表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
Manipulated Intelligence Agent ~皇帝によって操られた諜報員たち……~  作者: 11月 ミツシ
第8章、【惑統連総会にて】
66/87

第8章1話

 諸事情により第8章となります。

 なお旧7章7話は別の物に差し替えてお送りしております。


 

 惑星統合連盟本星。

 通称連盟星と呼ばれるこの地は、ス連邦の最先端技術によって作られた人工惑星であった。

 この人工惑星は外殻に建物とかが建っている訳ではなく、人工惑星自体が一つの巨大な建物も兼ねていた。

 その人工惑星には今慌ただしく宇宙船の行き来が行われている。

 というのも、先週ス連軍が突如ペルシアント惑星王国に侵攻した問題で、皇帝以下参謀本部メンバー全員の公開尋問を控えていたからである。



 さて、伍長さんたちが事故を起こした後、ペルシアント惑星王国がどうなったか簡単に記述しておこう。

 伍長さんが事故を起こした直後、ペルシアント惑星王国首都を絨毯爆撃を起こしていたCC1 30はそのまま飛び去っていき、代わりにス連空軍の輸送機から降下していた陸軍第2機甲砲兵軍の戦車部隊が西門、東門、北門から首都へと侵入、前衛戦車部隊が幹線道路を伝い王宮へと一直線に進み、歩兵部隊が路地裏を制圧していった。

 首都防衛部隊や憲兵たちの抵抗もむなしく、圧倒的物量と技術力を持つス連軍は超進撃を遂げ瞬く間に制圧されていった。

 

 その後、王宮への砲撃が開始され、同時に空挺部隊の空挺降下作戦が開始、王宮や枢密院、そして地下壕など首都全区を制圧した。

 王宮で力ずよくはためいていたペルシアント惑星王国国旗は降ろされ、ス連国旗が掲げられた。

 それと同時に、ス連空軍はペルシアント惑星王国空軍基地などの軍事基地に次々と誘導ミサイルを発射、完全にペルシアント惑星王国全土を掌握した。 

 憲兵たちは階級に応じて処罰される。これは首都防衛部隊の部隊でも容赦情けなく処罰される。

 例えば一兵卒ならば捕虜として拘留されるが、司令官や士官となると適当な場所で尋問される。

 本来ならば、司令官や士官などに尋問や拷問などを与えることは、国際人道条約によって激しく規制されており、敵対国家が完全に降伏し、さらにその進行が正当なことが惑統連加盟各国に証明されれば、初めてそこで司令官や士官など幹部に尋問することが出来る。

 もちろん拷問はいつの世代でも禁止されているのだが……。


 しかし今回の件の事態を重く見たフェルトさんは、作戦関係書類を地下書物保管庫にて発見し、署名した統合軍作戦指揮参謀本部指揮官全員の職業更迭を決定(海軍元帥は更迭外)、宇宙艦ノルディーメントやペルシアント惑星王国首都など占領した場所に正規軍を投入し、部隊指揮官や空軍元帥と宇宙航空軍統帥官を逮捕、残った軍には今回のことが反乱行為であることを告げ、降伏勧告を行った。


 皇帝の意思によって行われた作戦と上層部などから聞かされていただけあって、兵士たちは狼狽し、次々と正規軍に降伏していった。

 だが、陸軍元帥と事を知っていた陸軍大将、統合軍参謀総長は降伏を良しとせず、まず陸軍元帥が作戦指揮室にて軍刀で切腹、近くにいた大将によって介錯され死亡した。

 次に、統合軍参謀総長が自身の軍刀を用いて切腹し、こちらも大将に介錯された。

 二人の上官の介錯を担当した大将は二人の右隣に正座し、護身用の拳銃で頭を撃ち抜いた。

 

 その後反乱軍鎮圧を託された統合軍陸軍大将が駆け付けたが、全員の死亡が確認された。

 二人の体と頭は切り離され、床には大きな血だまりが出来ており、大将も思わず後ずさりしてしまた。引き連れていた陸軍兵士たちも戦場は見慣れているとはいえ、吐き気を催すほど悲惨な現場でもあった。

 その時状況を、後々退役軍人はこう語っている。



『あの軍部上層部の反乱行為への鎮圧作戦に、当時下士官である上等兵であった私は統合軍陸軍大将であった中山大将に連れられ、兵士からの供述によって得られた作戦指揮室に急行した。

 私や大将は彼らが最後まで作戦を指揮していると考えていた。


 だが、現実には違う。

 先頭に自衛用の短刀を持ちながら早歩きで歩いている大将、その右側に私はいた。

 そして作戦指揮室と書かれた部屋へと突入していった。だが、入り口前で大将の足が止まった。私や左にいる同僚は大将に危うくぶつかりそうになってしまいそうだった。

 私は怪訝な顔をして、大将顔を覗き込む。

 大将は絶句というか、驚愕を隠せずにあんぐりと口を開けていた。何故だろう? そう思い室内を見た私は胃の中に入っていた晩飯があふれ出そうになった。


 血だまりが出来、室内は異臭が漂う。

 その血だまりの中心部に腰のあたりから貫通し血塗られた軍刀、近くに転がっている二つの生首……首の断面は見えなかったが、それでもそこは悲惨な現場では間違いなかった……』 毎連新聞社より発売 ー国軍の軍人になって……ー にて。



 首都方面は反乱軍と化した軍を無人兵器+最新鋭兵器で包囲し投降勧告を促す。 

 ほとんどがおとなしく降伏していき、王宮に掲げられていたス連国旗を降ろし、白旗に差し控えた。

 

 その直後に、伍長とルーズルートが発見されたのだが、身元を確認するものがなく、双方ともシールドがあったとはいえ重傷を負い、さらに様座な武器やハッキング道具などを持ち合わせていたことから、工作員の可能背が浮上したため、武装解除を施し、現在連邦総合病院警察病棟にて入院中である。



 ……さて、国家というものには友好国であろうと敵対国であろうと同盟国であろうと必ず諜報員というものが存在する。

 もちろん、ペルシアント惑星王国にもいるわけで、今回の不祥事が全国家に把握されてしまい、挙句の果てに惑統連監視委員会にも把握され、各国がこぞって臨時総会の開催を要求した。

 

 というわけで、現在惑統連では臨時総会の開催要求に応じてス連邦皇帝、首相、統合軍作戦指揮参謀本部メンバーを強制的に拉致し総会の開催を認めた。

 何故拉致する必要があるかというと、極まれに逃亡する人がいるので、それを防ぐため何かを裁く際は臨時総会開催の際はこのような手はずになる。


 やり方は簡単、惑統連特殊部隊が目標に降下し、そこで働くメイドや侍従、職員などに銃を突きつけ目標の人物のところに案内させ、睡眠薬を飲ませ拉致するという、どこかの誘拐組織かよと思うほど手荒な真似をする。

 おおよそ10分ほどで……。

 今回フェルトさんたちは運悪く皇居にて首相と緊急会談中だったため、ほとんどが無抵抗のまま眠らされた。

 

 さて、惑統連総会で何をするか、それは後々わかることなのだが、基本的に安保理評常任国会議で決められなかったことを採決したり、あとは国際問題や条約違反国家の関係者を断罪したり公開尋問したりと様々なことが行われる。

 ペルシアント惑星王国とス連邦への経済制裁も総会で決められたことなのだ。 

 

・・・・・・・


「失礼しますよ」


 王侯貴族待遇室の一室、2人の警備兵が自動小銃を下げながらにらみを利かせるこの部屋に、一人の男が入ってきた。

 警備兵が入室を許可し、さらに敬礼もするのだから相当な地位にいる人間と思える。

 

「ああ、どうも陛下」


 男は室内にいた少女に一言挨拶した。

 室内はどこかの高級ホテルのような豪華な内装だった。そりゃぁ王侯貴族など様々な人がくるのだからこれくらい豪華なものがいいのだろう。

 その室内、宇宙空間を眺めるために置かれている椅子で紅茶を優雅に楽しんでいた少女がいる。

 そう、皇居にて拉致されたフェルトさんだった。


「うん、どうもこんにちは首相、いえこんばはと言った方がいいのですか?」

「いえ、どちらでも……」


 そう返事したのは惑統連の四条首相であり、本来ならばフェルトワンで一番発言力のある人である。ちなみにこの首相、中の人曰く本来はあまり出ない脇役としての立場だと思っていたそうだ。

 だが、今回の件で振興係を務めるため、脇役から準脇役へと昇格したそうだ。

 ……逆に低くなってないか?


「まず陛下、こんな手荒な真似を使ってしまい申し訳ありません」


 平謝りだが、礼儀というもの考え、頭を下げておく。


「いえ、仕方がありませんよ。私だって軍の暴走を防げなかったことを悔やんでいるんですから……」

「そう……ですか……」


 実際首相は拉致という方法を躊躇っていた。

 ス連軍は解体されたとはいえ、銀河を征服したク連軍の血を一部引き継いでいる。もちろん軍事兵器もそうだ。

 本気になればもう一度銀河征服を出来るだろう……。


「さて、陛下。これから陛下は総会にて公開尋問されます。今回のこととは無関係とは言え国軍の最高責任者として責任が問われます。」

「はい、私もある程度の責任は取るつもりです。」

「……。まだお若いのに責任を追及するようで、本当に申し訳ない」


 また頭下げた。

 と、それと同時に……


 ジりりりリリリ


 まるで学校の授業を告げるチャイムのような音が鳴り響く。

 惑統連加盟国家の国家元首級または首脳級が全員到着したことを告げるベルだ。

 

「さて、陛下。行きましょうか?」

「はい」


 首相に連れられる形でティーカップをテーブルに置いたフェルトさんはそのまま総会大会議場へと足を踏み入れようとしていた。


 


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ