第十二話 白紙の拡張なんよ
白紙が自然に広がり始めるんよ。
紙の場所も噂の段階も増えて、白紙が政務室を拡張する回なんよ。
◆ 政務室の朝、自然に“配置”が整うんよ
政務院の政務室は三十名は入れる広さがある。
中央には黒檀の長机が一本まっすぐ伸び、左右に官吏たちの席が並ぶ。
奥の一段高い場所には上座があり、太后が静かに腰掛けていた。
太后の上座は他の席より半歩だけ高い。
段差は小さいのに、そこに太后が居るだけで空気が締まる。
左右は誰も座らない。“空けておくのが礼”という決まりがある。
長机の手前側には剛明が立ち、
その横に天華、文綺、紫苑、官吏たちが自然に集まっていた。
誰も指示していないのに、毎朝この配置になる。
そして天華のすぐ背後には蘭花が控えていた。
侍女が政務室に入るのは本来なら礼に反する。
だが天華が政務に出る時だけは、蘭花が背後に立つのが“形”になっていた。
蘭花
「ふふふ……流石姫様です……
政務室の配置すら……自然に整えてしまわれる……」
剛明
「整えてないんよ!!」
政務室の朝は静かだった。
昨日と同じ薄い霧が庭に漂い、障子越しに淡く差し込んでいた。
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◆ 二日目の紙の増殖、自然に“場所”が拡張するんよ
官吏A
「……棚にも紙が増えとるんよ。」
官吏B
「床にも増えとるんよ。」
官吏C
「窓際にも増えとるんよ。」
剛明
「机だけじゃなかったんよ!!
昨日は机だけだったんよ!!
今日は棚と床と窓際なんよ!!
自然はそんな器用じゃないんよ!!」
天華
「ほいじゃけぇ。自然に器用なんよ。」
官吏
「器用なんよ!!」
剛明
「器用じゃないんよ!!自然は不器用なんよ!!」
兵卒
「不器用な自然が器用になっとるんよ!!」
官吏
「進化なんよ!!」
剛明
「進化せんのんよ!!」
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◆ 民衆の噂、二日目で三段階進化するんよ
文綺が巻物を広げる。
文綺
「民衆の噂が昨日より複雑化しております。」
剛明
「複雑化せんのんよ!!噂は単純でええんよ!!」
文綺
「『白紙は天が書く余白なんよ』と言われ始めました。」
官吏
「余白なんよ!!」
文綺
「さらに『余白は自然が守っとるんよ』とも……」
官吏
「守っとるんよ!!」
文綺
「そして『自然が守る余白は天意の前段階なんよ』と……」
官吏
「前段階なんよ!!」
兵卒
「段階が自然に増えとるんよ!!」
剛明
「段階を増やすんじゃないんよ!!
噂は段階制じゃないんよ!!
昨日より段階が増えとるんよ!!」
天華
「ほいじゃけぇ。自然に段階なんよ。」
官吏
「段階なんよ!!」
剛明
「段階じゃないんよ!!」
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◆ 天華の自然理論、整列まで拡張するんよ
官吏A
「……紙が整列しとるんよ。」
官吏B
「昨日は散らかっとったんよ。」
官吏C
「自然に整列したんよ。」
剛明
「自然は整列せんのんよ!!
自然は散らかるんよ!!
整列は人がやるんよ!!」
天華
「ほいじゃけぇ。自然に整列なんよ。」
官吏
「整列なんよ!!」
剛明
「整列じゃないんよ!!」
蘭花
「ふふふ……流石姫様です……
自然の散らかりすら……整列へ導かれる……」
剛明
「導いてないんよ!!」
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◆ 犯人不明の紙、昨日より増えるんよ
官吏A
「蘭花様が置いた紙は一枚なんよ。」
官吏B
「でも机には三枚増えとるんよ。」
官吏C
「棚には二枚増えとるんよ。」
官吏D
「床には一枚増えとるんよ。」
剛明
「昨日より犯人が増えとるんよ!!
犯人は一人じゃないといけんのんよ!!
犯人が増えたら政務が“多犯制”になるんよ!!」
官吏
「制度なんよ!!」
剛明
「そんな制度は無いんよ!!」
天華
「ほいじゃけぇ。自然に多犯なんよ。」
剛明
「多犯じゃないんよ!!」
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◆ 蘭花、天意の“位置指定”を始めるんよ
政務室の空気が震えた。
蘭花が袖を翻し、紙を一枚そっと置く。
蘭花
「……天は、紙が置かれるべき“位置”を示しておられます。」
官吏
「位置なんよ!!」
剛明
「位置は示さんのんよ!!
天意は座標を持たんのんよ!!
天意が座標を持ったら政務が“天意座標制”になるんよ!!」
官吏
「制度なんよ!!」
剛明
「そんな制度は無いんよ!!」
天華
「ほいじゃけぇ。自然に座標なんよ。」
剛明
「自然は座標を持たんのんよ!!」
蘭花
「ふふふ……流石姫様です……
自然の座標……天意の座標……
すべて姫様の背後で整っております……」
剛明
「整ってないんよ!!」
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◆ 太后、自然に収束させるんよ
太后
「……剛明、今日はここまでにしんさい。
紙の増殖は明日さらに増えるじゃろう。」
官吏
「増えるんよ!!」
剛明
「増えんのんよ!!」
天華
「ほいじゃけぇ。自然に増えるんよ。」
剛明
「増えんのんよ!!」
太后
「増えるんよ。」
剛明
「増えるんかい!!」
政務室の空気は、昨日より確実に“拡張”していた。
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白紙は自然には広がらんのんよ。
けど天華は自然に広がると思っとるんよ。
ここから白紙の“位置”と“意味”が、自然に混ざり始めるんよ。




