「そんなことはないはずなんだけど……」


 じっと、宝珠を見るマリーは首をかしげる。

 スキルという欄は見えるのに書いてあることが分からないのは初めてのことのようだ。


「分からないなら良い」


 俺は元々地下に居た人間じゃない。

 測れないこともあるのかもしれない。


「地上と地下で宝珠は変わらないはずなのに……」


 マリーが俺に変わって手を翳すと魔力だけでなくスキルも映し出される。

 俺にしっかり見せなくないのか、一瞬だけ翳してすぐに消してしまった。


「ちゃんと見えるわね」


「……そうだな」


 まだ信用されていないのか、秘密主義なのか分からない。

 だが、俺ばかりが見せるというのも何だか釈然としない。俺のスキルが見えなかったのはある意味良かったのかもしれない。


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