番外編:王冠の裏側にある業務(感想来てブチ切れる巻)
感想は、少しずつ増えていった。
最終的には11件。
重複を除けば10件だった。
そのうち、好意的なものは5件。
「読んで幸せで、自然に笑顔になってました」
「2人のこの後も覗いてみたいな」
そんな言葉を、何度も読み返した。
本当に嬉しかった。
でも、正直に書く。
ある感想を読んだ瞬間、頭が真っ白になった。
内容は、外交という言葉の使い方についてだった。
この国の公爵家が、なぜ外交という言葉を使うのか。
設定としておかしいのではないか、という指摘だった。
そして、その次の感想。
日本語がおかしい。
社会人の常識を身につけてから書いてほしい。
とても読めたものではない。
読み進めるほど、腹の底から怒りが湧いてきた。
この作品のメインは、外交用語の考証でも、身分制度の研究でもない。
もちろん、細部について考えていないわけではない。
でも、何を描きたい作品なのかは、書いている自分が一番分かっている。
そして、その部分を受け取って楽しんでくれた読者さんも、確かにいた。
だからこそ、ただ相手を否定するためだけの言葉を見ると、余計に引っかかった。
こういう「自分が気持ちよくなるためだけに、送り先のことを考えず投げつけてくる言葉」を見ると、いつも思い出すことがある。
もう一つの趣味。
創作人形の世界で、ディーラーとして活動していた時期があった。
手作りだから数は少ない。
良いものほど競争になる。
丁寧に作っていることを知っているからこそ、それを手に入れられなかった悔しさだけで、作り手に噛みつく人もいた。
そして、そういう言葉で心を折られて、去っていった作り手も一人や二人ではなかった。
物を作って公開する。
その行為には、どの分野でも似たようなことがついて回るのかもしれない。
頭では分かっていた。
でも、いざ自分に向けられると、やっぱり腹は立つ。
一方で、数字は別のことも教えてくれていた。
PVは85,000まで伸びていた。
評価は★4.5を維持している。
満足してくれている人が大半だった。
こうして強い言葉を投げてくる人は、全体から見ればほんの一部だった。
それでも。
たった一件の強い言葉が、何十件もの静かな好意より重く残ることがある。
3通目を読んだあたりで、決めた。
もう、まともに取り合うのはやめよう。
読んで幸せになったと言ってくれた人たちの声の方を、これからはちゃんと大切にしていこうと思った。
次回、これで終わりではなかった。




