表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
2/3

弐『ギヤ』

※『歯車』のオマージュのような何か

※偶数段は人工知能の推測を活用しています

一、

僕はある知り人の葬儀祭式につらなるために鞄を一つ下げたまま、東海道のある停車場へその奥の避暑地から自動車を飛ばした。


二、

そこで僕は一人の女に出会った。その時彼女は僕の傍に坐って僕に向って自分の経歴を話した。僕は彼女の話した事のうちで、特に彼女の職業について注意して聞いた。

「私は何でも屋ですわ」と彼女は云った。

「何でも屋?」と僕は聞き返した。

「ええ。そうですわ。何だかこう、一通りでない事をみんなやるんです」

「そりゃ御苦労でしょうね」

「いえ、それほどでもありませんわ。私なんか楽な方ですもの」

「だって、あなたは――」と言いかけたが、僕は黙ってしまった。


三、

(この女はよくよく注意しなければならないな)

僕は得体のしれぬ女の妙な所作に警戒した。だが、それと同時に脳裏に稲妻が走ったような心地がした。

長く錆び付いたままのギヤが徐に回り出す様だった。


四、

僕は彼女が何をしているのかよく分らなかった。すると彼女もしばらく口をつぐんでいた。それから急に笑い出して、「まあ、いいじゃありませんか」と云いながら、自分の前にある皿の上のものを指した。見るとそれは生牡蠣であった。

この時、僕は自分の席を立ってこの女と一緒になった。そしてこの女は間もなく僕の妻になった。

僕は新婚旅行として京都に行った。京都には三日ほど滞在した。その三日目の晩、僕ら夫婦は夜遅くまで起きていた。


五、

閨の中での睦言は、筆舌を尽くすに及ばない。読者諸氏の想像に任せる。

いやはや歯溝も歯幅も違うギヤでも、組合せ次第で不思議と噛合うものである。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ