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笑天宮御政録 ―自然に暴走する女帝と常識トリオ―  作者: 鑫鑫
第一章 白風の誕生なんよ
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第ニ話 天華ちゃんの誕生なんよ

天華国・笑天宮で“自然に全部できる”皇女が生まれた日の話なんよ。

伝承と風と誤解が、ここから始まるんよ。


◆ 笑天宮に風が生まれる


古装時代のある日。

笑天宮に甘い風がふわりと吹いた。

庭の柳が揺れ、屋根瓦がカタカタと笑うように鳴り、

まるで「新しい騒ぎが生まれるんよ」と告げているようだった。


◆ 皇女・天華の誕生


その日――皇女・天華が生まれた。


生まれた瞬間から笑った赤子など、宮廷の誰も見たことがない。

泣き声より先に「ふふっ」と笑う赤子に、官吏たちは震えた。


「この子は特別な子じゃ……」

「風の精に愛されとるんじゃろうか……」

「笑天宮の名にふさわしい皇女じゃ……」


◆ 初代皇帝の伝承が語られる


初代皇帝の伝承が語られた。


――笑いの風が吹く日に生まれた子は、国を明るくする。


しかし、伝承には続きがある。

宮廷の者たちが普段は語らない“深い部分”だ。


初代皇帝が即位した日、笑天宮には一日中、風が吹いていた。

その風はただの風ではなく、

紙を舞わせ、木々を揺らし、瓦を鳴らし、

まるで宮廷そのものが笑っているようだったという。


「風は天の声なんよ」

初代皇帝はそう言った。


風が強い日は政が進み、

風が弱い日は争いが起き、

風が止まった日は国が泣いた。


そして、初代皇帝はこう残した。


――風が笑う日に生まれた子は、

 天と人の“誤解”をつなぎ、国を動かす。


この“誤解をつなぐ”という言葉は、

宮廷の誰も意味が分からなかった。


しかし、初代皇帝は続けた。


「天は時に人を誤解し、人は時に天を誤解する。

 その誤解が重なる時、国は動くんよ。

 その誤解を笑って受け止められる子が、

 国を明るくするんよ。」


その言葉は長く忘れられていた。

ただの古い伝承として。


だが――

天華が生まれた瞬間、宮廷は思い出した。


笑う風。

笑う赤子。

笑う宮廷。


「……伝承が、また始まったんじゃないか?」


誰かがそう呟いた。


そして、誰も口にしなかったが、

宮廷の者たちは心のどこかでこう思っていた。


――この子は、天と人の誤解を“自然に”生むんじゃないか。


◆ 天華の“自然”が始動する


確かに天華は明るかった。

しかし、明るいだけではなかった。


彼女は風の精の伝承を信じすぎたのだ。


「自然に全部できるんよ!」


幼少期の天華は、何でも“自然に”やろうとした。


自然に歩こうとして壁に向かって歩き、

自然に勉強しようとして本を裏返し、

自然に笑わせようとして無言で相手を凝視し、

自然に片付けようとして物を窓から投げた。


宮廷は毎日が騒がしかった。


「天華様! 片付けは窓から投げることではありません!」

「自然に片付くんよ。風が運んでくれるんよ。」


風は運ばなかった。

むしろ庭が物で埋まった。


◆ 大后おばあちゃんの初登場


見かねた宮廷は、一人の人物を呼んだ。


大后おばあちゃん――天華の祖母である。


笑天宮で一番怖く、そして一番優しい人物。

天華が物心ついた頃から、毎日のように叫んでいた。


「天華! 自然に全部できると思っとるんはアンタだけなんよ!」


「できるんよ!」


「できんのんよ! 自然にできるならワシの腰痛も自然に治っとるわ!」


◆ 天華の“暴走の素質”が明らかになる


天華は素直で明るく、誰よりも優しい。

しかし、極端で、誤解が多く、そして何より――暴走しやすかった。


宮廷は次第にこう思い始めた。


「この子を止められる者を探さにゃいけん……」

「このままでは笑天宮が自然に終わるんよ……」


◆ 常識トリオの誕生へ


そして――

**宮廷は“常識のある者を集める”決意を固めた。**


第三話へ続く。


天華の“自然”はまだ始まったばかりなんよ。

ここから笑天宮の騒がしい日々が動き出すんよ。


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