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参『南国』

※『雪国』のオマージュのような何か

※偶数段は人工知能の推測を活用しています

一、

国境の長いトンネルを抜けると、ハワイであった。椰子の木が微かに揺らいだ。


二、

やがて車はホノルルの市街地に入り、ホテルの前で停まった。フロントで鍵を受け取り、部屋に入ると、ベッドの上には白い封筒が置かれていた。封を切ると、中から一枚の写真が出てきた。写真には、どこかの浜辺の風景が写っていた。

波打ち際に、二人の男が立っていた。一人は私だ。もう一人は誰だろう? 私は写真を裏返してみた。そこには走り書きの文字があった。「もうすぐ逢える」


三、

私は待った。窓の外は時雨れていた。雨垂れが硝子を打ち付ける音は、仕事漬けで酸欠の脳に心地よかった。

だが、その日は誰も訪ねてこないまま、徒に時間が流れた。そして徒々しい誰かの思惑に乗せられただけだったのだと知った。正しく徒労だった。


四、

次の日も雨だった。昨夜遅くに降ったらしいが、今朝になってみたらまた止んでいた。私は午前中いっぱいかけて部屋の掃除をした。ベッドメイクをし直し、バスルームの水垢を落とし、窓枠まで磨き上げた。それからプールサイドへ出てコーヒーを飲みながら本を読んだ。一冊読み終えて時計を見ると、午後二時になろうとしていた。そろそろ昼食の時間である。


五、

フロントからチェックアウトの時間を知らせる電話が入った。結局、写真も走り書きも謎のままだった。支配人から清掃員まで誰にも心当たり無かった。

車は来た道を辿るようにひた走りに走った。やがて車窓は再びナトリウムランプのオレンジに支配された。

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