第三話 自然に御政が始まるんよ
政務殿の静けぇ朝に、天華の“自然”が本格的に入り込むんよ。
常識トリオが揃って、御政が自然に動き始める回なんよ。
◆ 政務殿の朝、静けぇ時に生活の音が聞こえるんよ
天華国・笑天宮の政務殿。
黒檀の床は夜の冷気をまだ少し残し、踏むたびにひんやりと返してくる。
天井は高く、龍紋の梁が何本も連なり、朝の光を受けてゆっくりと浮かび上がる。
広い御道の左右には文官と武官の机が長く並び、巻物や筆が整然と置かれていた。
柱は兵卒がすっぽり隠れるほど太く、光が当たるたびに彫り模様が揺れて見える。
政務殿の端では生活系官吏が朝の支度を整え、静寂の中に小さな物音が紛れ込んでいた。
最奥の半段高い上座には大后おばあちゃんが座し、
背後の簡素な屏風が淡く照り返す。
――本来なら、ここは静寂の象徴なんよ。
しかし天華の「自然に全部できるんよ」は年齢とともに勢いを増し、
政務殿はついに限界を迎えていた。
官吏は震え、兵卒は柱の陰に隠れ、
料理人は鍋を盾にして政務殿に立てこもる。
まるで自然災害の前兆だった。
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◆ 緊急会議、自然に開かれるんよ
第二話の騒動を受け、緊急会議が召集された。
誰も座っていない玉案に向かって、天華が勢いよく登場する。
天華
「自然に会議が始まるんよ!」
書類を裏返したまま読み上げ始める。
官吏
「天華様、それ裏です!」
天華
「自然に読めるんよ!」
読めてはいなかった。
大后が上座の机を叩く。
杖の白玉が鳴り、梁が震えた。
大后
「常識のある者を集めるんよ!!」
政務殿の空気が一変した。
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◆ 常識トリオ、政務殿に自然に召集されるんよ
● 剛明(制度の常識+謎理論)
天華は兵卒の手を勝手に繋ぎながら言う。
天華
「自然に仲良くなるんよ!」
剛明は深いため息をついた。
剛明
「天華、自然に仲良くはならんのんよ……
仲良くなるには“段階”があるんよ……
段階には“段階の段階”があるんよ……
その段階の段階を踏まんと“段階の本質”に到達せんのんよ……
本質を踏まんと制度は動かんのんよ……」
兵卒
「段階の……段階……?」
官吏
「本質が……あるんですか……?」
天華
「自然に本質に行けるんよ!」
剛明
「行けんのんよ!!
自然は段階をすっ飛ばすんよ!!
すっ飛ばしたら段階じゃなくて“飛翔”なんよ!!
飛翔は制度に存在せんのんよ!!」
兵卒
「飛翔は……制度にないんですか……?」
剛明
「ないんよ!!」
政務殿がざわついた。
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● 牧玄(生活の常識)
牧玄が政務殿に入る。
牛も自然に入ってきた。
天華
「自然に意見を言うんよ!」
牧玄は牛を見て渋く言う。
牧玄
「牛は嘘をつかんけぇ、意見は言わんのんよ。」
官吏たちがざわつく。
天華
「自然に全部できるんよ!」
牧玄
「生活は自然に整わんのんよ。
整えるけぇ整うんよ。」
天華
「自然に働くんよ!」
牧玄
「牛は自然に働かんのんよ。
人が世話するけぇ働くんよ。」
政務殿の空気が一瞬だけ締まった。
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● 大后おばあちゃん(圧の常識)
三人が揃った瞬間、政務殿の空気が変わった。
剛明。
牧玄。
大后。
宮廷はこの三人を――
“常識トリオ” と呼んだ。
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◆ 自然に国が良くなるんよ
天華は政務殿の柱の前で砂糖袋を積み上げていた。
黒檀の床に白い砂糖袋が積み上がるたび、
政務殿の荘厳さがどんどん“生活の甘さ”に侵食されていく。
天華
「自然に国が良くなるんよ!」
官吏
「砂糖で国は良くならんのんよ!!」
天華
「甘い国になるんよ!」
兵卒
「甘い国って……なんですか……?」
牧玄は砂糖袋を見て渋く言う。
牧玄
「甘さは自然に出てこんのんよ。
誰かが足すけぇ甘いんよ。」
天華
「ほいじゃけぇ足したらええんじゃ!」
剛明
「足す場所が違うんよ!!
政務殿は甘さを足す場所じゃないんよ!!
甘さは“甘さの部署”があるんよ!!」
官吏
「甘さの部署……あるんですか……?」
剛明
「ないんよ!!」
天華
「ほいじゃけぇ作ったらええんじゃ!」
牧玄
「作らんのんよ!!」
大后おばあちゃんが杖を鳴らす。
大后
「国は砂糖で良くならんのんよ!!
自然に良くなると思うな!!
自然は“そのまま”なんよ!!」
三人は揃って叫んだ。
三人
「自然に良くはならんのんよ!!」
政務殿が震えた。
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◆ 自然に御政が始まるんよ
天華は政務殿の中央で宣言する。
龍紋の梁が朝光を受けて揺れ、
官吏たちが一斉に身構えた。
天華
「自然に御政を始めるんよ!」
官吏
「自然に始める御政は存在しません!!」
天華
「ほいじゃけぇ自然に始まったなら、自然のままなんよ!!」
剛明
「自然のままじゃ政は動かんのんよ!!」
官吏
「自然のままの国は滅ぶんよ!!」
牧玄
「鍋も自然のままじゃ煮えんのんよ!!」
天華
「自然に煮えるんよ!!」
剛明
「煮んのんよ!!」
政務殿は再びざわつき始めた。
――ここから天華帝国の混乱は、
本格的に“自然に”始まる。
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天華の“自然”は政務殿に根を張り始めたんよ。
ここから御政の混乱が、自然に広がっていくんよ。




