第4章2話
キュゥゥゥゥン
皇居内の急遽作られたヘリポートに国家最重要機密であるハウニブの量産機、ハウニブⅡがEMGエンジンと永久機関動力エンジンを掛け合わせた超エンジン、永久波動機関動力エンジンを完全停止させ降り立った。
今まで使われていた各種エンジンとは違いス連製のほぼ永久的に稼働でき、高出力をほこるこの新型エンジンはハウニブに試験稼働中である。
というか正直EMGエンジンを使わずともこのエンジンは出来上がったのだが、製作した皇宮省の技術部長が…『よっしゃ! EMGエンジン入れようぜ!』とあほなノリで入れてしまった。
まあ、確かに使わないよりかは重力に対し安定的に飛行できるので、結果はよかったのだが…
その噂のハウニブⅡの側面が開き、伍長とシェリアがタラップを使い降りて来た。
だが、伍長の様子がおかしい。顔が血の気が引いたみたいに真っ青でタラップから降りる際もおぼつかない足取りだった。
「うぅ、シェリアさん…。あの操縦はないですよ…」
「いや…。アドルフ閣下はあんなので酔うのですか?」
どうやら伍長の顔色が悪かったのは、乗り物に酔ったかららしい。しかし変だ。永久波動機関動力エンジンはEMGエンジンを取り入れたおかげで、長期間のホバリングが可能となった。
つまりヘリよりも音は静かで、揺れもしない画期的な乗り物のはずだ。
「いやいや、さすがにバク宙だの急停止急降下急上昇だの逆さから超スピンはだめですって!」
どうやら相当な荒業で帰ってきたらしい。
しかし…。バク宙はまだ耐えれるとして、急停止急降下急上昇はさすがにどうなのだろうか…?
「いやぁ、操縦を今のうちに慣れておきたくって…」
「それなら訓練所でやればいいでしょ!?」
伍長は金切り声を上げ、絶叫した。
「お疲れ様です、伍長さん…って! ええ! どうしたんですかその顔色!」
ヘリポートへ迎えに来たルーズルートが時間がたつにつれさらに真っ青になっていく伍長の顔色を見て慌てて近寄ってきた。
「ああ、ルーズルート…。彼女をハウニブの操縦者から外してくれないか…」
「あ、すみません。無理ですそれは」
「何故ぇ!?」
ルーズルートのきっぱりとした断りように伍長は素っ頓狂な声を上げた。
「だって、専属の操縦者なんて、まだ連邦捜査庁で働いている人が少ないのにいるわけないじゃないですか…。我慢してください。あとほら、立ってください」
「そんなぁ…」
渋々立ち上がる伍長。
顔色は少しずつ回復はしてきているがまだ青いままだった。
「さて、まずはお二人とも、初任務ご苦労様でした。どうでしたか?」
「まぁ疲れた。」
「そうですか。ああ、シェリアさん、例の物は…?」
なんかあさりと流されたので少々心に引っかき傷が出来てしまった伍長。引っかき傷程度なら問題はなさそうだが、動物に引っ掛かれると菌などが移る可能性があるので注意した方がいいとのこと。
「はい局長、これです」
黒くて硬くて小さい何の変哲もないUSBを取り出すシェリアさん。
「ええ、ありがとうございます。ちょっと確認しますね」
そういうといつの間に取り出していたノートパソコンにUSBメモリーを差し込み、中身の確認作業に入るルーズルート。しかもヘリポートの上で…。
見られたりしそうなものだが、機体を背に向けているので恐らく大丈夫だろう…。
「ええっと…ああ、ありましたありました。確かにお目当てのものです」
「そうだろうな、何せ私が全速力で走って取ってきた物だもの」
自慢げにドヤ顔になりながら話す伍長は、腕を組みしゃがみ込んで確認しているルーズルートを見下ろすような体制を取っていた。
「して…そこにはいったい何が書かれているんだ?」
「えっとですね……………まぁ見せても問題はないでしょう。ただし口外禁止ですよ」
ルーズルートはそういうと、ノートパソコンを伍長達に見やすいように見せてくる。だがその資料を見た伍長とシェリアは言葉を失ってしまった。
なぜか? それは資料に書かれていることだった。
■国家最重要機密文章・流出した場合あらゆる手段を使い取り返すこと■
これにも確かに驚いたが、伍長が本当に驚いたのは、その機密文章の内容だった。
それがこれ。
■地球諸国統一連邦『国際統一連邦』設立に関する機密文章■




