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幽霊探偵の推理クイズ



挿絵(By みてみん)



 元探偵の大槻浩二は、東京の空を散策していた。

 気持ちいい天気の中、ふわふわと風まかせに、身体を宙に流していた。


 医療センターで永遠とわの眠りについてから、早ひと月。

 あの世行の汽車に乗るのは、まだもう少し先である。

 退屈である。

 何か事件でもないかと、組んだ腕を枕代わりにして、雲を見ながら、耳をすましていた。


 そんな時、ふと猛烈な殺意を感じた気がして、大槻は眼下の緑豊かな大学に目を向けると、いそいで地上へと降りて行った。

 宙を飛び、壁をすり抜けて、学舎内を捜索した。

 人はほとんどいない。今日は休日のようだ。

 

 大槻は東アジア学科研究室の中で、中年の男性が死んでいるのを発見した。

 前から額を鈍器で叩かれて殺されたようである。

 うつ伏せの彼は、床に血文字を残していた。



 大槻は、大学構内にいた人間を調べ上げた。

 そして三人の容疑者が浮かび上がった。


1.成田こころ (日本文学科 助教授)空手を嗜んでいるらしい。


2.ナルシッサス・マルフォイ(哲学科 教授)イギリス出身らしい。


3.チンギス・ダワージャハガル(東アジア学科 大学院生)モンゴル出身らしい。



 通報しようにも、幽霊の身では電話をかけられないので、大槻は、少し考えると空を飛んで、警視庁の不可能犯罪係に行った。

 窓から部屋に飛びこみ、必死に呼びかけるも――予想はしていたが――、早乙女も餅柿も剣崎も誰も反応しないで、黙々と何やら書類を書いている。


 しかし、猫屋敷は何やらきょろきょろと辺りを見回したり、首をかしげたりする。

 大槻は彼に話しかけたが、気配を察するようだが、言葉は通じないらしい。


 しょうがないので大槻は、猫屋敷の耳元で、二十四時間、犯人の名前を叫び続けた。

 猫屋敷の顔色は、次の日には、だいぶ悪くなっていた。

 



 それでは問題である。


 大槻は誰の名を言ったのだろうか?

  





 ダイイングメッセージは上から順に以下のように書かれていた。


「成」「士」「口」「田」「心」

 











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