第十ハ話 自然の哲学会議なんよ
天華の「自然に〇〇するんよ!」が国を混乱させたため、
太后が突然思いついた“自然の哲学会議”が開かれることになった。
【哲学会議の正式メンバー】
・剛明(政務の常識)
・牧玄(賢者の常識)
・太后(倫理の常識・議長)
・文官(記録の理)
・琴雪(静の理)
・天華(自然の張本人)
【後列控え】
・蘭花(侍女・深読み)※天華の後ろ
・薄花(侍女・ロマン)※蘭花の横
・理策(副官・機械補足)※剛明の後ろ
・静策(静補・音の殿補佐)※琴雪の後ろ
・礼珠(礼補・太后付き侍女)※太后の後ろ
・兵卒(生活の常識・悲鳴担当)
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大広間に正式メンバーが並び、
その後ろに控えの者たちが静かに立った。
太后「これより“自然の哲学会議”を始めるんよ。」
兵卒
「出んのんよ!!
自然は勝手に始まらんのんよ!!
始めるんは人のほうなんよ!!」
天華「ほい、自然に始まったんよ!」
兵卒「始まっとらんのんよ!!」
太后は杖をコツンと鳴らした。
太后「まずは……自然の意味を決めるんよ。」
天華「ほい、自然に決まったんよ!」
蘭花「自然決定……“天決の理”でございますね……」
薄花
「……決まる瞬間、
まるで空気が小さく息をしておるようでございます……
静の中に、ひとつの物語が生まれるんよ……
……美しゅうございます……」
兵卒
「出んのんよ!!
自然は勝手に息せんのんよ!!
決めるんは会議のほうなんよ!!」
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文官が巻物を広げた。
文官
「自然とは“天地の理”でございます。
天の動き、地の流れ――」
蘭花「天地の理……“天愛の法”でございますね……」
薄花
「……天地が揺れるたびに、
まるで世界が小さく息をしておるようでございます……
静の中に、ひとつの祈りが生まれるんよ……
……美しゅうございます……」
理策「お知らせします。“天愛”は自然ではありません。」
静策「……天地は……静ではありません……」
礼珠「天地には礼が必要でございます……」
兵卒「四方向から補足が来るんよ!!」
文官は震えた。
文官「い、いえ……古典には……そのような法は……」
蘭花「あぁ……“天愛心通の儀”……」
兵卒
「出んのんよ!!
儀式は勝手に増えんのんよ!!
増やすんは蘭花殿のほうなんよ!!」
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剛明は必死に説明した。
剛明
「自然はな……人が何もせん状態のことなんよ。
例えば、風は気候の流れで――」
天華「ほい、自然に風が、うちの名前を呼ぶんよ!」
蘭花「ふふふ、流石姫様。風名の儀……ですね?」
薄花
「……名を呼ぶ風は、
まるで心がそっと触れるようでございます……
静の中に、ひとつの祈りが生まれるんよ……
……美しゅうございます……」
兵卒
「出んのんよ!!
風は勝手に名前呼ばんのんよ!!
呼ぶんは人のほうなんよ!!」
理策「お知らせします。“呼ぶ”は行為です。自然ではありません。」
静策「……風は……静ではありません……」
礼珠「呼ばれたら礼を返すべきでございます……」
牧玄「……風は……名前を呼ばんのんよ……」
兵卒「重いんよ!!」
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文官は泣きそうになりながら続けた。
文官
「自然とは……“無為自然”……
人が作為を捨てた状態――」
天華「ほい、自然に作為するんよ!」
蘭花「これは、作為心通の法……?」
薄花
「……作為が揺れるたびに、
まるで心が小さく震えるようでございます……
静の中に、ひとつの物語が生まれるんよ……
……美しゅうございます……」
兵卒
「出んのんよ!!
作為は勝手に震えんのんよ!!
するんは人のほうなんよ!!」
理策「お知らせします。“作為”は行為です。自然とは一致しません。」
静策「……作為は……静ではありません……」
礼珠「作為には礼が必要でございます……」
剛明「蘭花、儀式を増やすな!!」
蘭花「剛明様、自然に増えます……」
兵卒「増えんのんよ!!」
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琴雪が静かに言った。
琴雪「……ふふ……自然は……静かですよ……」
薄花
「……静が深まるたびに、
まるで空気が小さく息をしておるようでございます……
影の中に、ひとつの物語が生まれるんよ……
……美しゅうございます……」
静策「……静は……音が……ない状態です……」
兵卒
「出んのんよ!!
静は勝手に息せんのんよ!!
静かにするんは環境のほうなんよ!!」
礼珠「静には礼が必要でございます……」
牧玄「……静は……自然ではないんよ……」
兵卒「どういうことなんよ!!」
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天華は胸を張った。
天華「ほい、自然に全部うまくいくんよ!」
蘭花「流石姫様、天和の理……ですね!」
薄花
「……うまくいく瞬間、
まるで世界が小さく微笑むようでございます……
静の中に、ひとつの優しさが生まれるんよ……
……美しゅうございます……」
兵卒
「出んのんよ!!
全部は勝手に微笑まんのんよ!!
うまくいくんは努力のほうなんよ!!」
剛明「天華……“自然”は便利な言葉じゃないんよ……」
天華「ほいじゃけぇ、自然に便利なんよ!」
理策「お知らせします。“便利”は人為です。自然とは一致しません。」
静策「……便利は……静ではありません……」
礼珠「便利には礼が必要でございます……」
蘭花「便利心通の儀……?」
兵卒「儀式増やすな!!」
牧玄「……便利は……自然ではないんよ……」
兵卒「重いんよ!!」
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天華はさらに続けた。
天華「ほい、自然に皆が、うちを理解するんよ!」
蘭花「流石姫様、理解礼通の法……ですね!」
薄花
「……理解の瞬間、
まるで心がそっと開くようでございます……
静の中に、ひとつの光が生まれるんよ……
……美しゅうございます……」
兵卒
「出んのんよ!!
理解は勝手に開かんのんよ!!
理解するんは人のほうなんよ!!」
理策「お知らせします。“理解”は認知です。自然とは一致しません。」
静策「……理解は……静ではありません……」
礼珠「理解したら礼を交わすべきでございます……」
牧玄「……理解は……自然ではないんよ……」
兵卒「また重たいんよ!!」
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天華はまったく気にしていない。
天華「ほい、自然に皆が、うちを褒めるんよ!」
蘭花「おぉ、褒誉の儀……?」
薄花
「……褒める瞬間、
まるで心がそっと震えるようでございます……
静の中に、ひとつの祈りが生まれるんよ……
……美しゅうございます……」
兵卒
「出んのんよ!!
褒めるは勝手に震えんのんよ!!
褒めるんは人のほうなんよ!!」
理策「お知らせします。“褒める”は感情です。自然とは一致しません。」
静策「……褒めるは……静ではありません……」
礼珠「褒められたら礼を返すべきでございます……」
牧玄「……褒めるは……自然ではないんよ……」
兵卒「重いんよ!!」
剛明「天華、自然は褒めんのんよ!!」
天華「ほい、うちを自然に褒めるんよ!」
兵卒「褒めんのんよ!!」
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太后は杖をコツンと鳴らした。
太后
「……まだ始まったばかりなんよ。
自然の意味は……こんなもんじゃないんよ。」
兵卒「もう壊れとるんよ!!」




