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Manipulated Intelligence Agent ~皇帝によって操られた諜報員たち……~  作者: 11月 ミツシ
第6章、【とりま銀行からお金引き出してくる】
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第6章1話

 かつて……。大帝国であったク連で大革命が起き崩壊し、200以上の惑星国家に分裂した時、分裂国家は独自の歩みを遂げていた。

 ス連本星は旧ク連時代の中央省庁などの建物や人的資源、インフラ機能が並外れており崩壊後も銀河1位の座を独占していた。

 第2の首都があったアメルバリカー合衆国連邦は人的資源やインフラ機能はあったのだが、資源が枯渇気味であったため、隣の星にあるツァール公国と接触した。

 ツァール公国は人的資源とインフラ整備を欲していたため、アメルバリカー合衆国連邦と接触し両国・両政府の合意のもと合併し、現在のツァールバリカー惑星合衆公国となりス連に次ぐ第2の惑星国家へと発展していった。


 同様のことが世界各国であり、その中でも並外れた列強国である、ス・ツ・ヴェ・ヴィ・ポ(ス連邦・ツァールバリカー惑星合衆公国・ヴェルト州惑星連合王国・ヴィルヘルム惑星大公国・ポルトブルクトフ銀河皇国)の5か国が集まり世界統治機関兼独立国である惑星統合連盟を発足し5ヶ国がその惑統連の安全保障分野を管轄する惑星統合連盟安全保障理事会評議常任国会議の常任理事国に就いた。この機関は地球の国際連合のような拒否権はなく、意見を言い合い多数決で賛否を問う方式である。


 話は戻すが、ク連崩壊後それを構成していた惑星国家は独立していったが、もちろんそうでないとこもある。

 例えばシベリア連邦やヘルヴィエント星間共和国などの国は、ス連邦に加盟し衛星国連合の一員や保護国などになった国もある。

 これらの国に共通することは、資源があるが人的資源やインフラがないというのが多く、ス連邦に加盟することによって国土が豊かになった国も多い。ただある種の罠機能があり、ス連は中央集権国家なので加盟国は地方議会こそあるものの、加盟国の予算や省庁などはス連本国が代行している。なので独立は永久にできないので実質植民地であったりする。

 

 そんな世界の国家元首は実のところだが、君主がいる国のほとんどは、貴族追放令によって追放対象となったク連の貴族の末裔たちが作った国が非常に多い。

 ツァール公国ももともとは、ツァークリアール子爵の末裔たちが作った国であった。

 

 そしてその中の一つに、ペルシアント惑星王国があった。

 この国はペルシ・アベレントという公爵が貴族追放令が適用される直前に海外に亡命し処刑を免れてやってきた作った国であった。

 だがペルシ・アベレントの家であるアベレント公爵家とスウェットフェルクロード家は昔からすこぶる仲が悪く、第1革命に失敗したスウェットフェルクロード家一家の処刑を皇帝に指示したのもこの家だった。

 その時はメルディエッタロード家の計らいによって処刑は免れたが、アベレント家とスウェットフェルクロード家の関係は最悪といってもいいほど悪化した。

 そして革命が起き、スウェットフェルクロード家がス連を建国するとアベレント家の子孫であるペルシ・アベレントはペルシアント惑星王国を建国した。

 だが当時の連邦政府はペルシアント惑星王国を認めなかった。

 理由は簡単。

 両国が唯一国境を接している、衛星の所有問題が関係している。

 解説すると、ス連が保有していた衛星の一つにペルシアント惑星王国宇宙戦闘軍が東側を不法占拠しいざこざが残っているからだ。


 そのせいで30年ほど前一度本気で核戦争が起こりそうになった。

 運よく惑統連の仲介によって防ぐことが出来たが、下手すれば衛星が消し飛ぶぐらいまずい状態だった。

 その後もお互いを仮想敵国と位置づけ、睨み合いと小競り合いが続いている。




「という感じで今現在ス連邦とペルシアント惑星王国は仲が悪いんです。相互共に工作員や諜報員を送り込み、テロや破壊工作をやっているというわけです。」

「フ~ん…。まぁ西ドイツと東ドイツ・韓国と北朝鮮みたいな関係と思えばいいか?」

「そうですね。まぁ西ドイツと東ドイツはもうドイツ連邦共和国に統一されてますし、韓国と北朝鮮も融和ムード真っ盛りですからね。

 ただ、ス連とペルシアント惑星王国は超大国のにらみ合いですし、簡単に融和もできないんですけどね…」


 ルーズルートは苦笑いを浮かべる。

 伍長は、確かにそうだな…。とつぶやきながら小さな窓の外を眺めた。

 その窓から見える景色は格別である。

 漆黒が広がる暗闇の世界、そこに自己を主張するように輝いている星々、徐々に小さくなっていく巨大な青い惑星……。

 そう、伍長とルーズルートがいるのは紛れもない宇宙だった!

 

「しかし凄いよな…。ものの8時間で1200光年先の惑星に行けるなんてなぁ……」

「まぁそれが最先端科学というものなんでしょうね。まぁワープ含めての8時間ですから……。」

「でも、何でわざわざ輸送機で行く必要があるんだ? 国交を結んでないってのは分かるが、それならば惑統連や他惑星経由で行けばいいんじゃないか?」


 最もな疑問である。

 今彼らはス連宇宙航空軍が所有している輸送機、EZ-12という機体に乗っている。

 この航空機は、皇宮財閥が作ったものではなく、E&Zという軍需会社が製作したものだ。

 この機体、実は地球のある兵器を改装したものだという。

 C-5……。ロッキード・マーティン社が製造し、今もなお米空軍によって運用されている軍用超大型長距離輸送機である。愛称はギャラクシー。

 改装といっても、軍事用に購入したわけではなく、米空軍の払い下げのC-5をス連邦が民間ように購入したものだ。

 その点、元よりもだいぶ違いがみられる。

 形こそC-5のままだが、全長を105.3m、全幅を80mにし、ターボファンエンジンから、主力エンジンである永久機関波動システムエンジンを搭載し、搭載量や飛行距離、速度が大幅に向上した代物である。さらに宇宙でも耐えれる超金属を使用しどんな劣悪な環境でも飛行可能な機体となった。

 これは現在民間航空会社が購入しているが、ス連宇宙航空軍がそれに目を付け、支援用の輸送機として購入したのがこの機体である。

 伍長の疑問に答えたのは、ルーズルートではなく同乗していた青年だった。


「確かに他惑星を経由すればペルシアント惑星王国に入れるかもしれませんが、ス連人はまず入国できません。登場しても入国拒否がほとんどなのです。

 ですから、両国の工作員は、光学迷彩が使用できる輸送機などの軍用機で行かねばなりません」

「なるほどなぁ……。って! えっ? 誰?」


 後ろから答えられ、うなずいている伍長だったが、やがて答えた人物の声が聞き覚えのないことに気が付き、慌てて後ろを振り向く。

 黒髪黒目の短髪で、眼鏡をかけている……いわゆるお役人色が凄い出ている男。その男は伍長に対し名刺を差し出した。


「初めまして、国務省特別特使の朝比奈 洋文(あさひなひろふみ)です」

「はぁ、こりゃぁどうも。アドルフ・アルベルトです」


 輸送機内で名刺を交換する朝比奈氏と伍長さん。

 伍長さんは朝比奈氏からもらった名刺をマジマジト見つてからこう切り出した。


「して…。国務省のお役人さんが何故輸送機の中に? まさかペルシアント惑星王国と国交の開通でも?」

「いえいえ、まさか! ペルシアント惑星王国との国交開通は向こうの王政が倒れるまで絶対に結ばないように言われているんですよ。」


 手を左右に振り、否定する朝比奈氏。縦に振った場合はワイパー機能を備えているのだろう。


「じゃぁ、何故に?」

「今回自分が派遣される場所は、ヴォルデシア共和国という国です。丁度ペルシアント惑星王国方面なので連れて行ってもらうことになりました。」

「ヴォルデシア共和国…? どこかで聞いたような…?」


 悩む伍長に、黙っていたルーズルートが口を開く、


「ほら伍長さん。最近ス連国内のニュースで話題になっているでしょう? 惑統連非加盟国と加盟国が戦争状態に入りそうって……」

「ああ! 思い出した。確か前チャーチムが言っていたよな」

「そうなんですか? まぁそれはいいとして……。朝比奈さん、一つ聞きたいことがあるのですが…?」

「はい、私に答えられるものなら」

「確かあの国の内政は、機能していないはずでしたが…?」

「ええ、確かにそうです。まぁ一種の諜報活動みたいなものですね」


 と、


「あっ、伍長さん。記者会見はじまりましたよ。」

「記者会見? 何の?」

「ほら、皇帝陛下暗殺未遂事件の報告ですよ。あれ、言ってませんでした?」

「聞いてねぇーよ!」


 情報伝達は大事だぞ……。と伍長はツッコんだ。

 

 

 

 


 


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