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笑天宮御政録 ―自然に暴走する女帝と常識トリオ―  作者: 鑫鑫
第二章 白風の拡張なんよ

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第十九話 自然に崩壊なんよ

太后が突然思いついた会議はすでに壊れ始めていたが、

ここからは壊れ方が一段階深くなった。


太后「……ほい、次は“自然の働き”なんよ。」


兵卒

「出んのんよ!!

 働きは勝手に生まれんのんよ!!

 働くんは人のほうなんよ!!」


天華「ほい、自然に働くんよ!」


蘭花「自然の働き……“天働(てんどう)の理”でございますね……」


薄花

「……働きが生まれる瞬間、

 まるで世界が小さく息をしておるようでございます……

 静の中に、ひとつの物語が生まれるんよ……

 ……美しゅうございます……」


兵卒

「出んのんよ!!

 働きは勝手に息せんのんよ!!

 働かせるんは人のほうなんよ!!」


---


文官は震える手で巻物をめくった。


文官「自然とは……“万物の働き”とも記され……」


蘭花「万物の働き……“万働(ばんどう)の儀”でございますね……」


薄花

「……万物が揺れるたびに、

 まるで空気が小さく息をしておるようでございます……

 静の中に、ひとつの祈りが生まれるんよ……

 ……美しゅうございます……」


理策「お知らせします。“働き”は行為です。自然とは一致しません。」


静策「……働きは……静ではありません……」


礼珠「働いたら礼を交わすべきでございます……」


兵卒「四方向から補足が来るんよ!!」


文官「わ、わたしの説明が……毎回……崩れるんです……」


兵卒「とうに崩れとるんよ!!」


---


琴雪が静かに口を開いた。


琴雪「……ふふ……自然は……静かに流れるものですよ……」


薄花

「……流れが揺れるたびに、

 まるで世界が小さく息をしておるようでございます……

 静の中に、ひとつの物語が生まれるんよ……

 ……美しゅうございます……」


静策「……流れは……静ではありません……」


兵卒

「出んのんよ!!

 静は勝手に流れんのんよ!!

 流れるんは風のほうなんよ!!」


礼珠「静には礼が必要でございます……」


兵卒「礼も静かなんよ!!」


天華「ほい、自然に褒めるんよ!」


蘭花「流石姫様、静誉(せいよ)の儀……でございますね!」


薄花

「……静かに褒める瞬間、

 まるで心がそっと震えるようでございます……

 影の中に、ひとつの祈りが生まれるんよ……

 ……美しゅうございます……」


兵卒

「出んのんよ!!

 静は勝手に褒めんのんよ!!

 褒めるんは人のほうなんよ!!」


剛明「褒めんのんよ!!」


理策「お知らせします。“褒める”は人の感情です。自然とは一致しません。」


静策「……褒めるは……静ではありません……」


礼珠「褒められたら礼を返すべきでございます……」


牧玄「……静は……褒めんのんよ……」


兵卒「意味わからんのんよ!!」


天華「ほい、自然に褒められたんよ!」


兵卒「褒められとらんのんよ!!」


琴雪「……ふふ……静かに褒めるのは……自然ではありませんよ……」


静策「……褒めるは……静ではありません……」


兵卒「静の二重圧なんよ!!」


---


剛明は頭を抱えた。

その横で、太后も同じように頭を抱えている。


剛明

「自然はな……人が作らん状態のことなんよ。

 例えば、山は――」


天華「ほい、自然に山が、うちを祝うんよ!」


蘭花「山祝(さんしゅく)の法……でございますね!」


薄花

「……山が揺れるたびに、

 まるで空気が小さく息をしておるようでございます……

 静の中に、ひとつの祈りが生まれるんよ……

 ……美しゅうございます……」


兵卒

「出んのんよ!!

 山は勝手に祝わんのんよ!!

 祝うんは人のほうなんよ!!」


理策「お知らせします。“祝う”は儀礼です。自然とは一致しません。」


静策「……山は……静ではありません……」


礼珠「祝われたら礼を返すべきでございます……」


牧玄「……山は……祝わんのんよ……」


兵卒「また意味わからんのんよ!!」


剛明「天華、山は祝わんのんよ!!」


天華「ほい、自然に祝うんよ!」


兵卒「祝わんのんよ!!」


太后「剛明、あんた……常識が溢れすぎておたまからこぼれとるんよ。」


剛明「おたま?ってなんなんよ!!」


牧玄「……わしも……常識が……こぼれそうなんよ……」


兵卒「常識担当が全員おたま?を抱えとるんよ!!」


---


文官は泣きながら巻物を閉じた。


文官

「自然とは……“無為の働き”……

 人が手を加えずとも……」


天華「ほい、自然に加えるんよ!」


蘭花「加礼(かれい)の儀……でございますね!」


薄花

「……手が触れる瞬間、

 まるで静がそっと震えるようでございます……

 影の中に、ひとつの祈りが生まれるんよ……

 ……美しゅうございます……」


兵卒

「出んのんよ!!

 手は勝手に震えんのんよ!!

 加えるんは人のほうなんよ!!」


理策「お知らせします。“加える”は作為です。自然とは一致しません。」


静策「……加えるは……静ではありません……」


礼珠「加えたら礼を交わすべきでございます……」


牧玄「……加えるは……自然ではないんよ……」


兵卒「意味わからんのんよ!!」


---


琴雪は静かに目を閉じた。


琴雪「……自然は……静かに……ただ在るだけですよ……」


薄花

「……在る瞬間、

 まるで世界が小さく息をしておるようでございます……

 静の中に、ひとつの物語が生まれるんよ……

 ……美しゅうございます……」


静策「……在るは……音が……ない状態です……」


兵卒

「出んのんよ!!

 静は勝手に息せんのんよ!!

 息するんは生き物のほうなんよ!!」


天華「ほい、自然に在るんよ!」


剛明「天華、それは正しいんよ!!」


理策「お知らせします。“在る”は状態です。自然と一致します。」


兵卒「一致したんか!!」


礼珠「在る際は礼を交わすべきでございます……」


兵卒「交わすな!!」


蘭花「在礼(ざいれい)の法……でございますね!」


兵卒「増やすな!!」


牧玄「……在るは……自然なんよ……」


兵卒「これ正しいんよ!!」


---


太后は杖をコツンと鳴らした。


太后

「……ほい、中盤なんよ。

 自然の意味は……まだまだ深いんよ。」


兵卒「もう深すぎるんよ!!」

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