第2話 文芸部の一日が、情報量多すぎる
# 文芸部の一日が、情報量多すぎる
授業終了のチャイムが鳴った瞬間、俺は鞄を掴んで立ち上がっていた。
隣の席の壮介が目を丸くしている。
「陽翔、お前最近帰るの早くない?」
「部活」
「は? 部活? お前サッカー辞めたじゃん」
「文芸部」
「ぶんげい」
壮介の目が点になった。口がぽかんと開いている。処理落ちしている顔だ。
「文字で芸をするやつ?」
「それ昨日も言ったか? 言ってないな。とにかく書くやつ」
「お前が? 書くの?」
「書くらしい」
「何を?」
「カレーうどんのエッセイ」
「……意味がわからん」
「俺もわからん。じゃあな」
壮介が何か言いたそうにしていたが、構っている暇はない。昨日、凛先輩から「遅い」と言われたのが地味に効いている。二日目で遅刻したら何を言われるかわからない。あの先輩は淡々と致命傷を与えてくるタイプだ。
渡り廊下を抜けて旧校舎に入る。昨日は霧島先生に腕を掴まれて連行されたこの道を、今日は自分の足で歩いている。その違いに少し驚いた。昨日と同じ階段。昨日と同じ廊下。昨日と同じ引き戸。
スライドさせた。
万年筆のカリカリという音が耳に入ってきた。
詩織さんがちゃぶ台でいつもの位置に座っている。いつもの、って、昨日見ただけなのに。でももう「いつもの」という感じがする。黒髪のロングが背中に流れていて、万年筆がリズムよく原稿用紙の上を走っている。
凛先輩はソファで文庫本。革の表紙が日に焼けた古い本を、指一本でページをめくっている。
そして霧島先生が——起きている。デスクで赤ペンを走らせている。生徒の課題に添削を入れているようだ。起きてる。顧問が起きてる。昨日は三秒で寝落ちした人が、今日は仕事をしている。
「お疲れ様です」
「お帰りなさい」
詩織さんが顔を上げずに言った。
「ここは俺の家ですか」
「凛先輩もそうおっしゃいます。"ただいま"と言って入ってこられるので」
「先輩が言ったら成立しちゃうんですね」
凛先輩がソファから声を飛ばしてきた。
「遅い。もう始まってる」
「何が始まってるんですか」
「日常が」
「抽象的すぎません?」
霧島先生が赤ペンを止めずに言う。
「早く座れ。お前の席はちゃぶ台の南側だ」
「いつ席が決まったんですか」
「昨日千歳が決めた」
「え」
詩織さんがにっこり笑った。
「朝倉くんは南側が似合うと思いまして」
「席に似合うとかあります?」
「あります。南側は窓から光が入る位置なので、表情が観察しやすいんです」
「観察」
「取材上の都合です」
「やっぱりそういうことですか」
南側に座った。ちゃぶ台の木目が手の下にある。昨日もここに座って仮入部届を書いた。畳の匂いと、お茶の匂いと、古い本の匂い。なんだろう、この感覚。知らない場所なのに、二日目でもう空気に馴染んできている。
サッカー部は半年いても空気が変わらなかった。いつも走って、蹴って、叫んでいた。ここは真逆だ。静かで、ゆるくて、全員がバラバラのことをしている。
なのに、なぜか居心地が悪くない。
*
凛先輩が立ち上がった。ソファから離れて、ホワイトボードの前に移動する。昨日書かれていた謎の相関図は消されて、新しい文字が並んでいた。字が意外と丁寧だった。クールな見た目から想像する乱暴な筆跡ではなく、教科書みたいに整った字。ギャップがすごい。
「新入部員オリエンテーション、やるぞ」
「オリエンテーションって、ちゃんとあるんですね」
「当然だ。うちは弱小だが、やるべきことはやる」
凛先輩が珍しく正座した。ホワイトボードの横に膝をそろえて座っている。部長モードだ。昨日のソファでごろごろしていた人とは別人みたいだ。
「朝凪高校文芸部。活動内容は四つ」
ホワイトボードを指さす。
「一、月一回の部誌発行。二、年二回の文芸コンクール応募。三、文化祭での展示。四、日常的な創作活動」
「意外とちゃんとした活動なんですね」
「"目標"な。あくまで"目標"だ。実績を聞くな」
「聞いていいですか」
「ダメだ」
「昨年の部誌は二号まで出ました」
詩織さんがさらっと言った。凛先輩の眉がピクッと動いた。
「千歳。実績を言うな」
「事実ですので」
「事実は時に暴力だぞ」
「すみません。でも正直に申し上げると、コンクール応募はゼロでした」
「千歳!!」
「文化祭の展示もできませんでした」
「お前もう黙れ!!」
霧島先生が赤ペンを走らせながら呟いた。
「人数が足りなかったんだ。仕方ない」
「先生のフォローは嬉しいですけど、顧問も何も書いてなかったですよね」
「俺は管理職だ。現場の仕事はしない」
「顧問って管理職ですか?」
「精神的管理職だ」
「なんですかそれ」
凛先輩が咳払いをした。ホワイトボードの文字を指でトンと叩く。
「過去はいい。問題は今年だ。今年は四人いる。あと一人来れば五人。五人いれば全部できる」
「全部やるんですか」
「全部やる。で、今月の部誌だが」
「今月?」
「テーマは自由。ジャンルも自由。エッセイでも日記でも感想文でもいい。字数は最低五百字。締切は来週の金曜」
「来週!? 俺も書くんですか!?」
「部員だからな」
「昨日入ったばっかりなんですけど!」
「新人だからこそ新鮮な文章が書ける。むしろ好都合だ」
「鬼ですか」
霧島先生が顔を上げずに言った。
「鬼は編集業界では褒め言葉だ」
「先生は味方してくれないんですか」
「俺は中立だ」
「それは味方じゃないですよね」
詩織さんがフォローするように言った。
「ジャンルは本当になんでも大丈夫ですよ。朝倉くんがどんな文章を書くのか、とても楽しみです」
目がキラキラしている。昨日と同じ輝きだ。
「その"楽しみ"は取材的な意味ですよね」
「取材的な意味と、純粋な意味と、両方です」
「割合は」
「九対一です」
「取材が九ですか」
「はい」
「正直すぎません?」
凛先輩が腕を組んだ。
「あと、朝倉。壮介って誰だ。お前が昨日"絶対ダメ"って言ってた奴」
「なんで覚えてるんですか」
「"絶対ダメ"な人間ほど部に必要だからな。来週中に連れて来い」
「まだ言いますかそれ」
「部長命令は撤回しない主義だ」
*
オリエンテーションが終わると、凛先輩が隅のノートPCを指さした。
「書け」
「え、もう?」
「善は急げ。締切まで一週間しかない。朝倉、あのPCを使え」
古いノートPCの前に座らされた。電源を入れると、ファンが唸りを上げる。起動に二分かかった。テキストエディタの白い画面が現れる。カーソルが点滅している。
何も浮かばない。
指がキーボードの上で止まる。サッカー部では「走れ」と言われれば走れた。「蹴れ」と言われれば蹴れた。身体を動かすことには慣れていた。だが「書け」は全く勝手が違う。頭の中にぼんやり存在する「何か」が、文字になる前に霧散してしまう。
十分経過。書けた文字数、ゼロ。
二十分経過。まだゼロ。
三十分経過。画面の白さが目に刺さる。カーソルの点滅が煽ってくるように感じた。お前にはなにも書けないぞ、と言われている気がする。
「焦るな」
凛先輩がソファから声をかけてきた。文庫本から目を離さないまま。
「最初から書ける奴なんていない。私だって最初はひどかった」
「先輩の"最初"がどんなだったか想像できないんですが」
「ミステリを書こうとして、一行目で犯人を名乗らせた。トリックも推理もなし。自白から始まる推理小説」
「それはもう推理小説じゃないですよね」
「だから成長の余地があった」
詩織さんがそっと横に来た。ちゃぶ台の角に膝をそろえて座り、こちらを見る。距離が近い。インクの匂いがかすかにした。
「朝倉くん、なにか好きなものはありますか」
「好きなもの?」
「好きなもののことを書くのが一番楽です」
「好きなもの……サッカー、カレーうどん、昼寝」
詩織さんが即座にノートを開いた。万年筆が走る。
「メモするほどの情報じゃないでしょ」
「すべての情報には価値があります」
「カレーうどんと昼寝に価値がありますか」
「あります。たとえば、サッカーとカレーうどんの共通点を考えてみてください」
「ないだろそんなもん」
「ありますよ」
詩織さんが真っ直ぐこっちを見た。
「どちらも朝倉くんの"好き"が共通点です」
一瞬、言葉が出なかった。
こいつ、たまにすごいこと言うな。
なんか気が楽になった。難しく考えなくていいのかもしれない。好きなものを書けばいい。好きなもの。カレーうどん。カレーうどんでいいのか。カレーうどんでいいか。
「じゃあカレーうどんのことでいいですか」
「もちろんです。カレーうどんについて書いてください」
「真面目に言ってます?」
「大真面目です。カレーうどんの何が好きですか」
「汁が飛ぶところ」
「飛ぶところ?」
「食べてると絶対に汁が飛ぶじゃないですか。白い制服めがけて。あの瞬間のどうしようもなさが好きっていうか、もう諦めるしかないっていうか」
「それを書いてください。今言ったことを、そのまま」
半ば投げやりにキーボードを叩き始めた。
最初の一文。「カレーうどんの汁が制服に飛ぶあの瞬間、人は全てを諦める」。
何書いてんだ俺。
でも指が止まらなかった。次の文が出てくる。また次の文。カレーうどんの汁の放物線について。白シャツへのダメージについて。食堂でカレーうどんを注文する人間の覚悟について。
気づいたら五百字くらいの文章が画面にあった。
*
「読んでいいか」
凛先輩が手を伸ばしてきた。PCの画面をこちらに向けるのが恥ずかしかったが、逃げ場はなかった。
凛先輩が読み上げる。
「"カレーうどんの汁は人を選ばない。白シャツだろうが制服だろうがジャージだろうが、等しく襲いかかる。あの放物線は芸術であり、暴力であり、カレーうどんの意志である"」
沈黙が落ちた。
やばい。笑われる。カレーうどんの意志ってなんだ。自分で書いておいてなんだが、頭がおかしい文章だ。
「この比喩、すごく身体的でいいですね!」
詩織さんだった。目が輝いている。馬鹿にしている目じゃない。本気で感心している目だ。
「え?」
「"放物線は芸術であり暴力であり意志である"。この三段構成、すごくリズムがいいです。しかも"意志"で終わるのが面白い。カレーうどんに意志があるという発想が」
「いや、そこ褒めるところですか?」
凛先輩がうなずいた。
「"カレーうどんの意志"って表現、好きだ。生きてるよ、このうどん」
「生きてるかどうかはさておき」
「続きも読むぞ。"箸でうどんを持ち上げる動作は、サッカーでいうロングキックに似ている。溜めて、振って、飛ばす。違うのは飛ぶ先だ。ボールはゴールに向かうが、カレーの汁は制服に向かう。狙いすましたかのように胸元に着弾する。それでも人はカレーうどんを食う"」
凛先輩が画面から目を離した。
「サッカーの比喩が自然に入ってるな。"溜めて、振って、飛ばす"。テンポがいい。お前、身体感覚を文字にするのが上手い」
「褒められてるんですか」
「褒めてる」
「カレーうどんの文章で」
「カレーうどんだろうが焼肉だろうが、いい文章はいい文章だ」
霧島先生が赤ペンを置いた。いつの間にか添削の手が止まっている。
「出版社に持ち込むなよ」
「持ち込みませんよ!」
「いや、逆に持ち込んだら面白いかもしれんな」
「先生、適当すぎません?」
「適当じゃない。半分本気だ」
「半分は嘘なんですね」
「半分は期待だ」
なんだそれ。嘘と期待の区別がつかない。この先生はいつもこうだ。
詩織さんがノートに何か書き込んでいた。ちらっと見えた文字。「朝倉くんの文体——身体的比喩。サッカー経験からくる動作描写。感覚優位」。
「取材してますよね」
「はい」
「隠さないんですね」
「隠す理由がありませんので」
開き直りが清々しい。
*
夕方になった。
各自が自分の作業に没頭する時間に入った。誰が号令をかけたわけでもないのに、自然とそうなる。
詩織さんは万年筆で原稿用紙に向かっている。カリカリという音が一定のリズムで刻まれている。メトロノームみたいだ。ペン先が紙の上を滑るたびに、青黒いインクの線が伸びていく。
凛先輩はソファでノートに何か書いている。覗き見る気はないが、ちらっと見えた。ノートの端に小さなイラストが描いてあった。人物の横顔。意外に上手い。ミステリのプロットを練っているらしく、名前の横に「動機:A」「アリバイ:なし」とか書かれている。
霧島先生は生徒の課題に赤ペンを入れている。あの赤ペンの動きだけは本気だ。寝てるときとのギャップがすごい。缶コーヒーが手元に置かれている。復活の証だ。
俺は「カレーうどんの続き」を書いていた。書くものがないから仕方なく、という建前で。でもキーを叩く指が止まらない。カレーうどんの話から派生して、学食の話になり、学食から教室の話になり、教室から放課後の話になっていた。
窓から西日が入ってくる。畳が橙色に染まっている。部室の空気が、夕方特有のやわらかさに変わった。
ふと顔を上げた。
詩織さんの髪に夕光が透けていた。黒い髪が少しだけ茶色がかって見える。万年筆を握る指が細い。原稿用紙に落ちる影。まつげの影。真剣な横顔。
手が止まった。
見とれていた、わけじゃない。たぶん。視界に入っただけだ。西日がきれいだっただけだ。
慌ててPC画面に目を戻した。
なんでこの部にいるんだ、俺。
そう思った。でも不思議と、その言葉に棘がなかった。否定の意味じゃなくて、純粋な疑問としての「なんで」だ。グラウンドにいた頃の、練習後の充実感とは違う。ここには点数もタイムもない。走る必要もない。ただ書いて、読んで、黙っていてもいい場所。
サッカー部は全員が同じ方向を見て走る場所だった。文芸部は、全員がバラバラのことをしている。凛先輩はミステリを書いていて、詩織さんは恋愛小説を書いていて、霧島先生は赤ペンを振っていて、俺はカレーうどんのエッセイを書いている。方向がバラバラなのに、同じ空間にいる。
居心地が悪くなかった。
いや、何しみじみしてんだ俺。カレーうどんの続きを書け。
キーボードに指を戻した。
*
下校時間を知らせるチャイムが鳴った。
「よし、今日はここまで」
凛先輩がノートを閉じた。パタンという音がやけに決定的だった。部長が閉じたら部活は終わる。この部のルールがなんとなくわかってきた。
片付けをしながら、凛先輩が言った。
「朝倉、今日何文字書いた」
「えっと……千二百文字くらいです」
「上出来だ。締切まであと五百字いけるか」
「たぶん」
「たぶんじゃなく、書け。千歳は」
「八千字です」
「お前はペースが速すぎる。推敲に時間を使え」
「はい」
「先生は」
「俺は書いてない」
「来週、顧問コラムとして五百字書いてください」
「嫌だ」
「部長命令です」
「顧問に部長命令は効かない」
「じゃあ生徒からのお願いです」
「お願いはもっと効かない」
「書かないなら次の缶コーヒー代を出しません」
「書く」
「先生、ちょろすぎません?」
「缶コーヒーは命だ。命には代えられない」
校門まで四人で歩いた。凛先輩は校門で「じゃあな」と片手を上げて、反対方向に曲がっていった。短い。あの人の挨拶はいつも短い。
霧島先生は「職員室に戻る。お前たち気をつけて帰れ」と言って校舎のほうに消えた。
残ったのは俺と詩織さんだった。
「朝倉くんはどちらの方向ですか」
「駅の方です」
「私もです。途中まで一緒に歩いてもいいですか」
「どうぞ」
夕暮れの住宅街を並んで歩いた。西の空がオレンジ色で、電線に鳥が止まっている。二人の足音が、アスファルトの上で交互に鳴る。
会話はぎこちなかった。部室にいるときはちゃぶ台を挟んでいるから平気だったが、こうして横に並んで歩くと妙に距離感がわからない。半歩くらい離れている。近くも遠くもない。
「朝倉くんはどんな小説が好きですか?」
「そんなに読まないんですけど……スポーツ漫画なら」
「スポーツ漫画ですか。何が好きですか?」
「『ブルーロック』とか」
「サッカー漫画ですね。読んでみます」
「え、読むんですか?」
「はい。取材として」
「漫画を取材として読むんですか」
「すべての物語は取材対象です。次の部活で、朝倉くんのおすすめを教えてください。他にもあれば」
「ありますけど、漫画を勧めるのが文芸部の活動として正しいのかどうか」
「正しいです。漫画も物語ですから。物語を理解するための物語を読む。それは立派な文芸活動です」
「理屈が通ってるのか通ってないのかわからない」
分かれ道に来た。俺は真っ直ぐ、詩織さんは右。
詩織さんが立ち止まった。こちらを向く。
「朝倉くん」
「はい?」
「明日、カレーうどんの続き、楽しみにしてますね」
笑顔だった。夕焼けの光が横から差して、笑顔の輪郭がオレンジ色に縁取られていた。
手を振って歩き出す詩織さんの背中を見送った。黒い髪が夕風に揺れている。
「……カレーうどんの続きってなんだよ」
一人で呟いた。
帰宅した。鞄を椅子に放り投げて、制服のまま机に座った。
教科書を出すつもりだった。宿題をやるつもりだった。
なのに気づいたら、ノートを開いていた。机の上に転がっていたシャーペンを手に取って、白いページに向かっている。
カレーうどんの続き。
さっき部室で書いた千二百字の続き。学食のカレーうどんが運ばれてくる瞬間の湯気の話。割り箸を割るときのあの緊張感の話。
なにやってんだ俺。
自分にツッコミを入れたが、ペンは止まらなかった。言葉が出てくる。文字になる。ノートの罫線の上をシャーペンが走る。さっき部室で感じたのと同じ感覚だ。頭の中にあるものが、手を通じて紙に落ちていく。止められない。
三十分くらい書いた。顔を上げた。窓の外はもう暗い。自室の蛍光灯が白い。
ノートを見返した。追加で六百字くらい書いてあった。合計で千八百字。カレーうどんだけでここまで書けるとは思わなかった。
ノートを閉じた。
天井を見上げた。
明日も部室に行くのかと思った。行くんだろうな。帰り道に詩織さんが「楽しみにしてます」と言っていた。あの笑顔を思い出す。
……いや別に笑顔を思い出してるわけじゃない。カレーうどんの続きを楽しみにしてもらっているから、書かないといけないだけだ。義務だ。文芸部員としての義務。
部活二日目。情報量が多すぎる。オリエンテーション、初めての執筆、カレーうどんの意志、身体的比喩、詩織さんの取材メモ、帰り道の夕焼け。一日でこの密度はおかしい。サッカー部の一日は「走る」「蹴る」「走る」だった。文芸部の一日は「書く」「褒められる」「書く」「観察される」「書く」「楽しみにしてますと言われる」だ。
情報量が、多すぎる。
でもまあ。
悪くはない、と思った。




